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フロントローはスクラムの要でもある南早紀キャプテン、谷口琴美、加藤幸子。両LOはタックルにブレイクダウンに体を張る佐藤優奈、高野眞希のコンビ。第三列は野性味ある動きが光る細川恭子、器用な長田いろは、トライゲッターの齊藤聖奈という機動力ある3人が並ぶ。スピーディーな展開を引き出すSH阿部恵、判断のいいパス、キックの光るSO大塚朱紗のHB団は勝利のカギを握る存在。大塚とともにゲームを作る山本実、好タックルを連発している古田真菜の両CTBはBKラインの要だ。前節、大塚のロングパスを受けてトライを決めたWTB名倉ひなの、カウンターアタックからの独走トライで終盤に一矢報いたWTB今釘小町、力強いボールキャリーで奮闘するFB松田凛日のバックスリーにはフィニッシャーとしての期待がかかる。
山本実は「前節のアメリカ戦は数字で見ると、テリトリーもポゼッション(ボール保持率)も有利なのに負けて悔しかったです。でも、私たちのワールドカップは終わっていません。ベスト8の可能性はあるし、アメリカ戦の2日後には気持ちを切り替えることができました」と話す。そう、サクラフィフティーンの挑戦は終わっていない。山本はチャンスを作りながらトライが獲り切れないことを踏まえて次のように話した。「夏のテストマッチではゴール前に行けばFWでトライを獲りきれたのですが、相手も対策をしてくるし、そこで獲りきれていない。BKでボールを動かして、またFWに頑張ってもらってというように、これまでとは違う動かし方でトライを獲りたいです」。
南早紀キャプテンは「後悔しないように戦いたい」と言った。前大会(2017年)で世界の強さを痛感し、そこで勝つためにハードワークを重ねてきた。オーストラリア代表、アイルランド代表といった強豪国も倒した。その戦いで得てきたものを出し切りたいということだ。サクラフィフティーンが笑顔でノーサイドを迎えられることを祈りたい。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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