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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

2020年02月29日

Pre-match Words ~モンテディオ山形・林陵平編~(2015年6月26日掲載)

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【Pre-match Words モンテディオ山形・林陵平編】

(2015年6月26日掲載)

Q、石﨑(信弘)監督は飄々としていて面白いという独特の人間性をお持ちだと思いますが、林選手から見た石﨑監督はどんな人ですか?

A、普段は本当に優しいお父さんというか、本当に面白い人なので凄く選手たちも良い雰囲気でサッカーができていますし、その中で厳しい部分もサッカーの面ではあるので、その使い分けというのはうまいと思います。

Q、石﨑監督も経験のある方だと思いますが、先ほどおっしゃったみたいにそれほど戦い方を変えていないという中で、石﨑監督がドシッと構えていることがチームに与える影響は大きいですか?

A、それはありますね。監督のやり方の前からプレスというのはブレずにやっているので、選手たちは信じてやっていくべきですし、今日の紅白戦でも最初に前から行って、ちょっとプレスがハマらない時にリトリートした守備の仕方というのを選手で話したんですけど、その時も監督が近くに寄ってきて「まず俺らがやるべきなのは前からプレスを掛けることだ」というのを言っていたので、そういう意味ではブレずにやっていくべきだと思います。

Q、石﨑監督はゲームになるとほとんど喜怒哀楽を現わさないですし、去年の終盤もあれだけ劇的なことが数多く起こりながら、ほとんど喜ばなかったと思うんですけど、ああいうのは選手からするとどういう感じですか?

A、どうですかね。でも、ベンチの監督を見た時に点が決まってもあまり喜んでいないと、点を決めた方からすると「あまり喜んでいないんだな」と思ったりしますけど(笑)、それは監督の中でのやり方というか、監督がずっとやってきた対応の仕方だと思うので、特に気にせず見ています(笑)

Q、新潟戦(2015年J1 1st-第10節 △1-1)では今シーズン2点目を決めましたが、あれもかなり打点の高いヘディングでした。あのゴールはかなり手応えがあったんじゃないですか?

A、あれは石川(竜也)さんの良いボールが入ってきて、うまく相手選手のマークを外して良い所に入れましたし、良い打点の高さでのヘディングで、シュートスピードも速かったですし、凄く気持ちの良いゴールでした。メチャメチャ気持ち良かったです(笑)

Q、パフォーマンス的には後悔も残ったようですが(笑)

A、ちょっとピッチの近くでやり過ぎたことによって、カメラワークの所でちょっと遠すぎたかなというのがあります。

Q、あのパフォーマンス自体はリベンジだったと思いますが?(笑)

A、あれは2013年のアウェイの水戸戦で点を決めた時に、ジラルディーノのバイオリンを弾くパフォーマンスで、やったことは良かったんですけど、弦を持つ手と弓を弾く手を逆に間違えてしまって、それをいつかどこかで修正しなくてはと思って(笑)、この前の新潟戦でやりました。手は完璧だったんですけど、カメラワークの所でちょっとミスしちゃいましたね(笑)

Q、今までいくつかゴールパフォーマンスをやっていると思いますが、あれはいつ考えているんですか?

A、結構前日とかに考えたりもしますし、サッカーを見ている時に「あっ、コレ面白いな」と思ったら、自分のストックに入れています。

Q、いわゆるメジャーな選手のパフォーマンスはやりたくないというのもあるでしょう?

A、それはありますね。メジャーだと皆さんにはわかりやすいと思うんですけど、僕はマイナーな所も入れています。わかる人がわかれば良いと思いますし、自分が点を決めてパフォーマンスをやるということで周りの人に楽しんでもらえればいいですし、その中で今はゴールパフォーマンスのイメージが先行してしまって、ゴール自体を決められていないので、早くゴールを決めてサポーターにゴールパフォーマンスを見せたいなと思っています。

Q、今回対戦するガンバの印象はいかがですか?

A、本当に強いなという一言で表せますし、本当に11人の技術、宇佐美(貴史)選手であったり遠藤(保仁)選手であったり、凄くレベルの高い選手がいるので、120パーセントの力を出していかないと勝てない相手だと思います。

Q、相手の警戒すべきポイントはどういう部分だと思いますか?

A、後ろにも東口(順昭)選手という凄く良いゴールキーパーがいて、大学時代にも選抜で一緒にやっていますし、その中で攻撃の部分では遠藤選手から出されるパスであったりとか、宇佐美選手とパトリック選手の関係とか、本当に個々の能力が高いので、そういう所をしっかり潰していかないといけないと思います。

Q、東口選手とは同い年で仲が良いと聞いていますが、対戦は楽しみですか?

