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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2020年10月25日

高校サッカー選手権東京B準々決勝 東京実業×多摩大目黒@駒沢第二

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東実×多摩目.JPG

7年ぶりか、それとも5年ぶりか。西が丘行きの切符を巡るクォーターファイナル。東京実業と多摩大目黒が対峙する一戦は、引き続き駒沢第二球技場です。

1次予選からスタートした今大会は錦城学園を7-0、東洋を9-0と大差で下し、きっちり2次予選へ進出。その舞台でも初戦で都立立川を1-0で振り切ると、2回戦は前回ファイナリストの帝京を相手に「いつも通りやろうという感じでした。『自分たちがやってきたことをやろうよ』『信じるしかないから』って言いながら」と片山智裕総監督も明かした真っ向勝負の末、オウイエ・ノア(3年・川崎東橘中)の一発とドゥルー倭ヘンリー(3年・SK-ONZE FC)のドッピエッタが飛び出し、3-2と堂々のスコアで勝利を収めて、このクォーターファイナルまで。7年ぶりの西が丘へ向けて最高の雰囲気を纏っています。

ここ数年は東京の各トーナメントコンペティションでも上位の常連。確実にさらなるステップアップの機は熟しつつある多摩大目黒。2次予選からの登場となった今大会は、都立大泉を3-1で退けると、2回戦では全国出場経験もある難敵の東海大菅生を1-0で下して、2年連続での準々決勝へ。昨年は帝京に敗れたこのステージを突破して、5年ぶりとなる西が丘のピッチを手繰り寄せたいゲームです。1試合目の余韻も残る中、楽しみな一戦はキックオフを迎えました。

「両チームともに球際の激しい所が特徴的でしたね」とノアが話した立ち上がりを経て、リズムを掴んだのは東実。11分に関根貴亜夢(3年・両国FC)が上げた左クロスから、ニアに入ったヘンリーのヘディングは枠の左へ外れたものの、12分には横山琳一(3年・FCエスフォルソ)のドリブルで得た左CKを高橋洵哉(3年・川崎向丘中)が蹴ると、ノアのシュートは多摩目のGK中澤宏太(3年・杉並ソシオFC)にキャッチされましたが、まずは2つのフィニッシュを取り切ります。

一方の多摩目は右から馬場裕(2年・東急SレイエスFC)、田中龍志(2年・横浜FC鶴見JY)、キャプテンの米山謙信(3年・多摩大目黒中)で組んだ3バックが守備で奮闘しつつ、スピードのある越畑遼祐(3年・多摩大目黒中)と岩渕天(3年・多摩大目黒中)を生かしたい狙いの中で、17分に右から米山が蹴ったFKは中央でオフェンスファウルに。23分にも米山のFKから、こぼれを拾った岡田倫太郎(3年・多摩大目黒中)がシュートを狙うも、ここは東実のセンターバック野地信良(3年・LARGO FC)がきっちりブロック。なかなかチャンスを創り切れません。

「何か硬くなっちゃったかな。下でパンパンやりたかったんだけど」と片山総監督が話す東実は、28分にセットプレーのチャンス。野地がFKを右へ付け、高松太輝(3年・フレンドリー)が裏へ流すと、寺川空聖(3年・大田糀谷中)が走るも、馬場が懸命にクリア。30分にも高橋の右CKから、ノアが打ったシュートは越畑がブロック。31分にここも高橋が左から蹴ったCKはクロスバーに当たり、ヘンリーは詰め切れず。変わらない均衡。

35分は多摩目の反撃。右ウイングバックの芝柊蔵(3年・FC PROUD)を起点に、馬場の右クロスからニアへ飛び込んだ弘田歩希(3年・ヴェルディSS相模原)はわずかに届きませんでしたが、好アタックを披露すると、36分は決定機。芝のパスからエリア内で井上佳(3年・FCトレーロス)が倒れたプレーはノーホイッスルも、拾った芝が枠へ収めたシュートは東実のGK友枝寛(3年・横浜FC鶴見JY)がファインセーブで回避。多摩目がチラつかせた鋭いジャックナイフ。

37分は東実に1人目の交替。「頑張って休まないし、一生懸命走るから」(片山総監督)チームのリズムを作るために起用された伊藤紋太(3年・石神井マメックス)に替えて、10番の古屋光世(3年・石神井マメックス)がピッチへ送り出されると、40分にも寺川が裏へ落としたボールを、抜け出したヘンリーのシュートはゴール左へ。40+2分にセンターバックの須永脩馬(3年・すみだSC)が左から入れたFKは、岩渕が大きくクリア。最初の40分間はスコアレスで終了しました。

ハーフタイムに動いたのは多摩目の遠藤雅貴監督。岩渕と鈴木善(1年・多摩大目黒中)を入れ替え、アタッカーの顔ぶれに変化を。44分は多摩目。岡田と越畑の仕掛けで得た左CK。岡田が蹴ったボールは、友枝が丁寧にキャッチ。49分も多摩目。岡田のパスを鈴木が裏へ落とし、越畑が走るも飛び出した友枝が何とかクリアしましたが、ショートカウンターの脅威も忍ばせつつ、勢いはやや多摩目。

