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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

2020年02月28日

Pre-match Words ~湘南ベルマーレ・永木亮太編~(2015年5月29日掲載)

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【Pre-match Words 湘南ベルマーレ・永木亮太編】

(2015年5月29日掲載)

Q、ここ数年は永木選手もボランチを組む相方はほとんど年下だと思いますが、やはりボランチのラインを自分が引っ張っていってやろうという気持ちはかなり強いですか?

A、そうですね。今は一緒にボランチをやる選手は全員年下なので、試合中は特に「自分が引っ張っていってあげないとな」というのは感じながらやっています。運動量や球際の所でそういう姿勢を見せれば、年下の選手もそれを見て「自分もやらなきゃ」という気持ちになると思うので、そういう部分は声だけじゃなくてプレーも心がけてやっています。

Q、フィールドプレーヤーの日本人選手の中ではどの試合でも最年長ということが多いと思いますが、実際にまだ26歳で他のクラブなら若手でもおかしくないと思いますけど、「年長者なんだな」というようなことを意識するようなことはありますか?

A、あまり試合中は年齢のこととか考えないですけど、チームの在籍年数がもう長いというのはわかっていますし、それに自分はこのチームだと試合数を多くこなしている方なので、やっぱりそういった所からも精神的にもプレーでも、自分がキャプテンマークを巻いてやっていますし、「引っ張らないといけないな」という気持ちは凄く強いです。また今年は(高山)薫が戻ってきてくれて、同年代の選手でまたこのチームを強くしたいという気持ちもあるので、やりがいは凄く感じながらやっています。

Q、前節の清水戦(2015年J1 1st-第13節 〇4-0)は点差も付けての勝利でしたが、どういうゲームだったと考えてらっしゃいますか?

A、清水戦は立ち上がりの15分は相手の時間で、(秋元)陽太君に助けられた場面が凄くあったので、あそこを耐えたのが4-0まで持っていけた一番の要因かなと思います。あそこでしっかり耐えて、前半はその後は自分たちが決められなかったですけどビッグチャンスを創りましたし、そのまま前半が終わって、後半は風上になるのがわかっていたので、ますます自分たちの力だったり、後半にウチは走れる自信はあるので、そういう所で絶対に点は取れるだろうなと思ってやっていました。後半も最初の方でピンチはありましたけど、そこも陽太君を中心に防げたので、あとの4点は凄く自分たちらしい形で点が取れた部分もあったし、凄く良い試合だったなと思います。

Q、チーム2点目のFKも素晴らしいゴールでしたが、あのシーンを振り返っていただけますか?

A、遠かったので最初は合わせようかなと思ったんですけど、風が吹いていて、GKの位置を見たらかなりファーサイドに寄っていたので。(大竹)洋平が左足のキッカーでいたんですけど、「狙えば?」という風に言われたので、自分も「狙ってみようかな」と思って狙ったら、本当に入ったので良かったです(笑)

Q、軌道はほぼ思い描いた通りですか?

A、そうですね。イメージ通りに行ってくれたので、蹴った瞬間に「入ったな」と思いました。

Q、「カベは3枚でいいの?」と思いませんでしたか?

A、まあ遠かったので、ウチもたぶん3枚でやると思うんですけど、あそこで逆に7枚とか立てられたら「どうしようかな」という感じですけど(笑)、その枚数の方が良かったかなと思いますね。

Q、蹴ったのはインサイド気味ですか?

A、モロにインサイドじゃないですけど、インフロントですかね。右の親指のちょっと横ぐらいの所で。

Q、位置もほぼ正面で、もうちょっと角度が付いている方が狙いやすいのかなとも思ったのですが、角度は気にならなかったですか?

A、どっちかと言ったらもう少し左側の方が右足で狙いやすいコースですし、そっちの角度の方が好きですけど、あそこから蹴ったことも今まであまりなかったですし、練習もあの位置からはそんなにしていなかったので、思い切って蹴ってみようというのはありましたね。

Q、シーズン初ゴールということもあって相当嬉しかったですか?

