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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

スタッフブログ 2018年05月26日

2018年第3回JFAレフェリーブリーフィング・一部レポート

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この間の水曜日にJFAハウスで開催された
2018年第3回JFAレフェリーブリーフィングに参加してきました。
このブリーフィングは昨年からスタートしており
上川徹・JFA審判委員会副委員長が
実際Jリーグで起こった事例に対して
VTRを交えながら丁寧に説明をされていくという非常に有意義なもの。
今回は特にVTRで詳細な説明のあった15の事例を
上川副委員長の言葉を中心にご紹介しておきたいと思います!
今回ももちろん動画はないので、気になる方は試合と時間を照らし合わせつつ
DAZNさんかスカパーさんでご確認ください(笑)


(はじめに)
各クラブと全部で80試合、101シーンの意見交換が実施され、レフェリーの判定が間違っていたという事案が全体の約3割くらい。数字だけ書くと「30%も間違っているの?」となるかもしれないが、クラブは判定に疑問を持って質問してくる内容なので、それ以上に凄い数の正しい判定が後ろにはあるということをご理解いただきたい(笑) 前回ブリーフィングを実施した4月19日の時からポジティブな数字に変わっていて、意見交換の回数も去年より少なくなっている。レフェリーの判定の精度が上がったのかもしれないが、一方でこういうことを繰り返していることで、クラブの競技規則の理解や判定の難しさの理解が進んでいる数字なのかなと感じている。意見交換はハンドかどうかの意見が多い中で、前回は全体の36.8%がハンドの意見交換だったが、今回までのトータルでは28%になった。ハンドに対する理解も進んでいるように思う。


【ハンドリング】
(1)J2第10節
ツエーゲン金沢×大分トリニータ

主審:吉田哲朗 副審:亀川哲弘、塚田健太 第4の審判員:大原謙哉
【シーン】
46分...杉浦恭平のシュートを刀根亮輔が腕でブロックしたように見える。
【ジャッジ】
主審はノーファウルと判断し、プレーオンとなった。
【上川氏の説明】
ハンドは意図があるかないか、意図的にボールを手で止めているのかどうかという所が一番のポイント。意図があるかどうかの判断をするときに、ボールとの距離、ボールのスピード、予測ができるのか、腕の位置が自然な位置なのかどうか、ボールの方向に腕が動いているのかどうか、などが判断材料になる。


この距離は8メートルくらい。11番(杉浦)はシュートを打とうとしている。シュートはスピードがあると考える。白の選手(刀根)は手に当てないように、リスクを考えながら腕を後ろに組んで待っていると思う。左側にシュートを予測して動いていた中で、早いボールが腕に当たっていると。後ろ向きの状態で残っている手に当たっていることを考えると、そこに意図があると考えるのは少し厳しいのかなと思う。実際レフェリーはノーファウルにした。見解としては、腕にボールは当たっているが、速いボールで、ボールの方向とは違う所で背後にある腕に当たっている。事前に構えて広げている腕ではない。ボールの方向の予測もしていないし、腕の位置も大きく利益を得ようとしている訳ではないし、そう考えるとアクシデント的にボールが腕に当たった、ノーファウルが正しいのかなと思う。


(「守備者が不用意なのでは?」という質問が)
競技規則で考えると、不用意というのはコンタクトがあるファウル。ハンドの場合には不用意ということではなくて、ボールが腕に当たってきたのか、腕をボールの方向に動かして当てたのかどうか、という考え方の中で判定を考える。


(2)ルヴァンカップCグループ第5節
サンフレッチェ広島×ガンバ大阪

主審:福島孝一郎 副審:小椋剛、熊谷幸剛 追加副審:大塚晴弘、西山貴生 
第4の審判員:イ・サンギ
【シーン】
32分...工藤壮人のシュートをオ・ジェソクが肘でブロックしたように見える。
【ジャッジ】
主審はノーファウルと判断し、プレーオンとなった。
【上川氏の説明】
スローで見ると、(オ・ジェソクが)「肘だからノーファウル」とアピールしていてちょっと面白い(笑) これはノーファウルと考える。本人がアピールしているぐらいなので、肘には当たっている。ただ、非常に近い距離から(シュートが)蹴られている。肘の位置も普通の位置だと考える。大きく広げられていないし、ボールを避けられる距離ではない。これもボールが肘の所に向かってきたアクシデントで、そう考えるとノーファウルになる。左側にボールの方向を予測していると思うが、右の腕は自然な動きであり、自然な位置。避けることができるような時間的余裕もなかった。


