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本稿執筆時点でメンバーは未定だが、オーストラリア代表86キャップのPRジェームズ・スリッパー(186cm、115kg、28歳)、日本のNECでプレーしたNO8スコット・ヒギンボサム(195cm、110kg、31歳)は怪我のためライオンズ戦は欠場し、逆に37歳のベテランFLジョージ・スミス(180cm、106kg)が復帰。メンバー編成が注目されるが、南アフリカ出身のFLリアム・ライト(193cm、97kg、20歳)、オーストラリア代表の父を持つFLアンガス・スコット=ヤング(194cm、108kg、21歳)など、20歳前後の生きのよい選手も多く、試合を重ねるごとに急速にチーム力を上げる可能性がある。どんなメンバー編成になるにせよ、侮れない。
サンウルブズとしては、ここ数試合の課題であるスクラムを安定させ、ラインアウト、前に出るディフェンスについては引き続きレベルアップさせたい。特にディフェンスについては、激しく前に出るだけではなく、相手に数的有利を作られたときには臨機応変に対応したい。攻撃面に関しては、SH、SO、FBを軸に相手のいないスペースを素早く、いかに突くかの判断を的確に遂行。ここまで9戦では、ミス、反則が即失点につながっており、規律の部分でも成長したところを見せてほしい。
スタッツ(統計数値)で見ると、レッズは9試合で「19トライ」しかあげておらず、これは15チーム中最下位、サンウルブズは「23」で14位。選手がボールを持って前進した距離でも、レッズの3,434mは最下位、サンウルブズは3,534mで14位である。アタック面の数字は両者ともに低く、サンウルブズとしては失点をできるかぎり抑えて勝ち切りたい。日本のファンに勝つ姿を見せる今季最後のチャンスだが、気負いすぎず、準備されたプレーを丁寧に遂行することで初勝利をもぎ取ってもらいたい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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