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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2019年11月08日

高校選手権東京B準々決勝 国士舘×都立東久留米総合@清瀬内山G

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国士舘×東久留米.JPG

第4試合にはこの日2チーム目のディフェンディングチャンピオンが登場。連覇を目指す国士舘と、8年ぶりの全国を見据える都立東久留米総合の一戦は、引き続き清瀬内山グラウンドです。

昨シーズンはほとんどノーマークに近い立ち位置だったにもかかわらず、次々と難敵を撃破し、15年ぶりに東京を制して、冬の全国大会を経験した国士舘。ただ、迎えた今シーズンは関東大会予選こそベスト8まで進出したものの、インターハイ予選は2次トーナメント初戦で都立東大和に0-2で敗れ、厳しい敗退を突き付けられる格好に。今大会は1回戦で都立高島を2-0で退けると、2回戦の早大学院戦は苦しみながらもジョーカー中島隆之介(3年・緑山SC)の決勝ゴールで1-0と勝利。「インハイ、関東予選と悔しい想いの大会になってしまったので、選手権でそれをぶつけられるような試合をと毎日言っています」とはキャプテンの小山拡(3年・FC GLORIA)。連覇に向けた大きな関門に向かいます。

関東大会予選は修徳、駿台学園、国士舘、大成と並み居る強豪を打ち砕き、堂々たる準優勝で本大会進出。ところが、インターハイ予選では初戦となった準々決勝で駒澤大学高に0-3と完敗を喫し、悔しい結果を享受することとなった都立東久留米総合。とはいえ、「結構全体的に仲が良いというか、ノリが良くて、学校生活とかも楽しくて、そういうのが1つにまとまっているのかなというのは結構感じますね」とキャプテンの下田将太郎(3年・東京久留米FC U-15)も話したように、今年のチームの大きな武器は一体感。初戦で目白研心を1-0で倒した勢いそのままに、西が丘を懸けたクォーターファイナルへ挑みます。前述したように両者は関東大会予選でも対戦しており、その時は東久留米総合が1-0で勝利を手中に。リベンジか、はたまた返り討ちか。注目の80分間は国士舘のキックオフでスタートしました。

「結構入りから国士舘が蹴ってくるのはわかっていたので、そこにうまく対応して、カウンターをしっかり狙いに行きました」と下田が話したように、お互い慎重に立ち上がる展開の中でも、セットプレーで繰り出す手数。19分は国士舘。右から坂本達哉(3年・Forza'02)が放り込んだロングスローは、DFがきっちりクリア。22分も国士舘。今度は川田隼也(3年・Forza'02)が右から投げ込んだロングスローもDFがクリアしたものの、国士舘は2人のスローワーがその飛距離で会場を湧かせます。

25分は東久留米総合にチャンス。ボランチの五賀駿也(2年・JACPA東京FC)が右へ振り分け、佐藤海翔(3年・ジェファFC)のクロスから、野口太陽(3年・練馬FC U-15)のシュートはDFに弾かれ、こぼれに反応した亀井啓汰(3年・FC府中)のシュートもDFにブロックされたものの、左右に揺さぶるアタックを。26分にも足立真(3年・FC杉野)が左CKを蹴り込むと、加藤隼吾(3年・Forza'02)のヘディングは当たりが薄くなってゴール左へ。29分にも足立の右FKはDFにクリアされましたが、少しずつ流れの中から東久留米総合が取り切るフィニッシュ。

32分は国士舘。波田大智(3年・江東深川第四中)の左CKは、ファーへ届くもシュートまで至らず。34分は東久留米総合。右への素晴らしい展開を披露し、加藤のクロスに松山翔哉(3年・府ロクJY)が合わせたヘディングはクロスバーの上へ。35分は国士舘。センターバックの下田晃大(3年・調布神代中)を起点に坂本、波田と繋いだボールから秋葉兵冴(3年・コンフィアール町田)が狙ったシュートは、DFに当たってゴール左へ。40分は東久留米総合。松山が左へ振り分け、野口のドリブルがこぼれると、松山のシュートは左スミを襲うも国士舘のGK前原秀明(3年・FC.BRANCO八王子)が丁寧にキャッチ。「我々も粘りだけじゃなく、練習してきた部分もいっぱいありますからね」とは東久留米総合の加藤悠監督。双方が手数を出し合った前半はスコアレスで40分間が終了しました。

衝撃の先制弾はまだ後半開始から1分経たず。国士舘DFのクリアがこぼれた所に、誰よりも速く反応したのは12番のストライカー。「ボールがルーズボールになって、キーパーがちょっと出ていたのが見えたので」松山がゴールまで30m近い距離から強引に打ち切ったボレーは、バウンドしながら右スミのゴールネットは弾み込みます。「打ったら入っちゃったみたいな感じです。気持ち良かったですねえ。みんな喜んでいて」と笑った松山のゴラッソに、「関東大会予選の1回戦も修徳戦でアイツが本当に最後の最後でスーパーなシュートを決めていたので、今日もちょっとやってくれるかなというのはあったんですけど、本当にスーパーだったかなと思います」と下田からもしてやったり感が。東久留米総合が1点のリードを手にしました。

