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そして、最終戦の富士。決勝ではスタート時にクラッチトラブルが出てしまい、序盤から周回遅れとなる苦しい展開となってしまったが、カルデロンは諦めることなく周回を重ね、17周目には全体で5番目に速い1分22秒472のベストラップを記録した。トラブルで出遅れた影響は大きく、結果こそ最下位とはなってしまったが、次への可能性を感じさせた最終戦だった。
最終戦から2日後、同じ富士スピードウェイで翌シーズンに向けた合同テストとルーキーテストが開催されたが、そこで2020年の進化の集大成とも言うべき走りを彼女は披露する。
このテストにもThreeBond Drago CORSEから参加したカルデロンは、1日目の午後のセッションに1分20秒935をマーク。トップから0.448秒差の6番手につけたのだ。これにはサーキットにいたほとんどの関係者が驚いていたのと同時に、もし2021年も彼女が参戦することになれば、手強い存在になるかもしれないという声も聞こえてきた。
「最終戦の段階から自信を持って走ることができていましたが、そこからチームがすごく良い仕事をしてくれて、乗りやすいものになっていました。もっと細かいところを改善していく必要はあるけれど、1分20秒台が出たときもすごく良かったです」
合同テストでは初日総合7番手と快走をみせた。
そう語るカルデロンの表情は、これまでにない大きな手応えを掴んだ様子だった。さらに富士スピードウェイは、シーズン前の公式テストで走行した経験があったことも、ライバルを凌ぐパフォーマンスを発揮できた要因として挙げていた。つまり、2021年は鈴鹿、もてぎ、オートポリスと経験済みのコースが増えるため、さらに期待が持てるというのだ。
「コースを経験しているということも、私にとっては大きな助けになりました。事前に走り込んだことのあるコースでレースを迎えられたのは、今回の富士が初めてでした。それまでのレースと比べるとすごく楽に感じました」
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