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男子テニスツアー最終戦・ATPファイナルズ
プロテニスでは、ビデオリプレーを使用した「テニスチャレンジシステム」が、2006年3月から、アメリカ・フロリダで開催されたマイアミ大会で初めて採用された。
「ホークアイ」というインスタントリプレーシステムによって、複数のハイスピードカメラで取り込んだ画像を瞬時にコンピューター3Dグラフィック化されてから、コートの大型スクリーンに映し出され、審判も選手も観客も、その場で判定の正否を確認できる。
選手は、基本的に1セットにつき3回、チャレンジをリクエストできる権利を持つ。もし選手のリクエストが間違っていた場合は、チャレンジの権利が1回減るが、正しかった場合は3回の権利を維持できる。
テニス4大メジャーであるグランドスラムでの初採用は、2006年8月にニューヨークで開催されたUSオープンからで、センターコートと2番目に大きなショーコートに設置されたのだった。
すでにアメリカンフットボールや陸上の100m走など、ビデオリプレーを判定の材料に使っていたスポーツ競技はあったものの、テニスでは先送りにされていた。だが、導入を検討せざるを得ないある出来事が起こった。
2004年USオープン女子準々決勝、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)対ジェニファー・カプリアティ(アメリカ)で、主審による一つのオーバールールが大問題になった。
第2セット第1ゲーム(セリーナのサーブ)のデュースの場面で、セリーナがバックハンドでダウンザラインへ打ったショットを、線審はインと判定したが、主審がオーバールールをしてサイドアウトとみなした。審判台から反対側のサイドラインだったが、誰がどう見てもミスジャッジだった。スタジアムコートの大型スクリーンには何度もリプレーが流れ、ボールはサイドラインの内側に着地していた。観客のブーイングの中、セリーナが主審に猛抗議するが、判定は覆らなかった。
「リプレーを見るまでもなく、私のショットがインだというのは分かっていた」(セリーナ)
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