(3)J1第12節
湘南ベルマーレ×柏レイソル

主審:荒木友輔 副審:大塚晴弘、鈴木規志 第4の審判員:関谷宣貴
【シーン】
77分...小池龍太の突破に対応し、高山薫がエリア内でスライディングした時に、ボールが腕に当たったように見える。
【ジャッジ】
主審はノーファウルと判断し、プレーオンとなった。
【上川氏の説明】
明らかにボールは左手に当たっている。緑の選手(高山)の読みは(自分の)目の前の方。体が倒れる時に腕を突くのは必然だと思うし、その左手にボールが当たっているが、意図があるとは考えないし、ボールの方向に腕を動かしているとは思わない。よってボールが腕の方向に当たったということでノーファウル。


シーズン前にいつもルール講習会でクラブを回るが、今みたいに腕に当たったボールが味方の競技者に渡ったらハンドじゃないと。「相手に行ったんならハンドを取ってくださいよ」と言われることがある。気持ちはわかるが、競技規則に沿うと、ここは腕に当たってすぐまたその選手(小池)にリバウンドが返ってきているので、そんなにアピールはなかったが、それで判断するのではなく、実際にどういう状況でボールが手に当たったのか、あるいは手でボールを触ったのかという判断をしなくてはいけない。


(4)J1第13節
サガン鳥栖×清水エスパルス

主審:山岡良介 副審:西尾英朗、和角敏之 第4の審判員:塩津祐介
【シーン】
10分...原川力のクロスに対応し、河井陽介がエリア内でスライディングした時に、ボールが腕に当たったように見える。
【ジャッジ】
主審は河井のハンドと判断し、鳥栖にPKが与えられた。
【上川氏の説明】
レフェリーは笛を吹いている。(ボールが蹴られた)距離は近い。ハンドを取られた方は凄く不満を持っている。(河井の)体の向きが正面ではなく、腕の位置も自然な位置だとは思う。我々の見解はアクシデントでノーファウル。レフェリーはPKを取ったが、今回はこれが一番難しい判定かなと思う。


レフェリーはなぜPKを取ったかというと、体をボールが通過した後に手に当たっているように見えるという判断だったと。ちゃんとボールのコースがわかっていて、体を通過した後に腕で止めたと判断したので、PKという笛を吹いたと。それは十分に理解できるが、ボールの(蹴られた)距離が近くて、腕の位置は大きな利益を得ようとしている訳でもなく、実際に見ればボールが速いので、それを見ながら腕をボールの方向に持っていって止めるのは難しいことだと考える。映像で見るとハンドとしてPKを与えるのは厳しいと我々は考え、ノーファウルが妥当であるとクラブ側にも回答した。


(5)ルヴァンカップCグループ第6節
浦和レッズ×サンフレッチェ広島

主審:山本雄大 副審:村上孝治、野村修 追加副審:井上知大、八木あかね
第4の審判員:阿部将茂
【シーン】
66分...阿部勇樹のシュートを森島司が腕でブロックしたように見える。
【ジャッジ】
主審は森島のハンドと判断し、浦和にPKが与えられた。
【上川氏の説明】
これは今までの映像とは明らかに違う。ボールの蹴られた距離は近い。腕の位置は予測して上げている訳ではないかもしれないが、腕をあれだけ高く上げてチャレンジすることは、「あわよくば止めてやろう」「利益を得よう」と十分に考えられる。ボールの方向に腕を上げて止めに行ったと考えればPKの判定。


【ペナルティエリア内のインシデント】
(6)J1第10節
ジュビロ磐田×V・ファーレン長崎

主審:小屋幸栄 副審:川崎秋仁、堀越雅弘 第4の審判員:野田祐樹
【シーン】
90+2分... の突破に高杉亮太が対応し、両者がエリア内で転倒
【ジャッジ】
主審は高杉のファウルと判断し、磐田にPKが与えられた
【上川氏の説明】
ここで一番のポイントはボールに触れられているかどうか。ディフェンスの選手(高杉)はチャレンジしているし、ボールにプレーしようとはしている。あとは最終的にボールに触れているかの判断になる。触っていると見たらノーファウル。映像で見る限りは際どいが、ボールの方向も変わっていないし、触れていないと判断すると、PKという考え方で正しい。


