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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2020年02月14日

東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会3位決定戦 町田ユース×FC東京[email protected]西が丘(2020)

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昨年はファイナルで激突した両者のリターンマッチ。FC町田ゼルビアユースとFC東京U-18の対峙は、東京高校サッカー界の聖地・味の素フィールド西が丘です。

この大会でファイナリストになったのはちょうど1年前。「今年も当然優勝を目指していましたし、去年決勝を経験させてもらったので、その経験を超えるものというように毎年積み重ねてきているつもりです」と語ったのは竹中穣監督。昨年度はT1リーグでも2位に入るなど、もはや都内の高校年代でも屈指の強豪になりつつある現状を受け、今年はプリンスリーグ昇格が明確な目標に。そこを見据える上でも、プレミアを戦う難敵との一戦が今後を占う意味でも重要であることは間違いありません。

先週は東京ヴェルディユースとのダービーに2-2で引き分け、得失点差で惜しくも決勝進出を逃したFC東京U-18。ただ、「自分はむさし出身なんですけど、むさしもボールを保持して崩していくサッカーが得意だったので、自分は結構このスタイルが好きですね」と谷村峻(1年・FC東京U-15むさし)が話したように、ここまでのチームは強さや高さに特徴を持っていた昨年とは一変して、きっちり繋いで勝負する戦い方を模索中。「チームが目指している方針として、キーパーが高い位置を取って、そこを使ってビルドアップというのをやっています」とGKの彼島優(1年・FC東京U-15深川)も言及する新スタイルで、この3位決定戦に挑みます。祝日にも関わらず、会場には朝から少なくないサッカージャンキーが。注目の対戦は10時半ジャストにキックオフされました。

先に決定機を掴んだのはFC東京。5分に安田虎士朗(1年・FC東京U-15深川)が左へ付けたパスから、角昂志郎(2年・東京武蔵野シティFC U-15)のシュートはクロスバーにヒット。いきなり相手ゴールを強襲すると、12分にも上がってきた左サイドバックの大迫蒼人(1年・FC東京U-15むさし)が枠の左へ外れるミドルを。「新チームになって、ゼルビアとは1回年末にやっていたんですけど、その時に負けたので、今日は『絶対勝つ』という気持ちで入りました」と安田も口にしたFC東京が、まずは攻勢に打って出ます。

ただ、町田に臆する気持ちは微塵もなし。10分には右サイドバックの船戸詩季(2年・FC町田ゼルビアJY)のパスを石川凛太朗(2年・FC町田ゼルビアJY)がきっちり繋ぎ、レフティの猪野毛日南太(2年・FC町田ゼルビアJY)はシンプルに裏へ。2列目から飛び出した義澤将太郎(1年・FC町田ゼルビアJY)にはわずかに届かず、彼島がキャッチしましたが、以降も中央で10番の坂野大地(2年・FC町田ゼルビアJY)が時間を創りつつ、猪野毛のテクニックと石川の力強さをポイントに、町田が窺い続けるテンポアップのタイミング。

14分はFC東京。U-18日本代表の遠征から帰ってきた大森理生(2年・FC東京U-15むさし)が左へフィードを送り、安田が絶妙のトラップから中へ。川口祐馬(2年・FC東京U-15深川)のシュートは枠を越えましたが、ダイナミックな攻撃を披露すると、25分に生まれた先制点。前を向いた谷村が川口とのワンツーでエリア内へ侵入しながら、マーカーを鋭いタッチで剥がしてそのままフィニッシュ。ボールはゴールネットへ到達します。「相手が目の前に来ていたので、そのまま打ったら当たるかなと思ったので、少し左足でずらしてゴールを見てしっかり流しました。イメージした通りにできました」と笑うボランチが攻撃参加からきっちり仕上げまで。FC東京が1点のリードを奪いました。

