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一見すると、チームがあらかじめミーティングを行って決め打ちで戦略を分けたようにみえがちだが、実際にはそうではない。これについては星野一樹監督代行も「お互いが『これなら勝てる』というベストだと思う作戦を、それぞれの号車のチームがやった結果です」と、記者会見で話していた。
全く別々の戦略をとった2台だが、残り3周になって、2台はコース上で再び相対した。
10周目のピットインでアンダーカットを狙った関口は、目論見通り順位を上げていき、31周目にトップに浮上。しかし、その過程でライバルを抜くためにオーバーテイクシステムを使い、タイヤのピークグリップも落ちている状態だった。
19号車の関口と20号車の平川は、抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げた。
一方の平川は、終盤まで引っ張ってピットストップを行うも、コースに復帰した時は4番手。それでも交換直後でグリップのあるタイヤと、オーバーテイクシステムを駆使して、野尻智紀(TEAM MUGEN)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を攻略し、その後もトップを目指して関口を1周1秒ずつ詰めていく勢いで追いかけた。
そして、最大の見せ場となった37周目のファイナルラップ。両者の差は0.5秒。この時点で関口の残OTSは43秒なのに対し、後方の平川は残57秒ということで、両者ともに“ワンチャンス”をかけた勝負になることが予想された。
先に動きを見せたのは関口。直前に平川が牧野を5コーナーで仕留めていたこともあり、5コーナーの進入を警戒して、メインストレートに入ったところでOTSを発動させた。その読みは外れることとなり、コース後半では“弾切れ”になってしまう。
一方の平川は90度コーナーに焦点を絞り、それを逆算して5コーナー付近からOTSのスイッチを入れた。
その結果、2台は90度コーナーでサイドバイサイドとなり、そのまま直角コーナーを通過。平川は外側の縁石しかスペースが残っていなかったが、それでもアクセルを緩めることをしなかった。
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