56分も多摩目。芝の右FKに越畑が突っ込むも、ここはオフェンスファウル。57分は東実。右から古屋が投げたロングスローにニアでノアが競り勝ち、ヘンリーが放ったシュートはクロスバーの上へ。60分には多摩目が2人目の交替として、推進力の目立った越畑と松本宇海哉(3年・FCトレーロス)をスイッチ。スコアは動かず。続く緊迫。

66分は東実のデザインされたセットプレー。高橋は右CKをグラウンダーで蹴り込み、ニアでのスルーを経て横山が放ったシュートに、ヘンリーがコースを変えるもDFがブロック。68分も東実。寺川が単騎で仕掛け、古屋が粘って残すも、ノアのシュートはゴール左へ。75分も東実。古屋の右FKは中澤がパンチングで掻き出すも、寺川が合わせたシュートは枠の左へ。

80分も東実。古屋の右ロングスローはエリア内でこぼれるも、松本がギリギリでクリア。80+1分には多摩目にビッグチャンス。芝のパスから中盤アンカーで効いていた青森大生(3年・FCトリプレッタJY)のクロスに、ニアで合わせた鈴木のヘディングは友枝が懸命にキャッチ。0-0。白熱の80分間が終わり、試合は前後半10分ずつの延長戦へ推移します。

延長前半は東実のラッシュ。81分に高橋が入れた右CKは、米山が大きくクリア。84分に須永が蹴った右FKから、古屋が当てたヘディングは中澤がキャッチ。86分にも左サイドで前を向いた関根が縦へ付け、エリア内へ寺川が侵入するも、米山がタックルで回避。89分にも古屋の右ロングスローが逆サイドへこぼれ、関根のクロスは田中がクリア。90分にも関根の左クロスから、収めたヘンリーの反転シュートは枠の上へ。「チャンスを決め切れないのは練習不足もあるかもしれないですね」とは横山。0-0。いよいよ延長後半の10分間へ。

東実ベンチは後半開始から2枚目のカードとして、梅井勇輝(3年・インテリオールFC)をピッチへ解き放って最後の勝負へ。92分も東実。須永の右FKを横山が残すと、ノアの巧みなボレーは中澤がビッグセーブで仁王立ち。94分は多摩目。左サイドで松本の粘り強いキープから、鈴木が左足を振り切ったシュートはわずかにゴール右へ。96分は東実。右サイドを抜け出した梅井の折り返しに、DFに当たった関根のシュートは右スミを襲うも、中澤がここもファインセーブ。ゴールを許しません。

直後の右CK。高橋のキックに、飛んだ須永のヘディングは中澤がキャッチ。99分に多摩目は3人目の交替。井上に替えて、辻野航(2年・杉並アヤックス)を投入。99分は多摩目のラストチャンス。相手GKのキックが少しブレると、拾った鈴木は無人のゴールを狙ってロングシュートにトライするも、ボールはゴール右へ。0-0。100分間を終えて、両チームに得点は記録されず。この試合もPK戦が、1枚だけ用意された西が丘行きチケット獲得の方式に。

11メートルの果たし合い。先攻は東実。1人目が右に蹴ったキックは、GKの逆を突いて成功。後攻は多摩目。1人目のキックが左下に飛ぶと、「もう気合いを入れて、思い切って飛んだだけなので、そこにボールが飛んできたって感じです」とは友枝。「もう嬉しくて吠えました(笑)」という守護神のビッグセーブ。とうとうスコアに差が付きます。

東実2人目が右を狙ったキックは、中澤も触ったもののボールの勢いが勝って成功。多摩目2人目は友枝に読まれつつも、左スミへ成功。東実3人目はGKが飛んだ逆の左スミへ成功。多摩目3人目はやはり左スミへきっちり成功。漂う緊張感。その中でキックを決め続ける双方の精鋭たち。

東実4人目も冷静なキックを右スミへグサリ。そして多摩目4人目のキックは無情にもクロスバーの上へ外れ、くっきりと浮かび上がった勝者と敗者のコントラスト。「みんなの気持ちで勝ったゲームです。声も出ていたし、みんなで背負っているモノが出たかなと思います」と横山も胸を張った東実がPK戦をしぶとく制し、7年ぶりの西が丘へと勝ち上がる結果となりました。

延長後半終了間際。東実はアップエリアから、前の試合はスタメン出場していたGKの今村翼(3年・)をベンチへ呼び寄せていました。いわゆる"PKキーパー"として投入する直前。「ベンチで用意しているのが見えたんですけど、『自分で行きたいな』という気持ちがあって、それが監督に伝わりました」とは友枝。すると、この日の守護神の強い想いを買って、首脳陣も友枝で勝負する采配を決断。試合後。自らの意志で賭けに勝った友枝が「あとは託してくれた今村に『ありがとう』って言いたいです」と良きライバルであり、良き友人に感謝の意を口にしていたのが印象的でした。

辿り着いた晴れ舞台への意気込みを問われ、「東実は西が丘以上に行ったことがないので、その史上最高の成績を残したいと思いますし、思い切って全力を出して全員で戦うだけですね」と友枝が話せば、「僕たちは東京制覇という目標を立てて、ここまで頑張って練習してきましたし、夢にまで見た舞台なので、そこも勝って、最後は笑って終わりたいです」とはキャプテンの横山。史上最高のその先へ。東実の勢いが止まりません。

土屋

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