(7)J1第12節
名古屋グランパス×セレッソ大阪

主審:柿沼亨 副審:越智新次、田中利幸 第4の審判員:間島宗一
【シーン】
56分...青木亮太のドリブルに丸橋祐介がタックルを行い、エリア内で青木が転倒した。
【ジャッジ】
ノーファウルで名古屋にコーナーキックが与えられた。
【上川氏の説明】
ここもポイントはボールに触れているかどうか。ここでは(丸橋が)ボールに触れてプレーしていると。その後のコンタクトはサッカーにおける普通の、ボールにプレーしようとした中での起こりうるコンタクト。コンタクトも不用意や無謀でもないし、ボールにしっかりプレーしているということでノーファウル。


(8)J1第11節
ヴィッセル神戸×川崎フロンターレ

主審:飯田淳平 副審:山際将史、林可人 第4の審判員:戸田東吾
【シーン】
51分...キム・スンギュのパントキックに小川慶次朗が抜け出すと、対応した車屋紳太郎がタックルを行い、小川はエリア内で転倒した。
【ジャッジ】
主審はノーファウルと判断し、プレーオンとなった。
【上川氏の説明】
これは我々は(車屋が)ボールには触れていないと見る。そう考えるとPKとして笛は吹かれるべき。(車屋の)チャレンジした足がボールに触れられずに、相手(小川)の足を蹴っている形で反則を犯しているので、まずはPK。あとは懲戒罰をどう考えるか。反則がなければ、決定的な得点機会の状況だったと考える。そこは競技規則の変わった所で話をしてきているが、こうやってボールにプレーしようとして結果的にボールにプレーできずに反則を犯すと、その時の状況が決定的な得点機会であれば、今まではレッドカードだったものの、ボールにプレーしようとしていればそれはイエローカードになる。そう考えれば、決定的な得点機会の状況ではあるけれども、ボールにプレーしようとして結果的にトリッピングをしているので、ここはPKを与えてイエローカードの対象になるというのが正しい判定であると考える。


正しく判定を下すために必要なのはレフェリーのポジション。(キム・スンギュが)蹴るのをわかっていて、最終的にここまで(川崎陣内の中間ぐらい)まで来ているが、もう(小川が)倒れた後。(100mを)10秒9ぐらいのスピードを持っていれば(場内笑)、この瞬間に良い所から正しい判定ができたのかもしれないが、残念ながらそこまでのスピードは持っていない。そうなると、もう1つ正しい判定を下すために必要なことは副審との協力関係。レフェリーよりは近いし、副審の方がよりその事象を正しく見極められたはずなので。そこを見るために必要な準備もあって、副審も「レフェリーが離された」と思った瞬間に、「こういうことが起こるかもしれない」という予測を持って、タッチライン上を走ることも大事だが、これをより良い角度で見るためには少しラインより前に行くことも必要かもしれない。オフサイドはないシーンなので。本当に厳しい状況だが、我々はまだ改善点はあると考える。


(9)J1第11節
ジュビロ磐田×セレッソ大阪

主審:上村篤史 副審:聳城巧、清野裕介 第4の審判員:鈴木規志
【シーン】
44分...エリア内でボールを受けた松浦拓弥に丸橋祐介が後方から接触。松浦は転倒し、こぼれ球を山田大記がシュートするも、DFにブロックされる。
【ジャッジ】
主審はノーファウルと判断し、プレーオンとなった。
【上川氏の説明】
我々の見解はPK。レフェリーは笛を吹かなかった。映像で見ると、反則を受けた選手(松浦)は後ろを見て、相手(丸橋)が来るのを十分予測できていたと思う。ただ、ディフェンスのチャージは真後ろからで、止まることも十分できたと思うし、あの位置からボールにチャレンジすることはできないはず。そのままの勢いで後ろからプッシングをしており、PKが与えられるべき事象だったと考える。