A、楽しみですね。本当に凄く仲が良いですし、大学選抜の時は休みの日とかはいつも一緒にいたぐらい仲が良い選手なので、J1の舞台で戦えるというのは凄く嬉しいですし、そのヒガシから点を取りたいなと思います。

Q、東口選手はどういうヤツですか?

A、ボケてますよ。ボケているというか面白いヤツで、ちょっと天然な所もありますし、かなり面白いエピソードもありますけど、それはこういう場で話せないようなことなので、今回は話しません(笑) 本当に良いヤツですし、サッカーの面では本当に能力の高いゴールキーパーなので、大学の時から「ヒガシは絶対に良いゴールキーパーになる」と思っていたので、やはり今はガンバで活躍していますし、日本代表を背負って戦えるような選手だと思います。

Q、林選手と言えば海外サッカー好きで有名ですが、今シーズン(2014-15シーズン)の欧州サッカーシーンは

どういうシーズンでしたか?

A、プレミアもリーガもセリエも全部見ていますけど、一言で現わすとやっぱりバルサが際立ったシーズンだったんじゃないかなと。プレミア勢はあまりチャンピオンズリーグで活躍できなかったですし、その中でバルサの強さは際立っていましたね。

Q、今シーズンのバルサは何が一番良かったですか?

A、やっぱりネイマール、スアレス、メッシのトリデンテが凄かったですよね。あとは、ルイス・エンリケのマネジメントのうまさも感じました。シーズンの最初の方にメッシをターンオーバーでレアル・ソシエダ戦に出さないで、2-1かなんかで負けてしまったんですよ。それでメッシが凄く怒って、「俺は試合に出ながらコンディションを整えたいんだ」と言って、練習も次の日に休んだりするくらいだったと。それに対してルイス・エンリケも「そんなことを言うんだったら」と戦いそうになったんですけど、メッシがいなかったら空中分解してしまうということでクラブもメッシを急性胃腸炎という扱いにして、わざと休みにさせたというエピソードもありますし、そこからネイマールともルイス・エンリケはいざこざがあったりした中で、そこでルイス・エンリケが折れてメッシやネイマールをずっと使い続けることによって、結局結果が出てきたんですよね。そういう意味ではルイス・エンリケのマネジメント能力は高いなと感じました。

バルサというのはそんなに戦い方は変わらないと思いますし、あれだけの選手に変な戦術を与えるよりも、自由にやらせた方が結局は勝てるチームだと思いますから、その中でシャビの所をラキティッチにしたというのは、ルイス・エンリケが自分の色というのを少し出したかなというのもあります。シャビでも全然良いですし、シャビ自体は凄いと思いますが、その中で機動力というか、ゴール前に入っていくという部分でラキティッチを使っていたと思うんですけど、チャンピオンズリーグの決勝で結果を出しましたし、そこはルイス・エンリケの力だったのかなと思います。

Q、他に「今シーズンはこのチームが面白かったな」というのはありますか?

A、プレミアリーグで言うと、僕はレスターがかなり面白いチームだと思いました。レスターは最初の方が結構良くて、マンチェスター・ユナイテッドに大勝した試合があったんですよ。その試合を見た時に「今年のこのチームは良いチームだな」と思って、前線にヴァーディという選手がいたり、ウジョアというセンターフォワードがいたり、チーム全体でハードワークもしますし、面白いチームだと思っていました。ただ、途中で負け出して残留争いを繰り広げたんですけど、そこからまた最後の方は一気に盛り返してきましたよね。結構レスターは良いチームだなと思っていましたよ。まあ、今シーズンはチェルシーの優勝も僕は言っていたので。「2年目のモウリーニョは強いぞ」と。

Q、チェルシーはどこが良かったですか?

A、あまりターンオーバーもしなかったですし、固定されたメンバーでモウリーニョの"堅さ"というのが見られるシーズンだったと思います。トッテナムに負けた後のモウリーニョの修正能力が高かったというか、負けたとしても次の試合で「連敗はしないよ」という戦い方ができるチームって、やっぱりリーグ戦で優勝争いをしていく中では凄く大事だと思うので、そういう意味ではやっぱり強かったですよね。モウリーニョは威厳があるというか、テレビでもたまに監督が映し出されるじゃないですか。その時に見るだけでも「貫禄があるな」と。監督って雰囲気が凄く大事だと思いますし、「この監督凄いんだな」というのを感じさせる所もたくさんあって、本当にわざと相手の監督と揉めたりとか、チームを守る部分も良いですよね。選手が何かしたとしても、「ウチの選手は何もしていないよ」という風にチームを守ることによって、選手は「俺を守ってくれたから監督のために戦わなきゃ」という風な意識になるので、そういう使い分けというのがモウリーニョはうまいですよね。

Q、レスター以外に今シーズンの良かったチームは思い浮かびますか?