A、そうですね。自分にとっても凄く自信になる点だったと思います。まだなかったので、点だったりアシストという結果が欲しかったですし、あそこの時間帯で点が取れたというのは、チームにとっても凄く良かったと思いますし、自分にとっても本当にこれからの自信に繋がる1点だったと思うので、2つの意味で凄く大事な点だったと思います。

Q、アシストという意味で言うと、前半に高山選手へ素晴らしいスルーパスを出しましたが、「アレは決めとけよ!」という感じでしたか?(笑)

A、アレはもう本当に(笑) あの前半の時間帯で決めて欲しかったので。いや、アレはちょっとトラップがデカ過ぎたなと思いましたね(笑)

Q、あのゲームも2点は取ったものの、このチームで高山選手にやって来るチャンスはかなりある中で、結構外しちゃうことも少なくないと思いますけど(笑)、そのあたりは昔からよく彼を知っている同級生としてはどういう風に思っているんですか?

A、まあ本当にチャンスはかなり創るので、逆にチャンスを創るという意味では数少ない前のアタッカーだなとは思いますけど、そこで全部点を決めていたらたぶん今頃は海外に行っていると思うので(笑)、それが現在の薫の良い所でもあり悪い所でもあると思います。まあ、あそこで決めてくれたらさらにチームとして強くなれる部分だと思うんですけど、チャンスを多く創るということは本当に素晴らしいと思います(笑)

Q、永木選手も5年以上ホームとして戦っているBMWスタジアムについて、今年は明らかに観客動員も増えていますし、トラックがありながらあの熱気というのは僕もいつも凄いなと思っているのですが、永木選手にとってはどういうスタジアムですか?

A、まずピッチが素晴らしいので、本当に自分たちが走りやすいように芝の整え方もしてもらっていますし、本当にやり慣れているスタジアムですよね。最近は常に1万人以上のサポーターやお客さんが来てくれるので、そういう歓声というのも自分たちの力になりますし、サポーター側に攻めている時なんていうのは自分たちにプラスになる、陰で後ろから支えてくれている存在なので、そういう人たちに向かって攻めていくというのは凄く気持ち良いですし、点を取った時にはみんなで喜び合える瞬間をいつも味わえるので、そういう時間をこれからも増やしていきたいと思っています。

Q、スタジアムDJの(三村)ロンドさんが選手の名字を呼んで、サポーターが名前を呼ぶのがBMWの名物になってきていますが、「ナガキー!」とロンドさんがコールした後に、「リョータ!」とスタジアム中から名前を呼ばれるのってどんな感じですか?

A、一昨年ぐらいにどこかの、確か鳥栖のアウェイでやっていたのを見て「いいな」と思っていて、それをチョウさんとかたぶん上の人が発案してくれて、去年ぐらいからやっているんですけど、アレは凄く良いですね。ゴールを決めた後とか名前を呼ばれると凄く嬉しいですし、気持ち良いですね。さらにゴールの嬉しさが倍増します。

Q、ここからはキャリアのお話を伺いたいのですが、中学年代で川崎フロンターレU-15を選んだ理由を教えていただけますか?

A、理由は親が勝手に応募していたかなんかで、小学校の時のFC奈良というチームのチームメイトの何人かとセレクションに行ってという感じですね。そんなに自分でどうしたいとかは全然考えていなかったので、普通に地元の奈良中学校に行って部活をやろうかなと思っていたんですけど、親が応募してくれていたので。あと、町田JFCというクラブも受けましたけど、そっちは落ちてフロンターレに受かったので、「じゃあフロンターレに行こう」という感じでしたね。

Q、中学1年の時からもうチョウ(・キジェ)さんに指導を受けていたんですか?

A、そうですね。チョウさんもそれがたぶん指導者1年目の時で、中学1年のチームの監督でした。

Q、第一印象は「怖そうな人だな」という感じでしたか?

A、いや、最初は凄くフレンドリーに話し掛けてくれたので、別にそんな印象はなかったですけど、付き合っていく内にどんどん怖くなっていきました(笑) 本当に厳しかったです。普通の時は優しいですけど、やっぱり怒られる時は本当に誰よりも怖いというか。でも、自分たちを良くしようとして怒っているのは常にわかるので、怒られたから「何だよ」ってなるヤツは自分も含めていなかったですね。

Q、かなり私生活の面も色々と指導されたんですよね?