それでも、守備時は前向きに奪いに掛かりつつ、攻撃時はしっかりボールを動かしていく町田のスタイルは、FC東京相手にも十分通用。足立唯真(2年・横浜FC JY)、坂野、義澤で組む中盤トライアングルが回収と配球を担いつつ、右の船戸、左の松森創平(2年・川崎フロンターレU-15)と両サイドバックも高い位置を取り、スムーズなアタックを披露する中で、「顔も上がっているし、ちゃんと選べているし、全然問題ない、だけど、という所」(竹中監督)までの部分は見せ続けます。

35分はFC東京。谷村、安田と回ったボールを大迫は左クロス。こぼれを叩いた小林慶太(2年・FC東京U-15むさし)のミドルはゴール右へ外れるも、川口と高橋安里(1年・FC東京U-15むさし)の交替を挟むと、次の得点機もFC東京。42分に小林からパスを引き出した角が、エリア内でGKに倒され、PKを獲得します。「正直自分であのままプレーを続けて決めたかったんですけど、あそこでPKをもらったということはプラスに考えていいんじゃないかなと思います」と振り返った角は、自ら中央やや右寄りへ豪快にグサリ。「前の試合で1回外していて、自分でも蹴り方を変えなきゃなと思っていたので、自信を持って蹴れたかなと思います」という40番のPKで、FC東京が点差を2点に広げて、最初の45分間は終了しました。

前半の終了間際に義澤と栗原元康(1年・FC町田ゼルビアJY)を下げて、江口大介(2年・FC町田ゼルビアJY)と斎藤真之介(1年・三菱養和巣鴨JY)を投入していた町田が、後半に入って一段階踏み込んだアクセル。52分には斎藤のドリブルで左FKを奪い、足立のキックはDFにクリアされたものの、53分にもゴール前まで細かく繋ぎ、石川が放ったシュートは彼島にキャッチされましたが、勢いを持って町田が後半を立ち上げます。

54分も町田。猪野毛の右アーリークロスを斎藤が丁寧に落とし、江口が狙ったシュートはゴール右へ。57分も町田。右サイドのルーズボールを収めた猪野毛のミドルはゴール左へ。59分には町田に決定的なチャンス。キャプテンマークを巻くセンターバックの渡邊朝月(2年・FC町田ゼルビアJY)の縦パスを斎藤が残し、坂野が枠へ飛ばしたシュートは彼島がビッグセーブ。60分にも上がってきた船戸のパスから、坂野のシュートは枠の左へ。チャンスは相次いで創るものの、遠い1点。

60分のFC東京はサイドアタック。谷村が右に振り分け、この大会でブレイクした感のある佐藤恵介(2年・FC東京U-15深川)がクロスを上げると、「相手が突っ込んでくるなと思ったので、少しボールを浮かせて」かわしに掛かった谷村がDFともつれて転倒。主審はペナルティスポットを指し示します。ここでキッカーに名乗りを上げたのは安田。「中学の時は自分がPKを外して負けた試合が多くて、『ここで払拭したいな』と思って、自分から蹴らせてもらった」20番は、左上のGKが届かない位置へ確実に蹴り込みます。「ボランチでもフォワードでも決定力というか、ゴールに直結するアシストでもいいですし、ゴールでもいいですし、ゴールに関わるという最後の部分が自分はまだまだ足りないと思っているので、そこを付けたいなと思います」という安田のPK弾。スコアは3-0に変わりました。

63分には双方に交替が。町田は足立に替えて、江口玲於樹(1年・和光ユナイテッド川崎FC)を投入。FC東京は3枚替え。大森、大迫、谷村と新良介(2年・FC東京U-15深川)、菅原一真(2年・FC東京U-15深川)、桜井秀斗(1年・FC東京U-15むさし)をスイッチして、整える全体のバランス。68分は町田。松森が左から送ったアーリークロスに、突っ込んだ石川のヘディングは彼島がキャッチしたものの、続く町田のビッグチャンス。

