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モーター スポーツ コラム 2019年1月21日

2019年WRC 第1戦ラリー・モンテカルロ “100年の歴史を持つ大ラリー”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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ラリー・ジャパン開催に想うこと

WRC

話題は全く変わりますが、昨年あたりからラリー・ジャパンの復活話が世間を賑やかせました。
1970年代のWRC創設以来、世界各国の自動車クラブが世界選手権開催に名乗りを揚げました。ラリーはレースと異なり機材が大きいので世界転戦の負担が大きいため年間のイベント数は制限せざるを得ません。自動車メーカーは年間6戦から8戦程度が適当と考えてきました。一方で希望者は増えるばかりです。ここ40年位毎年この議論を繰り返しています。モータースポーツはヨーロッパが中心という伝統的思想と、一方で世界選手権というには“世界的広がりを持つべき”との議論が交錯しています。WRCは現在アジアとアフリカが抜けています。総数に限りがあるとすれば、新しいところを入れるとなると既存のラリーを落とさなければなりません。FIAの会長選挙の候補者が投票の支持を得るためにラリー開催を推挙することもあるようです。かくして今までにWRC格で開催したイベントは現在の14ラリーの2倍位ありました。順序不同でキプロス、アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ギリシャ、ケニア、アイボリーコースト、モロッコ、インドネシア、中国、アメリカ、ヨルダン、日本など。これまでに開催国を持ち回り形式にし、隔年開催とか3年に2回とか種々試みてきた歴史があります。一方でFIAはラリー規模の統一、サービス制限、メカニック人数制限、使用する車両の台数制限、主たる部品の使用数制限、体制(部品・サービス)のヨーロッパ外でのロジスティックスなど合理化の取り組みを強化し、コストを下げることでイベント数の確保に努めています。その結果、規模が画一化して個性が減少し、昔ほど面白くなくなったと嘆くオールド・ファンもいます。WRC開催を望む主催者はたくさんいますがギリシャのように財政的な理由で出来ないところもあります。サーキットレースに比べて入場料収入が殆ど無いのですからスポンサーだけが頼りです。メキシコやトルコのように国家予算の補助を受けているところもあります。
WRCには開催環境がその国らしい特徴や個性があり見て楽しいことが求められています。それにはトップドライバー達の走りが充分見られる環境が是非必要です。できるだけ多くのSSに観客が導入できるのかを主催者は考えてもらいたいものです。日本開催には道路使用、通信インフラの整備、ヘリの航行の自由度、救急体制、オフィシャルやマーシャルの確保と教育、など課題山積です。公道上のモータースポーツに対する社会的同意を得ることが一番のテーマとなるでしょう。日本開催の可否を注目したいと思います。

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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