A、どっちかと言うとそっちの方がメインでした。サッカーよりそういう私生活の方が本当によく言われましたね。

Q、基本的にはその頃と今のチョウさんは変わっていないですか?

A、変わっていないと思います。変わった所... ないですね。指導の仕方とかサッカーに対する考え方はチョウさんも色々と勉強されていると思うので、そういう面は多少違うと思いますけど、選手を見る眼とか選手の観察眼とかは、本当にあの時のままだと思います。

Q、何でも見透かされている感じですか?

A、常に表情を見られていて、「今はこういう気持ちなんだろ?」と言われる時はだいたい当たっていますし、自分だけじゃなくて今年ウチに来た選手もそれを凄く言っているので、そういう所は変わっていないですね。

Q、これはあまり知られていないような気がするんですけど、永木選手が高校1年の時の監督は大木武さんですよね?大木さんってどういう監督でしたか?

A、大木さんは人としては本当に"いいオッチャン"みたいな人でしたけど、少し選手と監督という立場をわきまえる方で、チョウさんほどフランクではなかったですね、でも、サッカーに関しては自分は凄く成長させてもらった監督の1人だと思っていて、パスサッカーで自分も本当に楽しかったですし、練習も楽しかったので、大木さんに教わって凄く技術が上がったなと思っています。

Q、1年生の頃から永木選手は試合に出ていたと思いますが、大木さんと「サッカー観が合うな」というような印象はありましたか?

A、結構ありましたね。一発のサイドチェンジとかあまり好きじゃなくて、どっちかと言うとパス、パス、パスで繋いでサイドチェンジとか、本当にショートパス主体のサッカーだったので面白かったですね。

Q、京都の監督時代には対戦もされたと思いますが、試合後にお話されたりしましたか?

A、そうですね。試合が終わったら必ず挨拶に行っていました。その時は「頑張ってるなあ」っていつも言ってくれました(笑)

Q、そうすると大木さんは結構影響を受けた指導者の1人という感じですか?

A、そうですね。練習方法とかも結構鮮明に覚えています。楽しかったですし、あまり他にはないような独特の練習が多くて。本当に上手くなるんですよ。狭いエリアでやったりとか、ワンタッチワンタッチでとか、そういう練習は楽しかったですね。

Q、U-18の時はトップに昇格した都倉(賢)選手と木村(祐志)選手が上級生にいたと思いますが、彼らから刺激を受ける部分は大きかったですか?

A、都倉君とか(木村)祐志君もそうですけど、もう1人都倉君の代のボランチで岩田啓祐さんという人がいて、当時は国体選抜にも入っていたので、その人は憧れというか、「スゲーな」と思って見ていましたけどね。自分はまだサイズが小さくてキックも飛ばなくて、展開力とかも全然なかったんですけど、その人はキックが凄く上手くて両足が使えて、「凄いな」という感じで見ていました。

Q、フロンターレの下部組織時代は良い想い出ですか?

A、あの時代がなかったら今の自分は絶対にないので。でも、チョウさんに出会えたことが一番ですね。もちろんユースの時も頑張っていましたけど、試合に出られなかった時期もありましたし、3年の時はトップに上がれなかったので、悔しい想いもありました。ただ、常に成長できていた時期だったかなと思います。

Q、中学時代の"先生"と社会人になって一緒に仕事するなんて、なかなか人生でもないことですよね(笑)

A、不思議ですね、その縁は。本当に"まさか"とはこのことですよね(笑)

【プロフィール】

中学、高校と川崎の下部組織で育ち、中央大学在学中に特別指定選手として湘南でJリーグデビューを飾る。2011年に正式加入するとチームの中心として活躍し、2013年からはキャプテンに就任。日本代表選出も期待される国内有数のMF


※所属チームを含めた情報は、当時のものをそのまま掲載しています。

ご了承ください。

取材、文:土屋雅史

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