レフェリーとも話をしたが、1つはポジションの問題もある。後ろにパスが下げられた時に、ここのプレーは予測できるはず。(レフェリーが)後ろに行くことで若干フォワードの選手(田口泰士)でブラインドになっている。反則だと思って口まで笛が行っているので、選手のリアクションも凄く大きかった。ただ、ボールが味方の競技者(山田)にこぼれたことと、もう1つは(松浦が)後ろを見ていて、十分に相手が来ることをわかりながら、そのまま待ち受けているという所もあって、若干PKをもらいに行った印象も持ったと。それもポジションが少し遠いのと、後ろに回ってハッキリ見えなかったと。そこから急いでダッシュして前には行っていたが、PKを吹くまでのしっかりとした確信が持てなかったと話をしていた。PKでノーカードが妥当と考える。


(10)J1第11節
ジュビロ磐田×セレッソ大阪

主審:上村篤史 副審:聳城巧、清野裕介 第4の審判員:鈴木規志
【シーン】
54分...杉本健勇の突破に大井健太郎と田口泰士が対応し、もつれる格好で三者がエリア内で転倒した。
【ジャッジ】
主審は大井のファウルと判断し、C大阪にPKが与えられた。
【上川氏の説明】
どう見てもファウルでPK。ただ、1つ前に紹介した事象と同じ試合で起きている。先ほどの方は吹かれていなくて、あれは前半の終わりで、これは後半に入ってから。一貫性があるのか、公平性があるのかという話になるのかもしれないが、レフェリーは前半のこともわかりながら、今度は確信をもって笛を吹いたと。凄く良いポジションからリラックスして見えている。(大井は)相手の前に体を入れて、ボールにプレーしようとはしていない。体を入れるのであれば、ボールはプレーイングディスタンスの中に置かなくてはいけないと考える。相手の動きを妨げるという意味でPKは正しい。前半の判定のことはあるが、それはそれで、ここで笛を吹いたことは評価したい。


この後にファウルした選手が、レフェリーの所に向かって、両手でレフェリーの胸を押している。これは認められる行為ではないし、レフェリーがどう感じるかだが、映像で見る限りではレフェリーに対する乱暴な行為だと考えられる。もちろん前半のことがあるのは理解できるが、判定に対して大勢の選手が1人のレフェリーを囲んで不満を示すのは、見ていても見苦しいし、Jリーグのイメージを損なうと考えている。


(11)J1第15節
名古屋グランパス×柏レイソル

主審:山本雄大 副審:唐紙学志、清水崇之 第4の審判員:岩田浩義
【シーン】
90+4分...畑尾大翔のパスからジョーが抜け出し、GKの中村航輔と接触しながらゴールを決めた。
【ジャッジ】
副審はジョーのオフサイドと判断し、フラッグを上げていたため、主審もオフサイドとジャッジ。
【上川氏の説明】
中村選手が負傷してしまったシーン。負傷とは直接的に関係はないが、副審の旗が上がっている。これはもう事実の確認で、オフサイドではない。(ジョーも)最初はオフサイドポジションにいる。オフサイドポジションにもう1人(深堀隼平)いるが、相手競技者のプレーや視野を妨げるような動きはしていないので、オフサイドではない。あとはこの選手(ジョー)がオフサイドポジションにいるかどうか。そんなに簡単な判定ではないが、体1個分であれば副審の方なら正しく見極めないといけない。


なぜ正しく見極められなかったのかは、やはりポジショニング。このポジションからだと(ジョーが)出ているように見えてしまうはず。レフェリーも予測を立てながら行くが、ボールが蹴られた時に(ディフェンスラインが)下がっていくものだと思っていた。ラインをどうやってキープするかは予測を持ちながらやるが、常に集中しながら、正しいポジションからオフサイドかどうかを監視しなくてはならない。最後の最後のプレーだったので、(ゴールが)入っていれば3-3で終わった試合だった。


