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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年04月06日

T2リーグ2018第3節 早稲田実業×FC町田ゼルビアユース@駒沢第2

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0403komazawa3.JPG3月に開幕を迎えたT2リーグは今節で3試合目。昇格組同士の早稲田実業とFC町田ゼルビアユースが対峙する一戦は、駒沢第2球技場です。
昨シーズンのトーナメントコンペティションは関東大会予選、インターハイ予選と共にベスト8まで辿り着き、選手権予選こそ東京朝鮮にPK戦で敗れたものの、一定の成果を打ち出すと、T3リーグでは7勝2分けと無敗でブロック優勝を達成し、5年ぶりにT2の舞台へ帰ってきた早稲田実業。そのT2では東京朝鮮に開幕戦で0-3と返り討ちに遭いながら、第2節では駒澤大学高(B)に2-1で競り勝って、シーズン初勝利を獲得。連勝を目指して今節の90分間に臨みます。
2015年シーズンに初めてTリーグに参戦すると、カテゴリーを着々と上げながら、昨シーズンは9戦全勝でT3ブロック優勝を果たし、初めてのT2へ殴り込みを掛けているFC町田ゼルビアユース。東京ヴェルディユースやFC東京U-18との対戦を経験した、クラブユースの新人戦に当たる"東京都CY選手権"でも、3位決定戦で西が丘のピッチに立つなど、今シーズンも期待値は大。「守って勝つんじゃなくて、自分たちで主導権も握りながら勝っていきたいと思います」と言い切るのはストライカーの齊藤滉(3年・コンフィアール町田)。ここまでリーグ戦は1勝1敗。白星先行を懸けて大事なゲームに挑みます。午後に入っても駒沢のスタンドにはサッカー好きが集結。楽しみなカードはゼルビアのキックオフでスタートしました。


あっという間の先制点は3分のゼルビア。右サイドで前を向いたキャプテンの鈴木舜平(3年・FCトッカーノ)がミドルを放つと、枠を捉えたボールは早実のGK山崎泰斗(2年・浦和レッズJY)もファインセーブで掻き出しましたが、きっちり詰めていた金澤空(2年・FC町田ゼルビアJY)がゴールネットへ蹴り込みます。「舜平君が『ファーに打つな』と思って、『良い位置に行ったらキーパーがこぼすかな』と思ったので、ここに来るかなという感覚で入りました」という2年生アタッカーの光った嗅覚。ゼルビアが早くも1点のリードを奪いました。
いきなりビハインドを負った早実も、8分にはセットプレーのチャンス。亀井英志(3年・早稲田実業中)のドリブルで得たFK。やや左寄り、ゴールまで約25mの位置からキャプテンの鈴木俊也(3年・FC東京U-15深川)が、得意の左足で右スミへ蹴り込んだキックはゼルビアのGK市橋知弥(3年・FC町田ゼルビアJY)がファインセーブで応酬。同点とは行きません。
すると、次の得点を手にしたのもゼルビア。9分に右サイドでボールを受けた金澤は、「一発目でトラップでうまく剥がせて、前にスペースがあるのは見えたので、これは仕掛けるしかないなと思って」そのままエリア内までドリブルで侵入すると、マーカーはたまらずファウル。ゼルビアにPKが与えられます。キッカーの佐藤陸(3年・FC町田ゼルビアJY)が左へ蹴ったボールは、飛び付いた山崎もわずかに及ばず。両者の点差は2点に広がりました。
「前半の立ち上がりは自分たちの練習してきた形がうまく出た」と金澤も振り返ったように、止まらないゼルビアの勢い。18分にも鈴木舜平のパスから齊藤が狙ったミドルは、山崎がファインセーブで凌いだものの好トライを見せると、24分にも2トップの連携で決定機。鈴木舜平が粘って残したボールを、齊藤は丁寧にスルーパス。抜け出した前田陸斗(2年・FCトレーロス)が飛び出したGKを見極めながら、少し浮かせたボールは綺麗にゴールネットへ吸い込まれます。このシュートには「昨日練習した形で『コレ本番でできるの?』みたいな感じのことを試合でやれたのは、まさに実行力が上がっている証拠だと思います」と普段は厳しめの竹中穣監督も高評価。ゲームは予想外の差が付いてしまいます。
さて、3点を追い掛ける展開を強いられた早実。30分には右に開いた橋山航輔(3年・横浜F・マリノスJY)がサイドをえぐって中央へ折り返すも、ここはよく戻った金澤にクリアされましたが、ようやく38分にはまず一矢。左サイドで得たCKを小松寛太(2年・三菱養和巣鴨JY)が蹴り込むと、ファーに流れたボールを鈴木俊也は中へリターン。飛び込んだ橋山のシュートはゴールネットへ到達。スコアは3-1に変わりました。
この得点前後に早実はベンチから指示が飛び、布陣を3-4-1-2から中盤ダイヤモンドの4-4-2に変更したことで、全体のリズムに落ち着きが。42分にも、最終ラインから中盤に上がった高橋一真(3年・Forza'02)を起点に小松が右へ振り分け、橋山のクロスに小松が合わせたシュートはゼルビアの右サイドバックを務める北野拓海(3年・コンフィアール町田)が体でブロックしたものの、きっちりチャンスを創出。ゼルビアも43分にはセンターバックの杉本裕哉(2年・東急SレイエスFC)が右へフィードを送り、北野のクロスに齊藤が枠へ飛ばしたヘディングは山崎がファインセーブで回避。双方で4つのゴールが生まれた前半は、ゼルビアが2点をリードして45分間が終了しました。