74分。江口が高い位置でボールを奪い、パスを受けた石川がエリア内で倒れると、ここも主審はPKというジャッジを下します。この日3つ目のPK。キッカーは江口。中央を低めに狙ったキックは、しかし彼島が残した足でビッグセーブ。「PKは中学校まで全然止められなかったんですけど、高校に入ってから心が落ち着いたというか、落ち着いて臨めて、止めることができて良かったです」と笑った守護神の好守が飛び出し、失点を許しません。

77分も町田。松森のフィードへ、斜めに走った石川はラインの裏に抜け出すも、狙ったループはヒットせず。79分も町田。坂野が右へ振り分け、船戸のクロスにニアで合わせた猪野毛のシュートは枠の上へ。81分は再びFC東京が3枚替え。右サイドバックで奮闘した森田翔(1年・アルビレックス新潟U-15)、安田、小林に替えて、加藤大地(1年・FC東京U-15むさし)、生地慶多(中学3年・松庵小SC)、青木友佑(2年・FC東京U-15深川)がピッチへ。中でも青木は実に9か月ぶりの公式戦復帰。解き放たれたかのように、ピッチへ駆け出します。

「今日の試合には結構懸けていたというか、去年もケガでずっとできていなくて、久しぶりの公式戦で、緊張というのもあったけど、その分『絶対に自分がゴールを決める』という想いはずっと持っていた」ストライカーのスーペルゴラッソ。84分。右サイドで高橋の浮き球を受けた青木は、「『どうしようかな』というのは一瞬頭をよぎったんですけど、もう自分の右足を信じて振り抜きました」と右足を強振。ボールは美しい軌道を描いて、そのまま左スミのゴールネットへ突き刺さります。「みんなが友佑のことを大好きなので、あのゴールが決まった瞬間はみんなが『友佑おめでとう!』みたいになって、もしかしたらみんな友佑以上に嬉しかったかもしれないです」とは角。9か月ぶりの実戦でいきなり大仕事。「もう、本当に最高でした。決められて本当にメチャメチャ嬉しかったし、もう...、本当に嬉しかったです。とりあえず。本当に。メチャメチャ嬉しかったです」と語る青木の復帰弾。4-0。FC東京のリードはさらに広がりました。

何とか1点を返したい町田。85分は佐藤列(2年・FC多摩)がワンタッチで裏へ流し、猪野毛の右足シュートは当たらずに彼島がキャッチ。87分はFC東京に2枚替え。GKの彼島とセンターバックで安定感を発揮した古屋颯眞(2年・FC東京U-15むさし)が下がり、西山草汰(中学3年・Wakaba.F.C.TACHIKAWA)と石井玲於奈(1年・FC東京U-15深川)を入れる最後の交替。88分は町田も3枚替え。橋本夏寿(2年・FC町田ゼルビアJY)、奥隅風河(1年・AZ'86東京青梅)、高橋希歩(1年・FC町田ゼルビアJY)がピッチに飛び出します。

90+1分はFC東京。青木が果敢にドッピエッタを狙うも、エリア外からの左足シュートは枠の左へ。90+3分は町田。エリア外から坂野が打ったミドルは枠の上へ。90+4分はFC東京。ここもエリア外から桜井が強烈なシュートを枠へ打ち込むも、ここは町田のGK北澤元太(1年・FC町田ゼルビアJY)がファインセーブで回避。90+5分はFC東京。セットプレーを蹴れるセンターバックの新が右CKを蹴り込み、ニアに飛び込んだ桜井のヘディングが枠を逸れると、吹き鳴らされたタイムアップのホイッスル。「今日はスコア的にはしっかりゴールを狙えて、そのゴールの形が"なんちゃって"のゴールじゃなくて、しっかり崩せた場面もあったし、素晴らしいシュートもあったし、という所で、そこはサッカーとしては勝つ負けるで言ったら大事な部分ですからね」と中村監督も話したFC東京が、4ゴールを奪い切って3位に輝く結果となりました。

