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モーター スポーツ コラム 2024年6月17日

第3戦の感動的な優勝。

裏しま物語 by 竹内 紫麻
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ポールトゥウィンを決めた37号車笹原右京選手とジュリアーノ・アレジ選手

辛い時期、特に去年辛い思いをずっと堪えていたGT500クラス
37号車、
ようやく訪れた勝利は完全勝利のポールトゥウィン!

完璧な週末となった37の選手お二人に、
今回の優勝への想いを聞きました。

笹原選手は、
「この1年半、思い出すことは辛いことばかり。
ハッピーだったのは一瞬だった。
結果が出なければドライバーの評価にもつながるし、
色んな想いや葛藤があったけど、
そんな中でも、自分達を信じること、そうすれば大きなチャンスが来た時に、
しっかり結果につなげられる。
だからどんなに苦しくても
自分達を信じる。これを大切にしていた。とにかくPUSHするのみだと思って。」と。

ジュリアーノ選手も同じく
「ダウン(辛い時期)がいっぱいあった。
その間お互いに、なるべく寄り添って、そして各々が速さを求めて、
チームに還元できるように励んでいたし、
今まではハイリスクすぎてトライしていなかったセットアップをトライするなど、
GTのマシンはとても繊細だから
とても小さな変化や挑戦だけど、
それを積み重ねたりして、本当に皆で挑戦し続けて諦めずに向き合った結果。
今回の結果は僕たちの頑張りがフルーツの実となった。そんな感じがする!」

とコメント。

そんなお二人、
お互いの存在や支えもかなり励みになっていたらしく、

「絆は固い、いい関係性でやってこれてるからこそ今がある。
GTは二人で1台をドライブするわけだから、
お互いに理解を深めていかないといけない。
深めてこれたと思う」と。

もうこれだけ感動的な優勝なのだから、
この後お祝いするでしょう?と聞いたところ
ジュリアーノは
「HOME(フランス)に帰らなくてはいけなくて、
お家でお洗濯や準備も待っているから
今日はすぐ帰らないといけないんだ!」とのこと。

「でもジュリアーのが帰ってきたら、
お料理が上手だから、ジュリアーノの手料理でお祝いしようね!」と笹原選手。
「ワインボトル2本空けて、最後にグラッパ(食後酒)でも飲んでさ!!」とジュリアーノ。

二人でわいわいする所見て、私もつられて笑顔になりました。
笹原選手が、
「あ、ならケンタ(エンジニアさん)も呼ぼうよ!
お酒弱いからすぐベロベロだね」

ジュリアーノ
「すぐ酔えて良いよね」

などと話題に出たケンタさんですが、
今回実は笹原選手に無線で怒られていました・・・笑

笹原選手曰く 
「セカンドスティントのラスト4,5周に、ミスとかではなく、どうしても仕方のない、あるトラブルが起きてしまって、
その間僕は14号車に追い詰められて、バトル中、集中しなければらない、精神的にもいっぱいいいっぱいだった時に、
1回の無線から聞こえてくる言葉が長すぎて、伝えたいことがあるのも
伝えなきゃいけないことがあるのももちろん分かってるんだけど
長すぎて・・・もう何言ってるか分かんない!!!って怒っちゃった」

そうですが(笑)

それも、普段からなんでも言い合おうね、と信頼関係があるからですよ、とのこと。
そんなエンジニアのケンタさん。
その場面をご本人に改めて伺ったところ、
笑いながら、
「以前、宮田選手が勝った時も無線で怒られたから、怒られると勝つジンクスでもあるのかも(笑)」と満面の笑顔。
「まあ、笹原選手とは歳も近いし、何でも言い合える関係でいよう!って普段から言ってて。
とは言え怒られたのは初めてですけどww」

と、仲が良いからこそ、

信頼してるからこそのワンシーンだった事が、
お二人の笑顔からよくわかりました。

でも本当に良い雰囲気ですね?と山田総監督に質問を投げかけると
「そう思うでしょ?(笑)」と
冗談を言いつつ、

山田総監督とエンジニアのケンタさん

「いやでも本当に、うちのチームはそう言うところ(雰囲気が良い)あると思うよ。
もちろんプロフェッショナルだから、仕事の時はプロとしてそろぞれがしっかり仕事するけど、
何を成し遂げる、やるにしても、チームみんなで、と言う一致団結のような意識が強いから、
外から見てもそう言う風に見えるのかな」
とのこと。

そして、
「やはり勝つとチームの雰囲気もさらによくなるし、
37の本当の意味でのシーズンはここから。」
と。
ケンタさんも「ようやくスタートラインに立てた。スタートはここから」
と仰っていました。

そして、今後へ向けての期待などをケンタさんが話していると・・・
山田総監督から
「だから長いって。コンパクトにするトレーニングしないと」
と突っ込まれて、現場は再び笑いに包まれました。

愛のある突っ込みを受けたエンジニアのケンタさん

苦しい時は、出口が見えないトンネルのよう。
ただ、トンネルがあったからこそ、出口を出た時に見える光が
人の何倍も明るく感じる事が出来るのかもしれない。

ここからがスタート。
ここからも活躍を期待しています。

文:竹内紫麻

竹内 紫麻

竹内紫麻、通称「しましま」。J SPORTSと公式映像のSUPER GTピットレポーターとして、文字通りピットの端から端まで駆け巡り、最新情報を届けてくれる。ドライバーやチームスタッフからも信頼が厚く、SUPER GTの魅力を伝えてくれる無くてはならない存在の一人。GTトークバラエティ「GTV」でもMCを務める多彩な才能を持ち合わせている。

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