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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年04月04日

T1リーグ2018第3節 駒澤大学高×実践学園@駒沢第2

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0403komazawa1.JPG一昨年度の選手権王者と昨年度の選手権王者の激突。駒澤大学高と実践学園のスプリングマッチは、おなじみの駒沢第2球技場です。
昨シーズンはインターハイ予選で実践学園に屈し、ベスト8敗退を強いられると、選手権予選ではまさかの初戦敗退。「去年1年間で『優勝するというのは簡単じゃないな』と。当たり前のことじゃなくて、『そこに辿り着くまでが大変なことなんだな』と思いました」と大野祥司監督が振り返ったように、3年連続の全国出場を逃す悔しいシーズンとなった駒澤大学高。迎えた今シーズンは「去年も後期のリーグ戦はほとんど1、2年でやっていた」(大野監督)ため、実戦経験のあるメンバーが多数残った中、T1開幕戦で成立学園に1-0で競り勝ち、第2節では國學院久我山とスコアレスドローと、ここまで無失点で勝ち点4を獲得。守備の安定感を携えながら、昨年王者との90分間に向かいます。
関東大会予選、インターハイ予選、選手権予選とそのすべてで東京代表の座を獲得した上、T1リーグでも頂点に立ち、チーム立ち上げ当初から目標に掲げていた"都内四冠"を見事に達成してみせた昨シーズンの実践学園。その主力がほとんど卒業し、「新チームが実際にちゃんとまとまってやるのは、あの選手権が終わってからで、他のチームよりはスタートは確実に遅いですね」とは鈴木佑輔コーチですが、開幕したT1リーグでは国士舘相手に3-0と快勝を収めると、都立東久留米総合にも1-0で勝利を収め、こちらも無失点での連勝を達成。守備の粘り強さを武器に開幕3連勝を狙います。会場の駒沢はお花見にも最適のポカポカ陽気。楽しみな一戦は実践のキックオフでスタートしました。


いきなりの歓喜は実践に。開始8分。右ウイングバックの相馬修平(3年・AZ'86東京青梅)を起点に、キャプテンマークを巻く佐藤洋介(3年・横河武蔵野FC JY)が右からアーリークロスを放り込み、中山颯人(3年・府ロクJY)の折り返しを佐藤恵允(2年・ESA)が潰れながら残すと、中山がプッシュしたボールはゴールネットへ到達します。「アレは綺麗だったかなと思いますね。狙い通りで」と鈴木コーチも認める崩しの仕上げは、12番を背負ったセンターフォワード。中山の一撃で実践がスコアを動かしました。
さて、「アップの時点で向こうは気合が入っていて、『その差で立ち上がりにやられてしまったのかな』とは薄々感じています」とディフェンスリーダーの齋藤我空(3年・Forza'02)も話した駒澤は、早々に1点を追い掛ける展開に。12分には小林泰晟(2年・FCクラッキス松戸)が頭でつついたボールを、羽鳥陽祐(3年・フレンドリー)が狙ったミドルは枠の左へ。17分にも右から原田大渡(2年・FC東京U-15深川)がクロスを送り、小林蒼太(2年・Forza'02)が左へ流すと、島田竜汰(3年・FC川崎チャンプ)のミドルも枠の左へ。続く19分にもセンターバックの稲井宏樹(3年・FC駒沢)が長めのFKを蹴り込むも、羽鳥のヘディングはクロスバーの上へ。フィニッシュは取り切るものの、枠を捉えることができません。
アンカー気味に構える細川竜征(3年・Forza'02)と小林泰晟の中盤を含め、ボールアプローチで上回った駒澤がペースを掴む中で、33分は実践にチャンス。3バックのセンターを任された諏訪悠磨(3年・GA FC)が鋭い出足のパスカットから右へ散らし、古川真人(2年・ESA)の折り返しに突っ込んだ諏訪はオフェンスファウルを取られましたが、果敢なオーバーラップを披露。逆に34分は駒澤。相手エリア内で右サイドバックの山田英生(3年・三菱養和調布JY)がボールを奪い切り、中へ入れたボールは原田が打ち切れなかったものの、両DFが見せたアグレッシブな攻撃姿勢。
35分は実践。左サイドから佐藤恵允が右足でクロスを送るも、中山のヘディングは弱く、駒澤のGK宮崎雅崇(3年・Wings U-15)がしっかりキャッチ。36分も実践。左に開いた佐藤洋介が縦へ付け、昨年から主力を担ってきた山内稔之(3年・AZ'86東京青梅)は1人かわして右足で枠へ収めるも、ここも宮崎がキャッチ。38分は駒澤。江藤惇裕(3年・坂戸ディプロマッツ)、山田、原田と回ったボールを羽鳥が落とし、山田が打ち込んだシュートは諏訪が体でブロック。41分も駒澤。羽鳥と島田で左サイドを崩し、こぼれを叩いた小林蒼太のシュートは、実践のGK秋山隆成(3年・FC多摩)がファインセーブで応酬。お互いにチャンスを創り合った前半は、駒澤が1点のリードを保ってハーフタイムに入りました。


