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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年05月28日

インターハイ東京1回戦 修徳×堀越@駒沢補助

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0526komazawa1.JPG東京を代表する名門が初戦でいきなり激突。9度の全国出場を誇る修徳と、4度の全国出場経験を有する堀越の対峙は駒沢補助競技場です。
関東大会予選は結果的にファイナルまで躍進した駿台学園に、初戦で0-4とまさかの大敗を喫し、インターハイは支部予選からの登場を強いられることに。それでも今大会は、その支部予選を4-0と7-0で抜け出すと、一次トーナメントも成城を7-0、関東大会予選で躍進した大森学園にも7-2と大勝を収め、二次トーナメントへと勝ち上がってきた修徳。「入学してから二次トーナメントは来たことがなかったので初めてなんです」と明かすのは横須賀郁哉(3年・バリエンテオンセFC)。6年ぶりとなる夏の全国を視野に捉えつつ、まずは大事は初戦に向かいます。
こちらも関東大会予選は初戦で大森学園に1-3と敗れ、T2リーグでも3連敗スタートと悔しいシーズンの立ち上がりとなった堀越。ただ、雪辱を期すインターハイ予選は、まず2試合15得点という結果で支部予選を勝ち抜き、一次トーナメントでも都立野津田に9ゴールを浴びせ、9-2で大勝すると、拓大一にも2-0で競り勝って二次トーナメントまで。ユニフォームも一新して挑むこのゲームは、今シーズンのチームにとっても大事な80分間です。会場の駒沢補助は両チームの応援団も含め、かなりの大入り。修徳のキックオフで注目の一戦はスタートしました。


ファーストチャンスは1分の修徳。左からサイドバックの伊東紀行(3年・アーセナルSS市川)がロングスローを放り込むと、ここは堀越の左サイドバックに入った井原祐貴(3年・田口FA)がクリアしましたが、まずはセットプレーで相手ゴール前へ。4分には刑部泰生(3年・アミーゴFC)とのワンツーで、右サイドを崩した松林空(3年・船橋宮本中)のクロスに、ファーで村山大翔(3年・両国FC)が合わせたヘディングは枠の右へ外れるも、流れの中からもフィニッシュを。7分にも内沢海大(2年・SKオンゼFC)の右FKから、こぼれを叩いた伊東のミドルはゴール右へ逸れたものの、修徳が続けて手数を繰り出します。
ただ、10番を背負う古澤柊磨(3年・S.T.FC)がコネクターとして上手くボールを受けつつ、堀越にも少しずつボールを動かすリズムが。10分には昨シーズンからレギュラーを務める米田悠哉(3年・JACPA東京FC)が右CKを蹴り込むと、ワントラップから友野謙信(3年・北区赤羽岩淵中)が放った決定的なシュートはクロスバーを越えてしまいますが、挽回のチャンスは16分。再び米田が蹴ったCKに、力強く合わせたのはまたも友野。ボールはゴール右スミへ飛び込みます。2度目のチャンスはきっちり成果に。堀越が先にスコアを動かしました。
さて、追い掛ける展開となった修徳ですが、「セットプレーは今年強いんだよ」と岩本慎二郎監督も認める、そのリスタートからチャンスを。18分に伊東のロングスローから、こぼれを打ち切った石崎皓大(3年・柏ラッセルFC)のシュートはクロスバーを越えるも好トライ。20分に内沢が入れた右FKはDFのクリアに遭ったものの、22分に今度は左サイドでFKを獲得すると、キッカーの内沢はピンポイントで中へ。ここへ突っ込んだ横須賀のヘディングが揺らしたゴールネット。「ああいう形は練習していたので、うまく練習通りに行った感じです」と笑うセンターバックの同点弾。両者の点差は霧散します。
続けてのチャンスは修徳。25分に左サイドで獲得したCKを内沢が蹴るも、跳ね返した堀越はここからカウンター発動。武川光軌(3年・AZ'86東京青梅)が右へ流すと、全速力で飛び出した右サイドバックの滝田孟弘(3年・JFC FUTURO)は、そのまま自らドリブルでグングン運びながら右足一閃。ボールはゴール左スミへ鮮やかに飛び込みます。パーフェクトなカウンターの完結は22番の一撃で。またも堀越が1点のリードを手にしました。
再びビハインドを負った修徳は、30分に絶好の同点機。伊東の左FKはフリーの松林の前にこぼれるも、シュートは枠を越えてしまい、頭を抱えるピッチとベンチ。32分は堀越。左寄り、ゴールまで約25mの位置から米田が蹴ったFKはクロスバーの上へ。38分は修徳。ゴールまで25m強の距離で得た左FKを、内沢が直接狙うも枠の上へ。40+1分も修徳。伊東の左ロングスローは友野が跳ね返し、1年生センターバックの高橋港斗(1年・柏レイソルU-15)が叩いたミドルはゴール右へ。「前半は正直相手のペースに飲まれて、自分たちの良さがあまり出せなかったと思います」とは松林。堀越が1点のアドバンテージを握って、最初の40分間は終了しました。


