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2019年度の国内ラグビーシーズンが幕を閉じた。中学、高校、大学、社会人とどのカテゴリーの全国大会でも、観客の胸を締め付けるような熱い戦いが繰り広げられた。清々しい気分にさせてくれた選手、コーチ、チームを支えた関係者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいだ。
トップリーグカップ戦の優勝カップを手にしたトヨタ自動車ヴェルブリッツ
国内シーズンの最後を飾るトップリーグカップ戦総合順位決定トーナメント最終日は、1月19日に行われ、優勝カップを手にしたのはトヨタ自動車ヴェルブリッツだった。このカップ戦の位置づけについて、どう解釈すればよいか迷う人が多かったかもしれない。昨年12月15日のファイナルで神戸製鋼コベルコスティーラーズが頂点に立ったのが、各チームがベストメンバーで臨んだ戦いであり、2003年に発足したトップリーグの本流である。ここに今季はカップ戦が付け加えられた。
ラグビーワールドカップ日本大会は今年の9月20日に開幕する。日本代表選手を万全のコンディションで準備させるため、2018年度のトップリーグは極端な短縮日程で行われた。そのため、日本代表選手以外の選手に出場機会を与え、各チームの試合数を確保する目的に発足したのが「トップリーグカップ」だ。
日本代表選手が少ないチームもあって、カップ戦にほぼベストメンバーで臨むチームもあれば、サントリーのように出場機会の少ない選手にチャンスを与えた結果、日本人選手だけで戦うチームもあった。苦肉の策のカップ戦だが、来季のチーム作りのスタートと考えて取り組むチームが多かった。
前半34分、トライを決めた樺島亮太
優勝したトヨタ自動車のジェイク・ホワイト監督は「トヨタはまだ勝ち方を学ぶ必要がある」と、勝つことに重点を置いた。その結果が優勝につながった。トヨタ自動車がタイトルを獲るのは1998年度の全国社会人大会優勝以来、トップリーグ発足以降では初の戴冠である。準決勝では入社16年目の北川俊澄がラインアウトで相手ボールをスチールするなど、今季出場機会の少なかったベテランが活躍し、カップ戦ならではの心温まるシーンもあった。トヨタの歴史をつなぐシーズンの終え方といえるだろう。
1年目の若手が試合を重ねるごとに成長しているサントリー(尾崎晟也)
サントリーは沢木敬介監督が「日本人選手が育たないとクラブのカルチャーがなくなってしまう」と、たくさんの日本人選手にプレッシャーのかかる公式戦を経験させた。トヨタ自動車との決勝戦は最後に追い上げ、34-43まで迫った。「ひよっこが、ライオンになりかけましたけどね」と、選手たちの奮闘が嬉しそうに見えた。梶村祐介、尾崎晟也ら1年目の若手が試合を重ねるごとに成長するなど来季への手ごたえをつかむ決勝戦だったのではないか。
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