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ラグビー コラム 2022年10月24日

【ハイライト動画あり】力を振り絞ったタックル、ジャッカル。 勇敢に戦ったサクラフィフティーン

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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女子ラグビーワールドカップ2021 ニュージーランド大会 プールB

【ハイライト動画】日本 vs. イタリア

後半18分、松田が自らのキックを追い、自らキャッチすればトライになるシーンがあったが、ここはバウンドが合わずにノックオン。22分には今釘が大きな相手に果敢にタックルしたが、頭部が相手の顔に当たり危険なタックルでシンビン(10分間の一時退場)となる。27分にPGを追加され、さらに攻め立てられるが、日本は相手より一人少ない14人で懸命にタックルし、ワンチャンスで逆転可能な点差で戦い続けた。後半40分、HOメリッサ・ベットーニにトライを奪われて勝利の可能性は消えたが、最後まで全力で戦う姿は見る者の胸を打った。「勇敢だった。選手たちを誇りに思う」(レスリー・マッケンジーヘッドコーチ)という言葉通りの立派な戦いだった。

スタッツ(統計数値)では、地域獲得、ボール支配率とも大きな差がないが、ボールをもって進んだ距離はイタリアの684mに対して日本は455m。パスの回数は238対149。タックル数はイタリアの118(成功率84%)に対して、日本は194(成功率77%)と苦しい試合だったことを物語る。健闘むなしく、ベスト8進出を目標に掲げたサクラフィフティーンは、プール戦3試合で勝ち点を奪うことができず大会から去ることになった。

 

試合後、先頭に立ってチームを引っ張ってきた南早紀キャプテンは言った。「前回のワールドカップから5年間、ここを目指してやってきて、自分たちはベスト8に行くのだという強い思いがありました。そこに届くことできず、残念な気持ちで一杯です。上手くできなかった点は、後半敵陣でプレーできなかったところ、ペナルティを多く重ねて相手にチャンスを与えてしまったところ。強豪国に勝って上に上がるためには、自分たちに何が必要か、改めて学びました。しかし、前回2017年のRWCの時とはまた違った課題が見えてきて、私たちは成長していると感じています」

再三、ディフェンスを突破した松田凜日は次を見据えた。「ただただ悔しいという気持ちしかありません。日本はディフェンスのチームだと思いますが、チャンスをものにする、トライまで繋げる力がないと、ベスト8には行けないと実感しました。次回出場できたときには、1試合目から自分のパフォーマンスが出せるように準備したい。もっとチームの得点に繋がるような、チームを勢いづける選手になりたいです」

マッケンジー・ヘッドコーチは2日前の記者会見で、「いまは目の前の試合にフォーカスしています」とした上で、こんなコメントも聞かせてくれた。「過去12カ月、スコットランド、オーストラリア、アイルランドに勝つなど、選手たちはさまざまなことを成し遂げました。女子ラグビーのイメージを上げ、日本の女性が何を成し遂げられるのかも示しました。その感情をおぼえておくこと、それを続けていくことが大切です」。強豪国に勝つための強化は始まったばかりだ。サクラフィフティーンの挑戦は終わらない。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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