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写真:ジェームズ・ダーガヴィル
福岡のレベルファイブスタジアムには、国内では東京以外で初開催となるスーパーラグビーを一目見ようと、10,426人の観衆が集った。キャプテンのFBデイン・ハイレットペティを筆頭にオーストラリア代表を多数含むレベルズに対し、サンウルブズは序盤からスピーディーに戦った。前半9分、天理大学3年のWTBシオサイア・フィフィタの突進でチャンスを作ると、キャプテンを務めたCTB森谷圭介が先制トライ。森谷は26分にも好判断のロングパスでWTBタウタラタシ・タシのトライを導くなど、攻守にチームをリードした。大きかったのは後半開始早々のFBジェームズ・ダーガヴィルのトライだ。レベルズのショートパントをハーフウェーライン付近のタッチライン際で確保すると、約50mを走り切ってのトライ。これで、29-13と点差を広げると、後半なかばには早稲田大学4年のSH齋藤直人が登場し、ゴール前スクラムからのサインプレーでSOガース・エイプリルのトライを引き出すなど冷静にプレー。同大学4年のCTB中野将伍も終盤に交代出場しスタンドを沸かせた。最後は点差を詰められたが、齋藤が好タックルでノックオンを誘うなど守り切った。
写真:ガース・エイプリル
サンウルブズがレベルズに勝ったのは、6度目の対戦にして初めて。大久保HCは「ファンの皆さんは、(サンウルブズは)大丈夫なのかと思っていたでしょう。我々が寄せ集めではないと分かってもらえたら嬉しいです」と笑顔で勝利を喜んだ。「ロースコアのゲームでは勝つチャンスがないと思っていました。30点取りに行こうというのがスタートでした。(レベルズの得意の)モールでトライされたことにショックはありませんでした。何本かはトライをされるだろうけど、取り返そうというのが良かったと思います」。サンウルブズはこれまでも攻撃型のチームだった。取られたら取り返す。今後も、そのアグレッシブな姿勢を楽しみにしたい。
この3試合以外では、オーストラリアのブランビーズ、南アフリカのシャークス、ストーマーズ、アルゼンチンのハグアレスらが初戦を勝利で飾っている。ハグアレスは昨年までジャガーズと表記されていたが、現地の読み方にならってJSPORTSでは今季よりハグアレスと呼ぶことになった。RWC直後のスーパーラグビーは各チームに若手選手が多くなる。各国の代表チームに入る選手が誰になるかを想像するのも楽しみの一つ。RWCでも、トップリーグでもないスーパーラグビーは、演出もプロフェッショナルで華やか。一味違ったラグビー観戦を、テレビでスタジアムで堪能してみてはどうだろう。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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