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モーター スポーツ コラム 2023年10月13日

「苦しい時こそ、腐らずに前を向く」

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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もしかすると、この言葉を自分から発信することで、逃げ出しそうなる自分を奮い立たせて、踏みとどまろうとしていたのではないか…今振り返ると、そんなようにも感じる。

そんな中でも、数々の困難から目を背けずに向き合い、打開策を探ってきたからこそ、彼の強さあるのかもしれない。実際、2014年当時は苦戦を強いられていたホンダ勢が、着実に力をつけていき、2018年と2020年に国内2大カテゴリー(SF、GT500)二冠達成という偉業を成し遂げた。

2018年はジェンソン・バトンとのコンビで王者に輝いた。

「良かった時や勝った時よりも、負けた時の方が“得られるもの”が多いのかなと思います。この悔しさを晴らすには、ライバルに勝つことでしか打ち消せない。それが自分にとってモチベーションになっているのかなと改めて感じました」(2019年、両カテゴリーでタイトル防衛を逃した後に山本が発したコメント)

2021年のSUPER GT最終戦で、2022年のスーパーフォーミュラ最終戦で、それぞれ参戦100レース目を迎えた山本。両カテゴリーに同時参戦して、ここまで長く戦っているドライバーは国内レースの歴史を振り返っても、そう多くはない。レース中にみせるパフォーマンスの高さはもちろん、まさに“勝っておごらず負けて腐らず”の考えが、彼をここまで活躍できている要因なのだろう。

そして…今回の一件は、彼のレースキャリアを振り返っても、これまでにない大きな困難であることは間違いないだろう。それでも、自身のインスタグラムでは「絶対に戻ります」と締めくくるなど、レース復帰への強い決意が前面に出ていた。

「苦しい時こそ、腐らずに前を向いて頑張る」

おそらく、今も病院のベッドの上で、この言葉を胸に刻んで復帰のために治療に臨んでいるのではないだろうか。

今もファンの中には心配している人も多く、なかには遠くから声援を贈り続けることしかできず、歯がゆい想いをしているファンもいるかもしれないが、山本が諦めずに頑張っているように、我々も諦めずに彼がサーキットに戻ってくる日を待ち続けたいと思う。

何より、こういったことが二度と起きないように、シリーズとしても抜本的な対策が迫られている。今週末のGTA定例記者会見で何らかの方針が示されるはず。それについては、別の機会にお伝えしたい。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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