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反対に筑波大の武器はラインアウト。今季はバックファイブに180cm台後半の高さのある選手がそろっており、安定したボールキープからの結束の固いドライビングモールが大きな得点源となっている。早稲田大戦でも3トライのすべてをその形でマークしており、敵陣22mライン内でいかにマイボールラインアウトの機会を作れるかが、この試合のポイントとなるだろう。
もうひとつの見どころは、両者の激突で常にキーファクターとなる接点のバトルだ。過去の対戦でもコリジョンの局面で帝京大が圧倒した時はビッグスコア、筑波大が互角に戦えた時はクロスゲームになっている。学生随一の推進力を誇る帝京大を相手に、「バチバチ」のスローガンを掲げる筑波大がどこまで粘り強く体を当て続けられるかで、スコアボードの数字は決まるだろう。
帝京大学スターティングメンバー
発表された登録メンバーを見ていくと、帝京大は2週前の青山学院大戦から先発4人を変更。両PRは前節と同じ高井翔太、上杉太郎で、HOに福井翔がイン。LO陣は尹礼温、江里口真弘のコンビに変わった。バックローはFL青木恵斗、FL奥井章仁、NO8延原秀飛という不動の3人だ。
BKは11番が長谷川毅に変わっただけで、残る6人は同じ顔ぶれ。SH李錦寿とSO高本幹也がHB団を務め、TBはWTB長谷川、CTB松山千大、CTB二村莞司、WTB小村真也という並びに。FBは青山学院大戦で際立つ活躍を見せた谷中樹平だ。
筑波大学スターティングメンバー
対する筑波大は前節の早稲田大戦の先発メンバーから5人を入れ替えた。フロントローはキャプテンのPR木原優作、HO肥田晃季の主軸2人に、スクラムが持ち味の田中希門が3番という布陣。LOは梁川賢吉が2試合ぶりに復帰し、本郷雄斗とペアを組む。前節LOの横溝昂大ショーンは7番へシフトし、FL茨木颯、NO8谷山隼大という第3列となった。
HBはSH白栄拓也とSO楢本幹志朗が3戦連続のスタメン。11番が一口直貴に変わり、12番浅見亮太郎から13番松島聡、14番濱島遼は前節と同じ構成だ。FBは明治大戦で2G1PGを決めた高田賢臣が、2試合ぶりに先発する。
シーズン前半に上位校との対戦が集中している筑波大にとっては、厳しい2連戦を経て中2週で迎えるゲームだけに、心身ともいいコンディションで臨めるはず。帝京大は前2戦から相手のレベルが大きく上がる中で、いかに自分たちのラグビーを遂行できるかが問われる試合となる。それぞれのこの先の歩みを左右する一戦となりそうだ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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