後半開始から動いたのは駒澤。小林泰晟に替えて、本宿雄大(3年・VERDY S.S. AJUNT)を送り込み、前線のポイント創出に着手すると、51分には稲井がパスカットから素早く縦に付け、トラップで1人外した本宿のシュートは秋山にキャッチされたものの、登場早々にフィニッシュまで。52分にも江藤が右のハイサイドへ落とし、山田がマイナスに折り返したボールを、本宿が狙ったシュートは再び秋山のキャッチに遭いましたが、「後半から入った雄大が良い位置で受けてくれた」とは齋藤。16番が活性化させる赤黒軍団のアタック。
55分も駒澤。江藤のパスを本宿が繋ぎ、左からカットインした小林蒼太の右足シュートは、実践の右センターバックに入った野崎翔吾(3年・FC.VIDA)が果敢にブロック。56分に大野監督が切った2枚目のカードは、細川に替えて中村廉(3年・FCクラッキス松戸)。58分も駒澤のチャンス。山田の右ロングスローを原田が拾い、山田が入れたクロスは中央を合わずにラインを割ると、61分には早くも3人目の交替として小林蒼太と小林慎治(3年・FCトッカーノ)もスイッチ。中盤より前の顔ぶれを入れ替え、狙う同点弾とその先。
「最近3試合とも後半が良くないんですよね」と鈴木コーチも話した実践は、押し込まれる流れの中で61分に2枚替えを敢行。相馬と古川を下げて、半田峻一(3年・GA FC)と村田篤哉(3年・FC多摩)をピッチへ解き放ち、ボランチの山野大地(3年・東京久留米FC U-15)を左ウイングバックへ、その位置にいた山内を右ウイングバックへ移し、両翼は揃ってレフティに。64分には右サイドで得たCKを山内がショートで蹴り出し、佐藤恵允のリターンを山内が入れたクロスはミスキックに。67分にも左FKを山内が蹴り込み、中山のヘディングはゴール右へ逸れましたが、セットプレーを中心に追加点への意欲も隠しません。
69分は駒澤が原田と鉄本雅樹(3年・FC府中)をスイッチする4人目の交替を、72分は実践が先制弾の中山と鈴木駿一(2年・FC.VIDA)をスイッチする3人目の交替をそれぞれ行うと、74分は駒澤に好機。島田のドリブルで得た左CKを本宿が蹴り入れ、稲井が残したボールを島田が右クロス。エリア内で中村が放ったシュートはDFをかすめてゴール左へ外れるも、悪くないチャレンジを。75分も駒澤。ここも本宿の左CKから、またも島田が右クロスを上げ切り、鉄本が叩いたシュートは枠の上へ。76分も駒澤。島田の左ロングスローがこぼれ、いち早く反応した小林慎治のシュートは、佐藤洋介にブロックされるも好トライ。「サイド攻撃が増えたからコーナーキックも増えたと思う」と齋藤も口にした通り、駒澤のサイドアタックには得点の雰囲気が。
85分は駒澤に5人目の交替。羽鳥に替えて、涌井蓮(3年・TACサルヴァトーレ)をピッチへ。直後のチャンスは駒澤。巧みにボールを捌いた中村のパスから、島田が枠へ飛ばしたミドルは秋山がキャッチ。86分は実践に決定機。佐藤が右へ素晴らしいサイドチェンジを通すと、マーカーを股抜きで振り切った山内のシュートは、宮崎がビッグセーブで仁王立ち。さらに佐藤恵允と菅谷太一(3年・東京ベイFC U-15)を入れ替えた実践4人目の交替を挟み、89分にも高い位置でボールを奪った鈴木は単騎で持ち込み、枠の右へ外れるシュートまで。「一体感を持って守備をして、我慢強くというのは彼らの今年の良さかなと思います」とは鈴木コーチ。野崎、諏訪、森田礼(2年・Forza'02)で組んだ3バックと秋山を中心に揺るがぬ実践の堅陣。いよいよゲームは最終盤へ。
90分は駒澤。島田が粘って残し、左から涌井が打ち切ったシュートはゴール右へ。90+4分も駒澤。宮崎の長いFKを本宿が懸命に残し、島田が打ったシュートは実践DF陣が執念のブロック。90+5分はラストチャンス。ピッチ中央、ゴールまで約25mの位置で手にしたFK。ポイントに立った江藤が右足から繰り出したキックは、無情にもクロスバーの上へ消え、万事休す。「『我慢して、我慢して』という所はもう確実に実践らしさで、チームを創り始めたばかりですけど、この段階にしては伝統をしっかり受け継いでやってくれているのかなと思いますね」と鈴木コーチも認める実践が開幕3連勝を達成する結果となりました。


これで3試合続けての無失点で、開幕ダッシュに成功した実践。昨シーズンからGKも3バックもすべて顔触れが入れ替わった中でも、この安定感はさすがの一言。「彼らとはリーグ戦が18試合あるので、去年の結果も含めて一桁失点、年間通して9点以内で抑えようという話をしていたので、ここ3試合はゼロということで評価できる所かなと思いますね」と鈴木コーチも及第点を与えていますが、かなり高いハードルを課された実践のディフェンス陣には今後も注目したい所です。「去年も"何だかんだまとまりがあった"ということが、最終的に東京都の中でも勝てた理由だと思っているので、その一体感を持ってまとまってしっかりやるということが、まず第一に今年も求めている所ですね。求めてはいるけど、まだ理想と現実がうまくマッチしないかなという感じなので、同じことを求めるけれど、今年の良さだったり、今年の学年の色をちょっと出せればなと思っています」と話す鈴木コーチも含め、指導陣の充実も彼らのチーム力を考える上で欠かせない要素。今シーズンも実践がきっちりとした集団を創ってくることは間違いなさそうです。        土屋

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