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天理大は看板のセットプレーで優位に立ち、攻守ともコンタクト局面でプレッシャーをかけて主導権を握りにくるだろう。2年前の優勝時のような飛び抜けたタレントこそいないものの、どのポジションにも泥臭く体を張れるハードワーカーがそろっている点は、今季のチームの強みだ。新たにレギュラーに定着したメンバーが多いだけに、シーズン初戦をいい内容で勝ち切って波に乗れるかという点も、重要なテーマとなる。
試合2日前に発表された登録メンバーを見ると、天理大のFW第1列はPR宮田悠暉、HO谷口永遠、PR松野楓舞の3人。LOはナイバルワガ・セタと渡邉完徒のペアで、バックローはFL鄭兆毅、FL関口大輔、NO8パトリック・ヴァカタという並びになった。バックファイブに高さのある布陣で、ラインアウトをはじめとする空中戦で強みを発揮しそうだ。
HBはSH北條拓郎とSO福本優斗の3年生コンビ。ゲームキャプテンを務める堀田恒司が、上野颯汰とCTB陣を形成する。両WTBはナイバルワガトマシとマナセ・ハビリという持ち味の異なるフィニッシャー2人。最後尾のFBには1年生の上ノ坊駿介が入った。
対する関西大は、PR宮内慶大、HO垣本大斗、PR細矢一颯のフロントロー3人がスクラムで重責を担う。LO陣は3年生の中薗拓海と、189cm、113kgのサイズを誇る期待のルーキー、中村豪。バックローは西山光太郎、岩崎友哉の両FLに、NO8池原自恩キャプテンという構成だ。
ゲームコントローラーを務めるHB団は、SH溝渕元気とSO池澤佑尽の2人。米虫悠輔、山本紫温のCTB陣が中盤で前に出て、決定力のある沢口飛翔、垣本大誠の両WTBをいい形で走らせたい。FBはこちらも1年生、昨冬の花園で活躍した遠藤亮真が務める。
天理大は昨季開幕戦で近畿大に7-23と苦杯を喫し、結果として最後まで流れに乗り切れないままシーズンを終えた。初戦の大切さを嫌というほど味わっただけに、今回は強い意気込みでオープニングマッチに臨んでくるだろう。一方の関西大はAリーグに復帰した2020年度こそ不戦勝1のみの7位に終わったものの、昨季は2勝を挙げて確かな手応えをつかんだ。さらなるステップアップを遂げる上で、このゲームは絶好のチャレンジの機会となる。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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