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パシフィック・ネーションズカップ2019 日本 vs. アメリカ ハイライト
日本がアメリカ代表に勝利した数時間後、オーストラリアのパースで、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)の最終節が始まった。世界ランキング6位のオーストラリア代表ワラビーズが、1位のニュージーランド代表オールブラックスにチャレンジしたが、結果は47-26というワラビーズの勝利。これは両国の対戦でワラビーズ側があげた最多得点だった。2015年のRWCで準優勝して以降低迷していたワラビーズにとって、この勝利は計り知れない価値がある。RWC日本大会のプールDでは、ウェールズ、ジョージア、フィジーといった実力者がひしめき、決勝トーナメント進出すら危ぶむ声があったが、そんな不安を払拭できただろう。一方のオールブラックスは前半終了間際に仕事量の多いLOスコット・バレットがレッドカードを受けて退場になり、後半は14人で戦った。その中で2トライを奪うところに底力を感じる。2011年、2015年のRWCイヤーは今大会で優勝せず、RWCでは優勝している。本番には調整してくるだろうし、優勝候補の筆頭であることは間違いない。
TRC2019でもっとも輝いたのは、南アフリカ代表スプリングボクスだ。第1節でワラビーズを35-17で下し、第2節ではオールブラックスと16-16の引き分け。第3節はアルゼンチン代表プーマスを46-13で圧倒。TRCで初優勝を果たした。2012年にプーマスが加わる前のトライネーションズから数えれば、2009年以来の優勝だ。
プーマス戦のエベン・エツベス、フランコ・モスタートという長身LOコンビ、2mのFLピーター=ステフ・デュトイの活躍は出色だった。大きくて運動量豊富な選手が相手に圧力をかけ、俊足バックスリーがタッチライン際を駆け抜ける。RWCプール戦でのオールブラックスとの激突が待ち遠しい。その前に9月6日、このスプリングボクスと日本代表が対戦するというのは、多くの日本代表ファンにとって、期待と不安が入り混じる複雑な心境だろう。今大会では振るわなかったプーマスは、スクラムで苦しむ場面が多かった。多彩な攻撃力を持つだけに、セットプレーの安定がRWCでの躍進のカギになりそうだ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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