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姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)
プレーオフ進出を巡る激闘が続くなか、6位のトヨタヴェルブリッツ(トヨタV)が踏ん張った。4月16日(土)、大阪・長居のヨドコウ桜スタジアムにて、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(RH大阪)と対戦。3トライ差をつけるボーナス点も獲得しながら勝利し、トップ4争いに生き残ったのだ。しかし、相手を圧倒する勝利ではなかった。NTTグループのチーム再編で、現体制では残り4試合という期限が決まったRH大阪の魂のこもったプレーで攻守に白熱の展開となった。
午後5時、トヨタVのSOライオネル・クロニエのキックオフ。開始1分、トヨタVがラインアウトからモールを押し込み、インゴールに入ったかに見えたが、ここはRH大阪のSHティアン・メイヤーがボールを下に手を入れて押さえさせず、ゴールラインドロップアウトとなる。その後もRH大阪はCTBニック・グリッグとFL繁松哲大がタックルで相手を仰向けに倒すなど、激しいコンタクトプレーで対抗した。
茂野海人(トヨタヴェルブリッツ)
先にトライをとったのはトヨタVだった。前半11分、RH大阪陣深く入った左ラインアウトからモールを組んでRH大阪のFWを引き付けると、HO彦坂圭克が右サイドに持ち出し、その内側にサポートしたSH茂野海人がインゴールに躍り込む。クロニエがゴールを決めて、7-0とリード。17分のトライは自陣10m付近のPKから茂野が速攻を仕掛けて生まれた。一気に相手陣22mラインに迫った茂野を真っ先にサポートしたのは、トライの嗅覚に優れたWTB高橋汰地だった。
ここはRH大阪のディフェンスも戻ってくるが、反応が良かったのは高橋だけではなかった。その後ろからクロニエがやってきて高橋からパスを受け、左タッチライン際でタックルを受けながらパスを返し、そこに走り込んだCTBチャーリー・ローレンスがインゴールに駆け込んだのだ。茂野の40m近いロングゲインに対する素早い反応にトヨタVの選手たちの意識の高さが垣間見えた。
ジャパンラグビーリーグワン2022ディビジョン1
【第13節ハイライト】 NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 vs. トヨタヴェルブリッツ
その直後、今度はRH大阪が魅せる。ハーフウェイライン付近で相手キックを受けたSO高野祥太がカウンターアタックを仕掛け、CTB金勇輝にオフロードパス。金がゴールに迫り、このポイントから出たボールをFBラリー・スルンガがトライ。高野のゴールも決まって、12-7となる。前半26分にはスクラムで反則を誘い、29分にはトヨタVのハイタックルでPGチャンスを得ると、高野が2本とも成功させ、12-13と逆転して前半を折り返した。
トヨタVはRH大阪のディフェンスの圧力に思うようなテンポで攻撃ができずにいたが、後半に入ると、RH大阪の反則を誘いながら相手陣で長く戦い、ラインアウトからのチャンスをものにする。9分、NO8姫野和樹がゴールに迫ると、HO彦坂がボールを押さえて19-13と再びリード。17分にはラインアウトからモールを押すと見せて、最後尾にいたFL古川聖人が素早く左サイドにボールを持ちだしてトライ。24-13とすると、その後も2トライを追加して突き放した。最終スコアは、38-24。3トライ差をつけ、ボーナス点も含めて勝ち点5を獲得した。
「勝ち点5を獲った結果に対しては満足しています」と姫野和樹キャプテン。「ここ数試合、後半に流れをつかめずに負けてしまうことが多かったので、意識を変えました。メンタル面は良かったと思います。もっともっと良いラグビーが魅せられるように頑張りたいです」。サイモン・クロンヘッドコーチは、苦しい時間帯も我慢強く戦った選手を称えたが、「もう少し丁寧にプレーしないといけない」と簡単に失点したシーンなど修正点をあげた。次節は静岡ブルーレヴズと戦う。
ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)
一方、RH大阪は残り2試合となったホストゲームで奮闘。昨年10月の怪我(アキレス腱断裂)でリハビリを続けていた日本代表FWヴィンピー・ファンデルヴァルトが後半22分、今季初出場で熱心なサポーターを喜ばせた。また、後半29分にはニック・グリッグが交代出場のNO8ナエアタ・ルイのパスを受けて約60mの独走トライ。終了間際にも、トヨタVの茂野海人の兄・茂野洸気が素早いサポートでラックサイドを駆け抜けて意地を見せた。入替戦に出場せず、下部リーグからの再スタートが決まっているRH大阪にとって、今季は残り3試合。試合後の記者会見で報道陣からモチベーションを問われた牛原寛章ゲームキャプテンは、こう答えた。「応援してくれるファンの方々がいます。レッドハリケーンズのスローガンは、PLAY TO INSPIREです。残り3試合、プライドを持って戦い、ファンの皆さんに勝利を届けたいです」。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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