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堀江翔太、松島幸太朗、レメキ ロマノ ラヴァら主力選手が負傷で不参加だったなかで、テストマッチの経験の浅い選手が経験を積んだのも収穫だろう。FB不在の中で、ウィリアム・トゥポウがFBに入って安定したプレーをしたのも前向きな材料だ。リーチ マイケル、福岡堅樹のプレーはワールドクラスだった。
11月27日、日本代表の総括会見が行われたが、ジョセフHCは、2016年からの歩みを振り返り、「ティア1と戦わなければ分からないことがある」と、ニュージーランド(世界ランキング1位)、イングランド(同4位)と戦った意義を強調した。世界選抜、イングランドとあきらめずに戦い続けたことと、ニュージーランドから5トライをうばったことを前向きに評価した。
記者会見では、この3年間で、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランス、イタリア、イングランドと、シックスネーションズの6カ国とすべて対戦したことについて感想を求める質問があった。ジョセフHCはこう語った。「チームの特徴はそれぞれ違いますが、日本代表と戦う時は力ずくで勝ちに来ます。日本代表の早い展開を嫌ってスローダウンさせ、ダイレクトなプレー(SHからのフラットなパスに走り込むようなプレー)を多用してきます。日本代表は体格が小さく、フィジカル面でも劣っているからです。どんなチームに対しても日本代表は点を取ることができます。それは心配していませんが、スクラムで圧力をかけられると、FW第三列が動けなくなり、小さなSH、SOにプレッシャーがかかります。ゴール前のモールも止めるのが難しい」。
結論じみたことは言わなかったが、スクラム、ラインアウトの強化には引き続き時間をかける一方で、強豪国に対してはスクラム、ラインアウトを少なくし、攻める時間を多くして勝つしかないということだ。イングランド戦の前半のようにゲームを支配したいが、ボールをキープしているだけでは体力の消耗が激しい。そこで簡単に相手ボールにならないようなキックを使いつつ、チャンスを作ることが必要になる。ニュージーランド、イングランドと戦ったからこそ目指すレベルは明確になった。2019年は2月から始まるスーパーラグビーの舞台を活用しながらの強化になるが、いかに高いスタンダードを維持しながらトレーニングし、試合に臨み続けられるかどうかが鍵だろう。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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