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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年04月06日

T1リーグ2018第3節 帝京×成立学園@駒沢第2

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0404komazawa1.JPG共に開幕連敗を喫し、何とか勝ち点3を掴みたいチーム同士の激突。帝京と成立学園の『十条ダービー』は駒沢第2球技場です。
開幕戦は押し込む時間も長く創りながら、関東第一に0-1で惜敗。第2節もFC東京U-18(B)に終盤の失点で0-1と敗れ、開幕2連敗スタートとなってしまった帝京。とはいえ、シーズン前も他チームからの評価は高く、今年は勝負の懸かったシーズン。来週から始まる関東大会予選を考えても、早めに勝利を手にしておきたいタイミングでこのゲームを迎えます。
こちらは駒澤大学高とぶつかった開幕戦で、PKでの失点を許して0-1の敗戦。「ボールを持たされた感じがあって、ビルドアップで自滅した」と五十嵐和也監督も振り返った第2節は、東京武蔵野シティFC U-18に0-4で大敗を喫し、帝京同様に開幕2連敗を突き付けられた成立学園。「1節と2節はベンチから見ていてもみんな結構緊張していて、いつも通りの動きができていなかった」と話すエースの窪田稜(3年・S-P FUTE U-15)もスタメンに名を連ねた今節が、今後の浮上を占う意味でも重要な90分間であることは間違いありません。駒沢には午前中から夏を思わせるような強い陽射しが。注目のダービーは帝京のキックオフで幕が上がりました。


