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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年04月25日

関東大会予選東京準々決勝 駿台学園×大森学園@駒沢第2

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0421komazawa3.JPGクォーターファイナルの第3試合もフレッシュな顔合わせの"大森ダービー"。駿台学園と大森学園の対峙は駒沢第2球技場です。
ここ数シーズンはリーグ戦のカテゴリーも徐々に下降し、トーナメントコンペティションでも上位進出は叶わず、「ウチらも練習していて何が正解なのかまったくわからずに、結果も出ずで苦しかった」と大森一仁監督も言及した駿台学園。ただ、昨年度の選手権予選で最後は國學院久我山に惜敗したものの、久々にベスト8まで進出すると、迎えた今シーズンはT3リーグの初戦で7ゴールを叩き出した上に、今大会も修徳を4-0、国士舘を3-1と相次いで撃破し、3試合の平均得点は圧巻の4.5。「3月までの練習試合でも大量得点を取る感じではなかった」とは指揮官ですが、この勢いを準々決勝にも持ち込みたい所です。
関東大会予選は初戦で、インターハイ予選は支部予選で敗れたものの、勝負の選手権予選では日大三や都立保谷を退けて都大会まで進出すると、2つ勝って挑んだベスト8では帝京相手に大善戦。最後は延長戦で屈しましたが、その戦いぶりが注目を集めた昨シーズンの大森学園。今大会も初戦で難敵の堀越に3-1で勝利を収め、先週の2回戦では実践学園を食った都立城東にPK戦で競り勝ってクォーターファイナルへ。「選手権はブロックのベスト8なので、その1個上に彼らは自分たちで来たというのはわかっている」とは小川伸太郎監督。一気にベスト4まで駆け上がる準備は整っています。会場の駒沢はもはや完全に夏日。楽しみな80分間は大森学園のキックオフで幕が上がりました。


先にゴールを手にしたのは駿台学園。14分に右サイドでスローインを入れた小比類巻翔(3年)が、上原飛翔(3年)の落としをダイレクトでクロス。中央の混戦に飛び込んだ布施谷翔(3年)はワントラップから右スミのゴールネットへ冷静に流し込みます。「ブラインドに入った感じですね」という11番の先制弾。駿台学園が1点のリードを奪いました。
すぐさまの反発力は大森学園。18分に左サイドからセンターバックの比嘉直人(3年・横浜FC鶴見JY)がCKを蹴り込むと、GKが痛恨のファンブル。ここにきっちり詰めていた塩田翔斗(2年・S.victoire SC)は、こぼれ球をすかさずゴールネットへプッシュ。意外な形をモノにした大森学園。スコアは振り出しに引き戻されます。
追い付かれた駿台学園を襲うアクシデント。前半早々に負傷しながら、この時間まで耐えてきた吉澤翔吾(3年)のプレー続行が難しくなり、25分に渡辺鉄也(3年)とスイッチ。「彼は欠きたくなかった選手だったので、あそこからちょっと計算外が始まってという所だった」と大森一仁監督も言及した交替を余儀なくされましたが、続いた"計算外"。その1分後の26分に田中亮汰(3年)が左へ流すと、サイドハーフに入った渡辺鉄也はカットインから右足一閃。ボールは右スミのサイドネットへ突き刺さります。まさに"怪我の功名"。勝ち越したのは駿台学園。
やり合う両者。再び追い掛ける展開を強いられた大森学園は28分に平木拓海(3年・シュートJY)がドリブルで仕掛け、こぼれを叩いた安藤翔(2年・シュートJY)の左足シュートはゴール右へ逸れましたが、30分には衝撃的なシーン。中央でパスを回した流れから渡邊真白(3年・大豆戸FC)、藤井海人(2年・シュートJY)とダイレクトでボールが繋がると、遠藤力哉(2年・横浜FC鶴見JY)もダイレクトでスルーパス。抜け出した渡邊真白はGKとの1対1を確実に制します。駿台学園応援団からも思わず「今のはしょうがない。相手が上手かった」との声が挙がった、パーフェクトな崩しとパーフェクトなフィニッシュ。2-2。上がり続けるゲームのボルテージ。
38分に3度目の歓喜を迎えたのは大森学園。左サイドを単騎で抜け出した藤井が中へ戻すと、走り込んだ平木はGKと1対1に。このシチュエーションで9番のストライカーが選択したのはGKの頭上。激しく揺れたゴールネット。「撃ち合いになったら相手の攻撃力に一日の長はあるなと思っていたので、狙いはロースコアでした」とは小川伸太郎監督ですが、撃ち合う展開で2-3と逆転に成功します。
40分には大森学園に突き放すチャンス。右サイドバックの山田泰瑚(3年・シュートJY)が50m近い距離を駆け上がってフィニッシュまで。最後はDFのブロックに遭ったものの、あわや4点目というシーンを独力で生み出しましたが、直後のゴールは駿台学園に。40+2分。田中を起点に布施谷が笹本周(3年)とのワンツーで抜け出すと、右スミのゴールネットへグサリ。「最近ワンツーの練習をしていたので、それが出たかなと思います」という布施谷の同点弾には、「3-2でハーフタイムというのは覚悟はしていて、同点になったのは大きかった」と大森監督が話せば、「前半の最後に追い付けた所が大きかったんじゃないかと思います」とキャプテンのGK猪田光哉(3年)。激しくやり合った前半は、3-3というハイスコアで40分間が終了しました。


