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昨シーズン途中から新しい溝のレイアウトを採用したウエットタイヤを現場に持ち込んでいたミシュラン。奇しくもドライコンディションでのレースが続き、実戦投入するのは今戦が初めてとなったのだが、周囲の予想を遥かに上回るパフォーマンスを披露。ライバルに対して1周あたり2秒以上早いペースで周回し、あっという間にワンツーを独占。レースの折り返しを迎える頃には、ライバルたちも“お手上げ”というムードになっていた。
しかし、その2台の“赤いZ”にも分岐点が生まれた。レース後半の44周目。コース後半のSPコーナーでGT300の1台が接触を受けスピン。コースの端に立ち往生してしまった。なかなか再スタートが切れない様子だったこともあり“セーフティカー、もしくはフルコースイエロー(FCY)の導入”が頭の中によぎった2台がピットインを決断。ちょうどレースも折り返しということもあり、23号車は前半スティントを務めたロニー・クインタレッリから松田次生に交代。同時に新しいウエットタイヤに交換した。
これに対して、2番手を走行していた3号車もピットインを想定していたのだが、彼らが最終コーナーに進入するところでコースオフしていた車両が再スタートしイエローフラッグが解除された。それを見た3号車のピットは、千代にステイアウトを急きょ指示。レース序盤に履いたウエットタイヤで粘ることを決断した。
ミシュランのウェットタイヤは驚くべきパフォーマンスを披露した
「途中ちょっと雨が増えたときに僕らは少しペースが厳しくなって、23号車に対して離されたくなかったので、「タイヤを変えたい」っていうリクエストを出しました。そのときにピットの島田監督と根岸エンジニアが冷静に判断してくれて、ステイすることを選びました。もう状況が刻々と変化する中で、今回の“魔物”は天候だったなという感じでした」(千代)
この判断が吉と出た。次第に雨が止んで路面が乾き始めていき、3号車は55周目に2度目のピットストップを敢行。ここで高星明誠に交代するとともにスリックタイヤに履き替えた。一方の23号車はスリックタイヤに交換するためのピットストップを強いられることとなり、3号車より1回多いピット回数に。この結果、約1分近い差ができた。
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