ハーフタイムにいつも以上の喝を入れていた岩本監督は、後半スタートからの交替を決断。前半早々に負傷しながら、ピッチに戻っていた期待のルーキー大森博(1年・修徳中)を諦め、「守備の所では頼りになるからね」という辻秀馬(2年・SKオンゼFC)をそのままボランチへ送り込み、狙う同点とその先。
後半最初のチャンスは堀越。42分に右から米田がFKを蹴り入れ、センターバックの伊藤優喜(3年・小山中)がこぼれに詰めるもオフサイドの判定。47分は修徳。右サイドバックの川島大輝(1年・ジョカーレFC)が左足でクロスを送り、ニアに松林が飛び込むも、堀越のGK宮崎拓真(3年・JACPA東京FC)が果敢にキャッチ。54分は修徳。左サイドの高い位置でボールを奪った村山が折り返し、刑部が走り込むも伊藤がきっちりタックルでクリア。魚崎由暉(2年・三菱養和調布JY)と伊藤で組む堀越のセンターバックコンビは、最後の局面で粘り強く体を張り続けます。
その流れからの左CK。内沢が蹴ったボールは宮崎がパンチングで回避するも、ゴールラインを割って逆側のCKへ。今度は右のアークから伊東が得意の左足を振るうと、ファーに突っ込んだ内沢のヘディングは左スミのゴールネットへ吸い込まれます。時間は55分。「今年は『フリーキック、コーナーキックを取れれば、点が取れるんじゃないか』っていうのは、今までと違ってあるからね」と指揮官も自信を口にするコーナーキックからの一撃で、スコアは振り出しに引き戻されました。
一気呵成。57分に訪れた絶好の逆転機。修徳は右サイドでパスを繋いだ流れから、石崎がおしゃれなヒールフリックを繰り出すと、抜け出した松林はGKと1対1に。「キーパーを最後まで見て流し込みました」というシュートは、右スミのゴールネットへ確実に転がり込みます。ハーフタイムは名指しでの叱責を受け、「それで自分に喝が入って、後半は気合い入れました」という7番のゴールには、「もともと速いんだし、やる気になればいいんだよ」と岩本監督も笑顔で評価。修徳が3分間で逆転に成功します。
58分にも刑部のラストパスに反応し、松林がチャンスを迎えましたが、宮崎が飛び出してキャッチし、難を逃れた堀越はこのゲームで初めて1点を追う展開に。58分には古澤がスルーパスを送り、前半から存在感を見せていた三根碧斗(3年・あきる野東中)が、右へ流れながらシュート気味に上げたクロスは流れてファーへ。右の武川、左の水野洸(3年・田口FA)のサイドハーフに、1.5列目の古澤、最前線の三根と、ポイントはある程度創れる中で、フィニッシュが取り切れません。
65分は修徳。内沢の右FKから、こぼれを狙った松林のミドルは枠の上へ。69分は堀越。伊藤が決死のオーバーラップでCKを獲得すると、左から米田が入れたボールに伊藤が飛び付くも、修徳のGK下田響生(3年・順蹴FA)がきっちりキャッチ。71分も堀越。左から伊藤がクロスを上げ切り、武川を経由したボールは友野もシュートを打ち切れず。71分も堀越。左サイドをドリブルで運んだ水野は、そのままシュートまで持ち込むも、ここは下田が丁寧にセーブ。その左CKを米田が蹴り込むも、伊藤のヘディングは枠の右へ。伊藤が勝利への執念を前面に押し出すものの、なかなか届かないゴール。
修徳が取り掛かるゲームクローズ。72分には2人目の交替として、左サイドハーフの村山と栗崎豪流(3年・フレンドリー)をそのまま入れ替え、サイドの好守にテコ入れを図りつつ、78分には刑部と松本拓巳(2年・三郷JY)もスイッチして、逃げ切り態勢に。78分には相手のフィードを内沢がヘディングで跳ね返すと、松林が抜け出しましたが、ドリブルシュートは宮崎がファインセーブで応酬。1点差のままで、ゲームは2分が掲示されたアディショナルタイムへ。
80+1分に堀越へ到来したラストチャンス。右サイドで得たFK。スポットに立った米田は丁寧にボールを蹴り入れ、密集からこぼれたボールを井原は利き足の左でボレーで叩くと、水野がコースを変えた軌道は枠を捉えるも、何とか反応した下田のファインキャッチで万事休す。「『絶対負けられないな』というのはずっと思っていたので、本当に逆転できて良かったです」と横須賀も安堵の表情を浮かべた修徳に凱歌。2週間後に開催される2回戦へと駒を進める結果になりました。


「堀越もこの間より5割増くらいだったね。15番がやるのはわかっていたけど、10番と14番も良かった。この間の拓大の時はのらりくらりしてたんだけど、野津田の時に結構良かったから『イヤだな』と思ってたんだけど、前半はそれに押されちゃって。後半はある程度競り合いに勝てるようになってからは、こういうゲームになったけどね」と岩本監督も話したように、どちらが勝ってもおかしくない好ゲームは名門対決にふさわしい内容。見応え十分の80分間でした。ただ、勝ったのは修徳。今年のチームの特徴を「技術力がある中で、修徳の良さである運動量とか体を張ることとか球際とかも十分あると思います。チームワークも良いし、仲も良いので」と語った松林は、「合宿所にも"全国出場"っていう目標を今年から張って、気合いというか、目標を再確認できるような感じにしていて、『東京の古豪から強豪に』というのを今年はテーマにしています」ときっぱり。"強豪復活"へ。修徳の進撃はまだまだ続きます。      土屋

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