(12)J1第12節
川崎フロンターレ×浦和レッズ

主審:木村博之 副審:村上孝治、蒲澤淳一 第4の審判員:清水勇人
【シーン】
70分...興梠慎三のフィードにナバウトが抜け出すと、エリア外に飛び出したチョン・ソンリョンのタックルでナバウトが転倒。
【ジャッジ】
主審はチョン・ソンリョンのファウルと判断し、レッドカードを提示。浦和にフリーキックが与えられた。
【上川氏の説明】
実際の試合でも退場になっているが、FK+退場が正しい。いろいろな見方ができる中で、キーパー(チョン・ソンリョン)が出て行って、ややプレーは外側で行われているが、プレーの方向は相手のゴール側であるのは事実。ボールも赤の選手(ナバウト)がしっかりコントロールできている。もう(ゴールには)ゴールキーパーがいない状態で、ディフェンスは1人真横にいる(奈良竜樹)。この場面だけで考えると、十分にボールをコントロールして、ドリブルをし直してもディフェンスと1対1の状況だと考えれば、例えばディフェンスをかわせばキーパーと1対1になる状況を阻止するなら、決定的な得点機会の阻止になるし、この状況も同じようにキーパーをかわしてもディフェンスが戻ってくるかもしれないが、1対1の状況、あるいは誰もいないゴールにシュートを流すことも十分に可能だと考える。なので、決定的な得点機会を反則で阻止したというレフェリーの判断は正しい。


もう1つは反則のチャレンジ。このチャレンジは、非常にスピードを伴ってゴールキーパーが走り込んできて、ボールにプレーすることなく、相手にそのままのスピードを使って強くチャージをしている、蹴っていると考える。その観点からも著しく不正なプレーで退場ということも考えられる事象。2つ退場を示すことはできないが、我々の見解は決定的な得点機会の阻止でもあり、反則の質も過剰な力が使われていると考えられる。


【ゲームマネジメント】
(13)J1第9節
サンフレッチェ広島×サガン鳥栖

主審:小屋幸栄 副審:馬場規、小椋剛 第4の審判員:イ・サンギ
【シーン】
90+5分...吉田豊のバックパスにティーラシンが反応し、そのままゴールを決めた。
【ジャッジ】
ゴールの直前に試合終了の笛が吹かれていたため、ノーゴールに。
【上川氏の説明】
95分で広島が1-0でリードしている状況。4分のアディショナルタイムが取られていて、競技規則上は4分を越えているので問題はない。ただ、笛を吹いた後にゴールが入っているが、吹くタイミングはもう少し待つべき。広島もリードしているし、鳥栖の選手(吉田)がボールコントロールをミスするとも思っていなかったかもしれないし、笛が鳴っているからGK(権田修一)がプレーを止めた部分もあるかもしれない。ただ、ゲームマネジメントを考えれば、この状況で笛を吹くのではなく、もう少し待つべきだったとは思う。


(14)J1第9節
ガンバ大阪×セレッソ大阪

主審:飯田淳平 副審:唐紙学志、武田光晴 第4の審判員:浜本祐介
【シーン】
10分...東口順昭と三浦弦太が激突して転倒するも、プレーは続行。柿谷曜一朗のシュートを東口がファインセーブで凌いだ後で主審がゲームを止めた。
【上川氏の説明】
負傷者の対応ということで、審判員には「とにかく選手の安全を優先しましょう」と指導はしている。東口選手がケガをした所で、レフェリーも見てはいるが、あの状況でプレーすることの危険さは考えたい。レフェリーはC大阪の選手にボールがこぼれたので、大きなチャンスだとプレーを続けさせたが、頭に直接当たるプレーだったし、両方ともボールしか見ていないので、力を入れられない状態。こういう時はすぐに止めたい。タイミングを失うとすぐ吹けなくもなるので。


(15)J1第9節
清水エスパルス×FC東京

主審:窪田陽輔 副審:今岡洋二、村上孝治 第4の審判員:田中利幸
【シーン】
82分...清水の2選手が接触し、共に立ち上がれない状況に。
【上川氏の説明】
味方同士で接触し、ゴールエリアの中で倒れている。レフェリーは気付いてはいたが、ボールが攻撃側の選手に渡っているのでプレーを続けた。もしこのまま続けて、エスパルスがゴール前にクロスを上げたら、また大変なことになる。倒れている選手の二次災害に繋がることもあるし、その選手がいることで混乱を招くことも考えられるので、特にゴール前で倒れているのであれば、早くゲームを止めて選手の安全を優先したい。


今回も非常に勉強になりました。
皆さんがJリーグを楽しむ上での一助になれば幸いです。


土屋

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