「前半の残り10分は『アレっ?』て感じでウチのリズムになって行きましたね」と小川監督も話した通り、リズムを掴んだ中で逆転まで持って行きながらも、タイスコアでハーフタイムに入った大森学園は、後半開始早々の42分にも決定機。比嘉の左CKから土屋政悟(3年・S.victoire SC)が合わせたヘディングは、DFに当たって右ポストを直撃。絶好の勝ち越すチャンスを生かし切れません。
すると、43分に輝いたのは「一生懸命やるということの象徴的な子」と指揮官も評したスピードスター。センターバックの山崎亮(2年)が好フィードを送ると、快足を飛ばした上原は右スミのゴールネットへ丁寧にボールを送り届けます。19番を背負った俊足フォワードがこの局面で大仕事。4-3。駿台学園が再逆転に成功しました。
早くもこの日3度目のビハインドを負った大森学園。47分にはカウンターから「ウチのキーマン」と小川監督も名指しで期待を寄せる平木が抜け出し掛けるも、良く戻った駿台学園の左サイドバック中村海知(2年)が必死にブロック。直後に比嘉が蹴った右CKもDFがクリアすると、48分は駿台学園に2人目の交替。センターバックの萩優太(3年)と田中竣(3年)をスイッチ。変化した最終ラインの顔ぶれ。
48分は大森学園。比嘉の左CKをファーで土屋が折り返すも、突っ込んだ藤井はオフェンスファウル。52分は駿台学園。布施谷が蹴った右CKに、渡辺鉄也が競り勝ったヘディングはわずかにゴール右へ。56分も駿台学園。高根沢翔(3年)がドリブルで運び、布施谷がトーキックで狙ったシュートは枠の右へ。60分は大森学園。高原力斗(3年・Forza'02)のビルドアップから渡邊真白が裏へ落とし、ミドルレンジから平木がボレーで打ち切ったシュートはゴール右へ。63分は駿台学園。中盤でボールを奪った田中が、そのまま運んで打ったミドルは枠の左へ。「大森学園が後半は足が止まった部分があって、ウチのヤツらも止まり掛けていましたね」とは大森監督。続くノーガードの"どつきあい"。
そんな流れの中で、63分に再び輝いたのは『一生懸命やれる』ストライカー。駿台学園のラフなロングボールから、大森学園の連係が乱れると、諦めずに走った上原の視界の先に広がったのは球体と無人のゴール。静かに、確実にボールはゴールネットへ到達します。「よく頑張っているとは思いますけど、あんな点数の取り方はないですよね」と大森監督も笑った上原はこれで堂々のドッピエッタ。5-3。このゲームで初めて両者の点差が2点に広がりました。
それでも展開は変わらず。66分は駿台学園。中村の左アーリーに、走り込んだ高根沢のヘディングはゴール左へ。68分は大森学園に決定的なチャンス。遠藤と塩田のパス交換から、左スミに飛ばした渡邊のミドルは「1失点目は自分のミスからの失点だったので、『締めないとな』という感じでした」という猪田が意地のファインセーブ。直後の68分は駿台学園に3人目の交替。高根沢と大野竜之(3年)を入れ替え、さらなる攻撃力アップに着手。70分は大森学園も1枚目のカードとして白鳥硫生(2年・シュートJY)を送り込み、最後の勝負へ。残りは10分間とアディショナルタイムのみ。
71分は駿台学園。猪田の完璧なレーザーパントから、笹本が持ち込んだドリブルシュートはDFをかすめてクロスバーの上へ。74分は大森学園。安藤が右へ流し、山田が放ったシュートは山崎が体でブロック。直後の右CKを比嘉が蹴り入れ、ニアで当てた藤井のヘディングはゴール右へ。75分は駿台学園。田中が展開し、カットインから渡辺鉄也が打ったシュートは大森学園のGK宮澤栄伍(3年・江東第二砂町中)がキャッチ。76分には大森学園に2人目の交替。藤井と野村淑紀(2年・インテリオールFC)をスイッチして、何とか詰めたい点差。
試合を決めたのは途中出場のナンバーセブン。76分に左サイドでサイドチェンジを受けた渡辺鉄也は、上手くトラップで収めながら豪快に右足を振り切ると、ボールはニア上を破ってゴールネットへズドン。「もともと彼はレギュラーで出ていたんですけど、ケガが多かったりしていた子なんです」と大森監督が明かした渡辺鉄也もこれでドッピエッタの大活躍。大勢は決しました。
駿台学園は鶴岡泰嘉(3年)と徳永夢樹(3年)を、大森学園は青木勇人(1年)と晩田来輝(1年)とルーキー2人をピッチへ解き放った最終盤。77分に布施谷が、80分に笹本が相次いで迎えたチャンスは、共に宮澤が執念のファインセーブで凌ぎ、80+1分に大野が放ったシュートもポストに弾かれましたが、終わってみれば6-3という派手なスコア。「たまたまうまくいっちゃっているだけだなと僕らは思っているんですけどね」と大森監督も笑った駿台学園が、ベスト4へと勝ち進む結果となりました。        土屋

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