A、リーガだとセルタは結構面白いサッカーをしますよね。僕はラリベイとかノリートも結構好きな選手なので見ていました。でも、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグでも全然結果は出なかったですけど、試合を見るとしたらプレミアが一番スピーディーなので、見ていて楽しいかなというのはあります。本当はリーグ・アンでイブラを見たかったんですけどね(笑) そこはチャンピオンズリーグで我慢してイブラを見ていた感じですね。

Q、林選手がイブラヒモヴィッチ好きだというのは有名だと思いますが、彼を出待ちしたことがあるんですよね?(笑)

A、そうなんですよ(笑) フランスのパリの練習場まで行って、12月の終わりくらいでマイナス5度くらいの、しかも雨が土砂降りの中を5時間くらい立って待っていました(笑)

Q、結局会えなかったんですよね?(笑)

A、イブラだけは特別扱いで、ちょっと駐車場からクラブハウスまで歩く場所があるんですけど、イブラはクラブハウスの目の前に車を停めていたんです。他の選手はちゃんと駐車場に止めて歩いていたのに。だから、チアゴ・シウヴァとかパストーレとかラベッシとかは見られたんですけど、イブラだけは見られずに終わりました。でも、もちろん「見たかったな」というのはあったんですけど、そこまで行った満足感はありましたよ(笑) イブラの知らなかった一面も知れましたし、それもそれで経験だとは思いますし、「何でイブラに会えないんだよ!」とはならなかったです。他の選手も見れましたし、凄く貴重な5時間を過ごすことができました(笑)

Q、誰にサインをもらったんでしたっけ?

A、マチュイディ!今結構来ているマチュイディはメチャメチャ良いヤツで、一緒に写真も撮りましたし、サインもしてもらいました。もう単純なファンとして、子供みたいな感じで喜んでいました。「おお、マチュイディ来たよ!止まって!止まって!」みたいな(笑) あと、今はリヨンの右サイドバックのジャレとかにサインをもらいました。

Q、それに喜山康平くんを連れ回した訳ですね(笑)

A、そうです(笑) 喜山康平を連れ回しましたね。

Q、弊社はプレミアリーグを中継しているので、プレミアの中で「来シーズンはこの選手を見ておけ!」というような選手はいますか?

A、うーん、やっぱり定番の所に行ったらマニアとしては面白くないですよね。じゃあ、ストーク・シティでボランチをやっているエンゾンジ。僕は前から「アイツは良いよ」と。「エンゾンジぐらいのクラスで代表に入れないって、フランス代表ってどんなレベルなんだよ」と。背も高いし技術もあるし、あんな選手がボランチにいたらどれだけチームが楽かという感じですよ。エンゾンジは本当に良い選手だと思うので、是非みんなに見てもらいたいなと思いますね。ストークではアルナウトヴィッチも好きですよ。「ムラはあるけど、たまに出すパスやシュートは凄いぞ」みたいな。ああいう選手は好きなので、ストークの試合は結構見ています。

Q、ポジション的に林選手はストライカーですけど、そのポジションで注目している選手はいますか?

A、チェルシーのレミは、ジエゴ・コスタやドログバがいたので、なかなかスタメンで使ってもらえなかったですけど、ああいうサブにいながら出た時にしっかり結果を残せる選手ということで、今はクリスタル・パレスに移籍するかもという話もありますし、他のチームに行って主力として1シーズン戦えたら、得点王争いに加われる選手だと僕は思います。やっぱりフォワードって途中から出て結果を出すのが難しい部分もあると思うので、その中でベンチで待っている時にも集中力を切らさず、試合に出た時にアップテンポの戦いに入ってしっかりゴールを決められるというのは、非常にレベルが高いと思います。

Q、今回はJ SPORTSの中継なので、ゴールを決めたら是非パフォーマンスをやって欲しいなと思っているのですが、今はストックってどのくらいありますか?

A、もう10個くらいありますし、次にやりたいのは決まっているんですけど、それもプレミアリーグからチョイスしていますし、かなりマイナーな所なので、それを是非次のJ SPORTSの中継でできたら最高だと思うんですけどね。

Q、これは必ずやってくれるということで良いんですね?(笑)

A、それはやろうと思っています。でも、点を決めないとできないですからね。カメラはメインスタンドの方で良いんですよね(笑)

【プロフィール】

東京Vユース、明治大を経て、2009年に東京Vへ加入。翌年に柏へ移籍するとJ2優勝、J1優勝、FIFAクラブW杯などを経験し、2012年から山形でプレー。海外サッカーにも造詣が深く、J SPORTSでも2シーズン連続で中継解説を務めている。


※所属チームを含めた情報は、当時のものをそのまま掲載しています。

ご了承ください。

取材、文:土屋雅史

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