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赤いヘッドキャップの梁本旺義主将
同志社大学は昨年、5年ぶりに大学選手権ベスト8へ進出。しかし、「紺グレ」は秩父宮の舞台で帝京大学に敗れ、悔しさを残した。今季はNO8(ナンバーエイト)梁本旺義が主将に就任し、新たに宮本啓希監督を迎え、動き出した「梁本組」。
今年度のスローガンは「MOVE」。同志社ラグビーの理念である、見ている人に夢と感動を与えるチームになる。悔しくも、日本一を逃した昨年度。天下を取るには春季トーナメントでの関西制覇は大前提だった。梁本組なら本当に日本一を獲ってくれるかもしれない。そう思った矢先だった。
スタメン常連メンバーの相次ぐ負傷により不利な状況で挑んだ2022年度関西大学春季トーナメント戦の対立命館大学戦。開始15分で相手に流れを掴まれると、その勢いを試合終了まで止める事ができず、14-57でまさかの敗北。「去年できていたことが、全然できていなかった試合だった」(梁本主将)。
点を離されるごとにコミュニケーションが少なくなっていき、ディフェンス面でも気持ちの面でも立命大に負け、怖気している場面が多く見られた。予想外の黒星に動揺を隠せない同志社ファン。関西制覇の道は早くも閉ざされてしまった。
だが、梁本組は既に前を向いていた。立命大戦から一夜明け、行われた対明治大学戦。明大といえば、今シーズン昨年選手権王者の帝京大学から白星を奪った強敵だ。屈辱的な大敗となった前戦から一転、気持ちを新たに挑んだ対明大戦。
最後まで一貫して攻める姿勢を続け、明大相手に3トライを上げた。「一番やりたいアタックをしっかりスペースまで運んで行けたというのが、(梁本組が)始まってから初めてできたゲームだった」(宮本監督)。強豪明大に臆する事なく何度も突破を試みる紺グレに多くの観客の心がまさに「MOVE」した試合だった。
その後行われた、2022年度関西大学春季トーナメント戦の5・6位決定戦。絶対に負けられない同志社は前年王者としての意地を見せつけ、摂南大学相手に白星を挙げ、5位で春を終幕。立命大にまさかの敗北を喫したものの、一貫して動き続けるアタックにこだわり、挑戦してきた春季トーナメント。多くの課題を残したものの、着実にレベルアップを図り、新しい同志社ラグビーを体現してきた。
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