ハーフタイムに早実は2枚替え。左サイドバックの樋爪悠人(2年・江東深川第四中)と右サイドハーフの大橋優貴(3年・ヴィテス福岡FC)に替えて、ルーキーの阿蘇谷大地(1年・横浜F・マリノスJY追浜)と植村竜也(2年・東京セゾンFC)をそのままの位置に送り込み、さらなる攻守のバランス向上に着手して、セカンドハーフへ向かいます。
47分はゼルビア。左サイドからドリブルで運んだ齊藤のシュートはゴール左へ。51分もゼルビア。この日は左サイドハーフに入った野呂光希(3年・ウイングス鹿沼)がルーズボールを収め、そのまま放ったミドルは枠の右へ。57分は早実。高橋が短く付け、橋山が右から中へ戻すと、小松が少し持ち出して打ったシュートは市橋がキャッチ。お互いに手数は繰り出すも、金澤が「相手がフォーメーションを変えてきて、それにうまく対応できなかったかなという感じはしますね」と振り返った通り、早実も上村の推進力を後ろ盾に押し戻したパワー。
58分はゼルビアに1人目の交替。野呂を下げて、大塚拓哉(3年・横浜FC JY)がピッチへ送り込まれると、65分にはビッグチャンス。北野のパスを受けた金澤はスルーパスを通すも、右サイドを抜け出した前田のシュートはわずかに枠の左に逸れ、ダメ押しとは行かず。一方、67分に右から吉岡直輝(3年・浦和レッズJY)が蹴り込んだFKも市橋にキャッチされた早実は、69分に3枚目のカードとしてアイクソエ怜生オーエンス(1年・大宮アルディージャJY)をピッチへ解き放ち、一気に傾きつつある流れを掴みに掛かります。
70分は早実。阿蘇谷のパスを引き出した橋山は、マーカーを外して左クロス。小松のダイレクトシュートはゴール左に外れ、シューターは頭を抱えましたがサイドを崩し切ってフィニッシュまで。73分はゼルビアも2人目の交替を。北野と塩澤拓馬(2年・FC栃木)をスイッチして、サイドの好守にテコ入れを。さらにゼルビアは75分に佐藤が、78分に甲斐稜人(2年・FC町田ゼルビアJY)がそれぞれ右からFKとCKを蹴り込むも、シュートには至らず。逆に79分は早実もセットプレーのチャンス。右サイドバックの佐久間大地(2年・ラッセル郡山)を起点に、アイクソエのドリブルで右CKを手にすると、鈴木俊也が蹴った鋭いキックはクロスバーを直撃し、こぼれに飛び付いた阿蘇谷のシュートは杉本が執念でブロック。「相手が形を変えたら、もう全然スペースに入れなかった」とは竹中監督。ゼルビアは最終ラインこそ杉本と小山田賢信(2年・FCトッカーノ)のセンターバックコンビを軸に、粘り強く相手のアタックを凌いでいく中で、攻撃は失ったリズムを引き戻せません。
81分はゼルビアに3人目の交替。齊藤と青木拓洋(3年・FC Consorte)を入れ替え、図るディフェンスの安定。82分は早実。左から小松が入れたFKは、入ったばかりの青木が的確にクリア。83分はゼルビア。前田とのワンツーから、前を向いた大塚のシュートはクロスバーの上へ。85分は早実。右から鈴木俊也が蹴ったFKは、鈴木舜平が気合のクリア。その右CKも鈴木俊也が蹴り込みましたが、ゴールラインを割ってしまい、天を仰ぐキャプテン。87分は早実に4人目の交替。ボランチで奮闘した奥野開(2年・東京セゾンFC)と永瀬祐(2年・エスペランサFC)をスイッチして、最後の勝負に。アディショナルタイムは長めの6分。ゲームはいよいよ最終局面へ。
90+1分はゼルビアのセットプレー。レフティの甲斐が右から蹴ったCKは、シュートまで至らず。90+4分は早実のチャンス。前線へ上がっていた鈴木俊也が右のハイサイドでボールを奪い切り、中に入れたクロスはわずかに橋山と合わず。90+6分も早実。今度は左サイドで鈴木俊也が粘って残し、上げたクロスに小松が合わせたシュートは、寄せた甲斐が体できっちりブロックすると、これがこのゲームのファイナルシュート。「T2は苦しいですね。簡単なゲームは1つもないですし、自分たちがやりたいこともうまく行かないことだらけの中で、今日で言えば勝ててなお反省できたことが凄くポジティブ」とは竹中監督。ゼルビアが立ち上がりの3ゴールを生かした格好で、勝ち点3を積み上げる結果となりました。


この日の主役は「ドリブルが得意なので、持ったら仕掛けていこうという想いで試合に入って、それがうまく出せたかなという感じです」と笑顔を見せた金澤。1ゴール1PK獲得の活躍に、竹中監督も「ドリブルできればいいという子だったんだけど、それがどう相手を動かして、自分がドリブルを始めるかという所が少しできるようになって、アイツの所で少しプレーが完結できるようになってきたので、凄く良くなっていると思います。凄くポジティブにサッカーを捉えられているので、彼を使わない理由は今はないですね」とその成長に言及していました。先日はトップチームの練習にも参加したことで、「『まだまだ全然だな』『まだまだ足りないな』って思いました。ドリブルで剥がせる所はあるんですけど、剥がした後にトップの選手は体が強くて、すぐに潰されちゃったので、そこをしっかり剥がせるようになるために、体幹とかにも意識して取り組んでいきたいなと思いました」と想いも新たに。「個人では毎試合波がないように、どんな試合でもよいプレーができるようにいつも心掛けてやっていきたいですね。良い時と悪い時の差をなるべくなくして、悪い時でも最低限自分の役割はやりたいなと思っています」というキレキレ系ドリブラーの今後にも要注目です。        土屋

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