「これで3年目ですけど、こういう西が丘の舞台に来させていただいて、その中で今回が一番、ゴールを守るということよりも、ゴールを取りに行くということを目指して、きちんとできることとできないことを隠さずにチャレンジすることができた、今のチームの現在地を知れた、という意味では、凄く僕はポジティブにこの4失点を捉えられていますね」と竹中監督も話した町田は、率直に言って攻撃面では十分に良さを出せたのではないでしょうか。「こういうゲームは、今まで正直に言ってFC東京さんクラスにはできなかったし、してこなかったと。やっぱりスペースとゴールを埋めてからボールを奪って、それをどうゴールに繋げるかという戦い方をしてきたここ近年のチームなので、そういう意味では次のステップに取り掛かれているなというのは感じました」という指揮官の言葉も腑に落ちるスタイルを打ち出してみせただけに、今シーズンのさらなる飛躍をどうしても期待してしまいます。

「昨年はT12位で終えることができましたけど、前期の成績を考えれば、とてもそんな状況ではなかったのですが、そういう結果で終えたので、今年の選手たちは当然T1優勝という目標を持っていますし、それはやっぱり昨年の先輩たちが勝ったんですよ。結果。その勝つことの難しさは今年の子たちもよく見ていたし、実際試合に出ていた子たちもいたので、そんなに簡単に勝てるものではないということをきちんと理解した上で、プリンス昇格を目指したいですし、非常に良い準備をしてリーグ戦を迎えられると思います」と言い切った竹中監督。今の彼らはそこを目指すだけの十分な実力を有しています。

この大会ではしつこいくらいに"新・スタイル"のことを聞いてきましたが、総括として中村忠監督に尋ねた所、「今日の試合なんか見ちゃうと、やっぱりまだまだ質という部分ではね。だから、選手の中にやろうという意識は芽生えている、ただ、技術的な部分とか判断的な部分はすぐ身に付くものではなくて、今までやってきたことがある訳だから、ここからさらに向上してというのも、もっともっとやっていかないと、またすぐにバタバタ戻っちゃうので。今日も最後の方にメンバーが変わった時に、自信を持ってボールを動かせないとか、欲しがる選手が少なくなっちゃうとか。でも、実際あのメンバーでもやれた良いシーンはあって、個人の準備とか技術とか判断の部分をやっていければ、能力的にはそんなに先発でもサブでも変わらないと思うので、そこは徹底した上で、誰が出てもというのが最終的には理想で、みんな意思を統一した上で質を高くして、その中で個人の持ち味というのが出せればという所ですよね。大会を通しては少しずつの意識は見えてきたけど、まあ正直まだまだ。そういう感じですね」とのこと。いろいろな意味で"新・スタイル"の到達点は、まだまだ全貌を現していないというのが率直な所でしょうか。

ただ、選手たちももちろんそれは十分に理解している様子。「今年のチームは自分も含めて背のあまり高くない人が多いですけど、その分技術が高い人がいるので、この大会を通じてそういう技術の部分は出せたと思います。でも、プレミアリーグにいくとまだまだこのままだと基準が低いと思うので、もっと練習から上げられたらなと思います」(谷村)「まだ自分たちはヘタクソなので、もちろんその現実を受け止めないといけないですけど、いつかは上手くなるためにも失敗は当たり前だと思うので、今日も結構失敗した中で、その失敗を次に生かしたいなと思います」(角)「自分も近い所じゃなく、高い位置の選手も見ながらやっていたんですけど、もっと上手く選手を使ったり、もっと選手を動かしたかったし、個人だけで見たら後半とかまだ結構バタバタするシーンがあったので、もっと改善してきたいと思います」(彼島)。大いなる伸びしろを持った今年のFC東京U-18には変わらず注目していきたいと思います。      土屋

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