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ピックアップ コラム 2019年3月25日

日本代表中心に陣容極めて豪華、様相はプレ世界選手権・グランプリザグレブ大会

柔×コラム by 古田 英毅
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グランプリ・ザグレブ大会は7月27日~30日、クロアチア・ザグレブで開催される。この模様はJSPORTSでダイジェストで放送される。

バクー世界選手権(9月20日~27日)まで残されたワールドツアー大会はこれを合わせて2回のみ、しかも1か月の中断を経ての久々の大会ということもあって、今回の陣容は物凄い豪華さ。年初に日程が決まった時点では消化試合の可能性すらあったマイナー大会は一転、世界選手権の一大プレイベントとして大きな注目を浴びることとなった。

世界選手権とアジア大会をにらんで代表をずらり揃えた強国・日本の「ガチンコ」参戦がこの現象の中核。男子は全階級、女子は7階級中6階級に世界選手権あるいはアジア大会の個人代表を送り込み、これに呼応するように世界の強豪が集まったという形だ。

100kg超級_原沢

100kg超級_原沢久喜

男子日本代表は豪華という言葉では説明し切れない。73kg級の世界王者橋本壮市はフフホト大会で負った腕の負傷が癒えず欠場、100kg超級の選抜体重別王者小川雄勢も膝を負傷、さらに90kg級世界選手権代表の長澤憲大も膝の負傷で出場を見送ることとなったが、それでも60kg級の藤直寿と66kg級の阿部一二三の現役世界王者2名、バクー世界選手権で代表を務める81kg級の藤原崇太郎、さらに100kg級アジア大会代表の飯田健太郎、そして100kg超級に全日本選手権を制したばかりの原沢久喜と、率直に言ってグランプリ派遣メンバーとしては異例、世界選手権レベル以外では一度に見ることなどほぼ出来ない厚い陣容だ。

注目階級・選手を軽々に挙げることが憚られる状況であるが、敢えてと言われれば、海外勢の面子の良さに鑑みて100kg超級、そして原沢久喜の名前を挙げておきたい。ご存知の通り昨年原沢はオーバートレーニング症候群に苛まれて不本意なシーズンを送ったが、4月の全日本選手権では王子谷剛志との壮絶な決勝戦を制して優勝。今大会は復活の狼煙をあげたこの大会以降初めての公式戦であり、所属を離れた「フリー」の立場で挑む最初の大会でもある。吹っ切った戦いを見せてくれるかどうか非常に楽しみ。この階級はリオ五輪以降の「アスリートタイプの担ぎ技ファイター」トレンドの発信源であるグラム・ツシシビリ(ジョージア)と、リオ五輪準決勝でテディ・リネール相手に演じた大熱戦で彼らの発想のそもそものオリジンとなったオール・サッソン(イスラエル)が同時出場。脇を固めるメンバーもロイ・メイヤー(オランダ)、ファイセル・ヤバラー(チュニジア)ら個性派が揃っており、原沢と併せて世界選手権で出現するであろう「次」の最重量級トレンドを測る絶好の機会。

橋本欠場もルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)、ファビオ・バジーレ(イタリア)、ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)ら強烈なキャラクターの強豪が揃った73kg級、五輪王者ベスラン・ムドラノフ(ロシア)と藤がついに顔をあわせそうな60kg級と面白い階級は枚挙に暇がないが、「人」としては81kg級のアレクサンドル・ヴィーチェルツァク(ドイツ)に注目しておきたい。ヴィーチェルツァクは昨年無印からいきなり世界選手権を制して注目を浴びたが以後ツアーに一切姿を現さず、先月のヨーロッパカップ1試合(5位)を経てのようやくこれがメジャー大会復帰戦。当然ながら世界選手権の照準を合わせているはず。あの金メダルが実力通りであったのかどうか、ひとつ見極められるであろう大会。

女子の日本代表は48kg級の渡名喜風南と52kg級の志々目愛の世界チャンピオン2人を筆頭にこれも豪華な布陣。48kg級、63kg級、78kg級に海外の強豪が集中しており素晴らしい戦いが期待できそう。

48kg級_ビロディド

48kg級_ビロディド

48kg級はいまが旬のニュースター、17歳のダリア・ビロディド(ウクライナ)と現役世界王者渡名喜風南の対決に注目。ビロディドは2月のグランドスラム・パリで渡名喜を大内刈「一本」で吹っ飛ばして優勝。昨年11月のグランプリ・ハーグ以降ツアー出場4大会を全勝しており、もはや世界選手権金メダル候補の筆頭に挙げられてもおかしくないところまで序列を上げている。渡名喜はこの選手にだけは絶対に負けるわけにはいかないはず、リベンジに期待。この階級はガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(モンゴル)ら常連の強豪も参戦するが、52kg級から階級を下げたディストリア・クラスニキ(コソボ)にも注目しておきたい。

63kg級はクラリス・アグベニュー(フランス)とティナ・トルステニャク(スロベニア)の2強にマルティナ・トライドス(ドイツ)と鍋倉那美が加わり、様相は世界選手権ファイナルラウンド。78kg級はマイラ・アギアール(ブラジル)、オドレイ・チュメオ(フランス)、フッシェ・ステインハウス(オランダ)、マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)ら田尚里が世界選手権で金メダルを争うライバルがほぼ全員エントリーしており、ベスト8以降は1つたりとも見逃せない試合が続く。

古田 英毅

「eJudo」編集長。国内の主要大会はほぼ全てを直接取材、レポートを執筆する。自身も柔道六段でインターハイ出場歴あり。2019年東京世界選手権から、全日本柔道連盟の場内解説者も務める。J SPORTSワールドツアー中継ではデータマンを担当。

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