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モータースポーツ コラム 2026年10月13日

シーズン佳境、フルウェイトで臨む3時間レース!

SUPER GT by 島村 元子
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第6戦 GT500クラス決勝

10月を迎え、ようやく秋めいてきた日本列島。SUPER GTの2026シーズンもいよいよ残り2大会になる。今週末、九州・オートポリスで迎える第7戦は、今シーズン2回目の3時間レースということもあり、もともとタフな一戦だが、実質6戦目にあたり例年とは異なる諸条件での戦いが待ち受ける。タイトル争いはもちろんのこと、各チームそれぞれが「ターゲット」を定め、事前にしっかりと戦略を立てて臨んでくることだろう。

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サクセスウェイトはまだフルウェイト

岡山で開幕戦を迎えたSUPER GTは、もともとマレーシア・セパンインターナショナルサーキットで第3戦が開催される予定だった。だが、中東情勢の影響を受けて延期となり、当初の全8戦から1戦減った全7戦で行われるというアナウンスがあった。しかし、最終的には、モビリティリゾートもてぎが舞台となる最終大会の土曜日に第3戦が代替戦として組み込まれ、第8戦を日曜日に実施する形に変更された。

こうして、通常の年間8戦が成立することになったため、今回のオートポリスは開幕戦からカウントしてシーズン6戦目に該当する。そのため、レギュレーションに則り、サクセスウェイトは前回のSUGO大会と同様の扱いとなる。通常ならオートポリスはサクセスウェイトが軽減(獲得ポイント1点につき1kg換算)される戦いだが、今年は各車の獲得ポイント1点につき2kgのウェイトのカウントが適用される。余談だが、2024年にも同様の条件下で開催されたものの、このときは予選日が濃霧や豪雨による天候不良で全セッションがキャンセルに。翌日に予選と決勝を実施したが、このレースも波乱がらみの大混戦となっている。

コース全長がそこそこ長いオートポリス。高低差が大きいことで知られ、加えて中高速コーナーが続くレイアウトを持つ。また、路面はタイヤへの負荷も大きく、ピックアップも発生しやすい傾向にあり、シーズン中もっとも「足かせ」が重い状態が与える影響を考慮し、とりわけマネージメントに細心の注意が求められるだろう。さらに、山間部ということもあり天候が読みづらく、季節的にも日中の寒暖差を踏まえてタイヤを準備しなければならない。また、過去のレースでは波乱の展開になることも多く、前大会の舞台となったSUGO同様に思わぬハプニングが起こる可能性もある。刻々と変化するコンディションを想定した上で、セットアップを進めていくことになるはずだ。

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タイトル争いにとどまるために

開幕戦での勝利以降、ランキングトップをひた走るNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)。なんとSUGOでは4位入賞を果たし、しっかりポイントを計上。サクセスウェイトもどこ吹く風という理想的なレースを見せるなど、もはや凄みを放つ存在感すら漂う。GT500クラス全体の展開としては、第4戦富士以降、ホンダ陣営が連勝を続けているが、第4戦でNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)、第5戦はNo.16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)、第6戦がNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)とそれぞれ勝ち星を分け合っており、36号車との点差は思うように縮まってはいない。とはいえ、ウェイトが重くなったSUGOでも奮闘が光っていたことから、今回も上昇著しい戦闘力を発揮しそうだ。現在、ランキング争いでは36号車をトップに2位から4位までをホンダ陣営が独占。PRELUDE-GTのデビューイヤーでタイトル獲得を実現するため、粘り強い戦いを見せることだろう。

ちなみに、昨年のオートポリスを制したのは100号車。予選は12位に甘んじたが、決勝は序盤で燃費走行に徹するなど緻密な戦略で着実にポジションアップを果たしている。今回、上位陣はいずれも厳しいサクセスウェイトを負うが、そのなかでライバルよりひとつでも前でチェッカーを受けることに集中して攻防戦を繰り広げることになるだろう。一方で、決勝での結果が欲しいNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)の存在も見逃せない。前回はポールポジションスタートながら、入賞は果たせず。昨年は2位表彰台を獲得したオートポリスで、一気に大量得点を得たいところだ。

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快走が続くホンダ陣営の話題ばかり先行するが、もちろん、36号車以外のトヨタ陣営、そして日産陣営の「逆襲」にも期待したい。突如ウエットコンディションに見舞われた昨年の予選では、日産がフロントロウを独占しているし、トヨタ陣営では前回のSUGOで予選3位から決勝6位入賞を果たして勢いづくNo.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)も気になる1台。サクセスウェイトの軽さを好条件として、躍進するチームにも注目したい。

GT300クラスはどのチームが優位?

現在、暫定ランキングトップにつけるのは、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)。SUGOではタイヤ無交換を武器に予選から大きくポジションを上げて2位表彰台を獲得。ノーポイントに終わったランキング2位のNo.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)とのポイント差を21点まで広げることに成功した。一方、2位以下は僅差での争いが続くだけに、今大会の結果がチャンピオン争いの行方を左右することにもなりかねない。

そのため、上位陣は極力リスクを避けて堅実な戦略を採るはず。結果として今シーズンいまだ大量得点に縁のない実力チームに絶好のチャンスが巡ってきそうだ。昨年の決勝結果を参考に、No.666 seven x seven PORSCHE GT3R EVO(スヴェン・ミューラー/渡会太一)、No.7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清/伊東黎明)、そしてNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/ダニール・クビアト/坂口夏月)の3台に着目したいが、いずれもドライバー編成が昨年と少しずつ異なっており、推測しづらい。各車のサクセスウェイトを加味すれば、ベテランらしい巧みなレース運びで上位を狙えそうなのは88号車か。まず予選で上位につけ、決勝でのタイヤマネージメントが奏功すれば、今季初の表彰台も見えてくると思われる。

第2戦以来となる3時間の戦いとなるオートポリス。2度のピットインが義務付けられており、そのタイミングなども戦略のひとつとして重要な意味を持つ。シリーズ争いの行方も絡んだ重要な一戦で、今年はどんなドラマを見せてくれるのか。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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