序盤はセットプレーで窺う両ゴール前。5分は帝京。10番を背負う佐々木大貴(3年・FC東京U-15むさし)の左CKは、成立のGK大野来生(2年・伊勢ソシエタFC)がパンチングで凌ぐと、一転して成立のカウンター。八木橋俊介(3年・青森山田中)のドリブルシュートはDFにブロックされたものの、見応えある攻防を。6分は成立。右CKをレフティの原豪汰(3年・三菱養和調布JY)がインスイングで蹴り込んだボールは、DFがクリア。14分も成立。今度は左CKを原がアウトスイングで蹴り入れ、ここもこの日はセンターバックでスタートした帝京のハイタワー赤井裕貴(3年・FC東京U-15むさし)に跳ね返されましたが、まずはCKからチャンスを繰り出し合います。
15分は成立。右から八木橋が上げたクロスに、飛び込んだ吉長真優(2年・FC府中)のヘディングはゴール左へ。16分も成立。今度は右サイドバックの豊田優磨(2年・成立ゼブラFC)がオーバーラップからクロスを上げ切り、窪田のヘディングは枠の上へ。20分は帝京。梅木遼(3年・ミラグロッソ海南)の突破で得た右CKを三浦颯太(3年・FC東京U-15むさし)が流し込み、久保莞太(3年・横浜F・マリノスJY)が頭で残すも、大野が素早くキャッチ。21分も帝京。中央を単騎で運んだ佐々木のミドルはクロスバーの上へ。やり合う両者。
23分は成立。八木橋が左へサイドを変え、吉長の落としを原がクロスまで持ち込み、こぼれを叩いた大田弘量(3年・成立ゼブラFC)のシュートは帝京のGK白鳥俊介(3年・板橋高島第二中)がキャッチ。24分は帝京。ボランチの中村怜央(3年・FC東京U-15深川)が裏へ落とし、走った佐々木のシュートはヒットせず、大野が丁寧にキャッチ。成立は前節から修正したビルドアップに関しては、キャプテンマークを巻く照山颯人(3年・柏レイソルU-15)と西尾将吾(3年・TODA GRAMADO NFC)で組むセンターバックの間に、ボランチの宇津木優人(2年・柏レイソルU-15)が落ちて、ボールを動かすスタイルで時間を追うごとに安定していったものの、「思い切ってスペースを意識した攻撃ができなかった」(五十嵐監督)こともあって、手数自体は繰り出し切れず。徐々にゲームリズムは帝京へ。
カナリア軍団のラッシュ。38分は三浦、佐々木とボールを繋ぎ、中村が狙ったミドルはクロスバーの上へ。41分にも中村を起点に三浦が右へ振り分け、梅木の折り返しを萩原颯都(3年・FC東京U-15むさし)が打ったシュートはDFがきっちりブロック。その右CKを三浦が蹴り込むも、赤井のヘディングは枠の左へ。45分はFKのチャンス。中央から三浦が放り込んだキックはDFにクリアされましたが、前半は徐々に三浦と中村のドイスボランチがボールを握り、右の梅木が躍動した帝京がペースを引き寄せつつ、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半最初の決定機は成立。49分に左から後藤樹(3年・成立ゼブラFC)が上げたクロスを、収めた吉長は丁寧に落とし、フリーの窪田が放ったシュートは「ファーに流し込もうとしたんですけど、芝を蹴っちゃって」ゴール右へ外れると、直後の先制弾は帝京の10番。51分に高い位置でボールを奪った佐々木は、エリア内に入って少し持ち出しながらも右足一閃。ボールは左スミのゴールネットへ突き刺さります。カナリア軍団を牽引するエースがきっちり一仕事。帝京がスコアを動かしました。
52分にも左サイドバックの仙道平雅(3年・KSCウェルネス)が果敢なインターセプトから、ゴール左へ外れるミドルにトライするなど、好リズムの帝京に対し、成立は56分に1人目の交替を。後藤に替えて、高木健匠(3年・横浜F・マリノスJY)を送り込み、八木橋を中央にスライドさせながら、高木を右に配してサイドの推進力向上に着手すると、61分には高木の突破から右CKを奪い、原のキックは赤井にクリアされたものの、1つ意図したサイドアタックからチャンスの芽が。
63分は帝京。三浦と仙道の連係で左CKを奪い、佐々木のキックを大野が弾き出すと、三浦の右足ボレーは枠の上へ消えるも、積極的なシュートチャレンジ。64分は成立にビッグチャンス。ミドルレンジに侵入した八木橋の左足シュートはDFに跳ね返り、再び八木橋が左スミを突いたミドルも白鳥のファインセーブに阻まれましたが、直後の「大きい選手が付いていたので『低めで行こう』と思って、速いボールを蹴った」という原の左CKは、エリア内で帝京ディフェンスのハンドを誘発。主審はペナルティスポットを指し示します。キッカーは窪田。短い助走から右を狙ったキックはポストの内側を叩いて、逆のサイドネットへ何とかグサリ。「後半の一発目をどフリーで外したら先制されちゃって、PKもうまく当たらなくて、読まれていたので『外しちゃったかな』と思ったんですけど、入って良かったです」とエースも一安心の同点弾。スコアは振り出しに引き戻されました。
追い付かれた帝京は67分に1人目の交替。最前線の福澤吉記(3年・ナサロット)を下げて、石川航大(2年・鹿島アントラーズつくばJY)を投入すると、続けて69分には2人目のカードとして梅木と入澤大(3年・FC東京U-15深川)もスイッチ。72分に照山のパスから八木橋が左へ振り分け、吉長のクロスに八木橋が届かなかったシーンと、直後に宇津木のスルーパスから高木の折り返しが中と合わなかったシーンを経て、73分には3人目の交替も。仙道と鷲田優斗(3年・FC町田ゼルビアJY)を入れ替え、勝ち越しへの意欲をピッチ上へ落とし込みます。
それでも、「後半はパワーをゴール前に掛けられたかなと思います」と五十嵐監督も言及した、成立の勝利への執念はアタックの手数へ。75分に左サイドから八木橋が打ったミドルは白鳥にキャッチされ、76分に豊田が叩いたミドルは枠の上に外れましたが、79分のチャンスはFK。左寄り、ゴールまで約25mの位置。スポットに立った原が得意の左足を振るうと、右スミへ向かったボールは白鳥もよく触ったものの、そのままゴールネットへ飛び込みます。「あのコースは結構得意なコースだったので、思い切って狙ったら入ったので良かったです」と笑ったレフティは2ゴールに絡む大活躍。成立がスコアを引っ繰り返しました。
一気呵成。80分に照山のパスから、宇津木が枠へ収めたミドルは白鳥が懸命にセーブ。81分には原の右CKを白鳥がパンチングで掻き出すも、八木橋が残し、高木のヘディングは枠の上へ。82分にも大田が右へ展開し、窪田のクロスに八木橋が当てたボレーは、帝京の右サイドバックを務める塩入颯斗(3年・横河武蔵野FC JY)が体でブロック。83分にも原の右CKから、宇津木が放ったミドルは白鳥がキャッチ。84分にも右サイドを抜け出した豊田のフィニッシュは、白鳥がビッグセーブ。守護神の白鳥奮戦も押し込まれる帝京。押し込み続ける成立。
試合を決めたのは「割と攻撃に絡める選手で、凄く面白いなと思っています」と指揮官も期待を寄せる2年生アタッカー。90分に左サイドでドリブルを開始した吉長は、少し運びながらコースを突いた冷静なフィニッシュ。ボールは右スミのゴールネットへをきっちり捉えます。「チームとしては2連敗で、得点も今までなかったので、今日は3点取れましたし、1点は取られちゃったんですけど、守備陣が頑張ってくれていたので、チームとしては良かったと思います」と窪田も笑顔を見せた成立が、逆転でリーグ初勝利を手繰り寄せる結果となりました。


「3連敗していたら家に帰れなかったと思いますよ」と苦笑しながら、「でも、1つ勝ったことで自信になったんじゃないですかね」と話したのは五十嵐監督。「昨日も試合前なんですけど紅白戦で確認して、積み重ねてきてはいるんですけどね」とその指揮官が続けたように、この時期はいろいろな意味で"積み重ね"が重要なタイミングではあるものの、なかなか結果が出なかった中で、週末に控える関東大会予選に向けても、この1勝が大きな成果であることは疑いようがありません。また、「今年は去年以上にマークも厳しくなると思うんですけど、それを掻い潜って、去年以上に点を取って、インハイと選手権全部に自分が導けたらと思います」と言い切るエースの窪田にゴールが付いたことも、今後に向けての好材料。ゼブラ軍団の2018年シーズンがようやく動き出しました。       土屋

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