追い掛ける展開となった国士舘は、43分に川田が左ロングスローを投げるも、下田将太郎が大きくクリア。46分は東久留米総合。左から足立が蹴ったCKは、シュートまで至らず。47分は国士舘に1人目の交替。秋葉に替えて、「最後の切り札として『隆之介で取れなかったらしょうがない』という感じ」と上野晃慈監督も口にしたジョーカーの中島をピッチへ送り込む勝負の一手を。49分は国士舘。川田の右ロングスローはDFがきっちりクリア。50分は東久留米総合。足立の右CKを下田将太郎が折り返すも、エリア内でシュートには持ち込めず。共にセットプレーで窺う手数。

51分は国士舘に2人目の交替。ボランチで奮闘した北嶋陸(2年・川崎チャンプ)に替えて、鈴木太知(2年・GA FC)を投入。55分も国士舘。センターバックの大森彗斗(2年・川崎チャンプ)が蹴ったFKは、野口が丁寧にクリア。57分は国士舘に3人目の交替。波田と林奏杜(2年・TFA)を入れ替え、何とか跳ね返したい1点差。

58分は国士舘。川田の左ロングスローから、下田将太郎のクリアボールを収めた菱田海(2年・FCトリプレッタJY)のシュートはゴール左へ。62分も国士舘。大森の右FKから、こぼれをボランチの北野颯大(2年・和光ユナイテッド川崎FC)が右クロスに変えるも、東久留米総合のGK酒井真(3年・三菱養和調布JY)がパンチングで回避。64分も国士舘。林を起点に鈴木が左サイドをえぐって中へ。ファーには小山が突っ込むも、シュートは打ち切れずDFがクリア。68分も国士舘。坂本の右ロングスローは、小山も触れずそのままファーサイドへ。「チャンス自体がこの代は本当に少ないので、それをしっかりと先に取って、そこからはある程度守れるという自信も彼らはあったと思う」と加藤監督。ディフェンスラインに破綻のないまま、ゲームは残り10分とアディショナルタイムへ。

70分は東久留米総合に久々のチャンス。足立の右CKはファーに向かい、岩田のヘディングはゴール左へ。72分に国士舘は4人目の交替として、川田とルーキーの石井海那(1年・すみだSC)をスイッチ。76分は国士舘に決定機。坂本の右ロングスローから、最後は中島が枠へ収めたシュートは酒井が正面で大切に大切にキャッチ。「気持ちの面で絶対に負けるなということは加藤先生にも3年間通して言われてきたことで、その気持ちがしっかり出せたので、ゴール前の攻防とかでうまく体を投げ出せたかなというのはありますね」とは下田。揺るがない東久留米総合の堅陣。

追い込まれた国士舘は、78分に最後の交替。菱田と近藤英響(3年・東京武蔵野シティFC U-15)を入れ替えて最後の勝負へ。アディショナルタイムの掲示は短めの2分。そして、80+1分は国士舘のラストチャンス。坂本の丁寧な右クロスから、ファーに潜った林のヘディングはゴール左へ外れると、少しあって吹き鳴らされたタイムアップのホイッスル。「非常に良い勝ち方というか、ハーフタイムに『焦るな』と言った中で、彼らが良く焦らずに、焦れずにやったなという印象ですね」と加藤監督も手応えを口にした東久留米総合が、3年ぶりにセミファイナルへと勝ち上がる結果となりました。

「今の最上級生が1年生だった時は大雨の中、自分たちのグラウンドで東京朝鮮に負けて、それが齊藤先生の最後になって、去年の仲の良かった先輩たちは志半ばで去って行ったので、今の3年生は西が丘でプレーしている先輩たちを見てこなかったんです。だから、高校サッカーに携わる選手たちの成長曲線みたいなのって、何かをきっかけにグッと良い意味で上がっていく印象があるんですけど、彼ら3年生が応援席で見ている後輩たちに西が丘を見せてくれることになったのは、凄くこの先の東久留米総合にとっても、大きなゲームだったんじゃないかなと思っています」と加藤監督も話した東久留米総合は少し前述したように、チーム全体が纏っている一体感が伝わってくる印象です。「僕たちの学年は仲が良い学年と言われていて、今までもみんながいろいろな大会で1つになっていて、関東大会には応援もあって行けたと思うので、東京一まとまっているんじゃないかなって思っています」と言い切ったのは松山。次はいよいよ西が丘。聖地が彼らの登場を今や遅しと待ち侘びています。        土屋

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