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ラグビー コラム 2023年9月15日

世界ランク1位アイルランドとビッグネーム合流のトンガ、今大会注目の2チームが激突。ラグビーワールドカップ2023プールB注目カードプレビュー。

ラグビーレポート by 直江 光信
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もとよりフィジカリティでは世界有数の肉体派集団に、トップレベルの国際試合を経験してきた世界的スターが多数加わったのだから、これまでとは別のチームと見ていいだろう。7、8月のテストマッチシリーズでは思うように勝利をつかめなかったが、連携を高めて挑むワールドカップ本番では、大幅にパフォーマンスを上げてくることが予想される。

アイルランドはすでに初戦を終えており、9月9日にボルドーでルーマニアに82-8と大勝。今大会の雰囲気を経験した上で迎えるこの試合は、さらにいい精神状態で臨めるだろう。23日のサンドニでの南アフリカとの大一番(日本時間24日04時キックオフ)にはずみをつけるためにも、いい内容で勝利したいという思いは強いはずだ。

一方のトンガはこれが初戦。ナーバスになりやすいシチュエーションに、気迫みなぎる激しいコリジョンからペースをつかむスタイルということもあり、ヒートアップしすぎて規律が乱れないかという点が最大の気がかりだ。この部分でも、経験豊富なインターナショナルプレーヤーたちの存在は大きな鍵となる。

 

キックオフ2日前に発表された登録メンバーを見ていくと、アイルランドはルーマニア戦から先発4人を入れ替えた。新たにスターターに名を連ねたのは、HOロブ・ヘリング、FLジョシュ・ファンデルフレイアー、SHジャミソン・ギブソンパーク、WTBマック・ハンセンで、前節ブラインドサイドFLを務めたタイグ・バーンがLOに、ピーター・オマーニーは7番から6番に回る。15人合計のキャップ数は819で、ほぼベストといっていい構成だ。

 

一方のトンガもFBピウタウ、CTBフェキトア、SHプル、NO8フィフィタと、スターターに4人の元オールブラックを並べる強力な布陣を敷いてきた。キャプテンを務めるのは公称145キロ、「ビッグ・ベン」の愛称を持つ巨漢PRベン・タメイフナ。フロントロー3人の総体重は387キロで、FW8人平均で身長190.1センチ、体重119.9キロという超大型パックになった。

トンガとしてはコンタクトエリアのバトルで激しく体を当ててプレッシャーをかけ、得意の肉弾戦から突破口を開きたいところだろう。もっともアイルランドも強力なFW陣が現在の充実の原動力となっており、前に出る推進力とセットプレーの支配力は出場国中随一。見応えあるファイトが繰り広げられそうだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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