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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

2017年10月29日

J2第39節 湘南×岡山 試合後の湘南・曺貴裁監督会見コメント

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Shonan BMWスタジアム平塚で行われた
2017 明治安田生命J2リーグ第39節の
湘南ベルマーレ×ファジアーノ岡山は
1-1のドローとなりました。
以下、試合後の記者会見における
湘南・曺貴裁監督のコメントです。


(湘南・曺貴裁監督)
お疲れさまでした。まあ、先週から"自然のいたずら"と言いますか、いたずらという言い方がいいかわからないですけども、雨が止まない、そんな時間が凄く長く続いていて、我々の練習グラウンドも今まだちょっといつできるかみたいな状態で、昨日昇格だけが決まって、ホッとする間もなく今日試合があって、勝ち点1を取って優勝できたと。


今日の試合の他に30数試合あった訳で、今日優勝を決めた試合にスカッと3-0、4-0で勝てるような試合を今シーズンは良い意味で続けていなくて、我々にはホームで優勝という大きな目標があったと。そのために勝ち点3を目指すとも言っていないし、勝ち点1でいいとも言っていないけれども、今年の選手はピッチの中で自分たちがやっていくべきこと、強くなるために越えなきゃいけないハードル、見てくれじゃなくて、見えない所に実は美学があるということも含めて、凄く大人になったと思いますし、今日のあの時間帯に(大竹)洋平にやられたのは本当に因果かなと思いますけども、追い付かれたら勝ち点2を落としたというように試合では見えますけども、今日に関して言うと、勝ち点1が非常に大事だったと言えば、昨日もちょっと会見で話しましたけど、「成長したな」というふうには思ってます。


えっと、今年監督を引き受けるに当たって、昨日の話の繰り返しになりますけども、正直「どうしようかな」「どういうふうに作っていこうかな」と。湘南に皆さんが期待する、求めているものをまたゼロから、今までと同じような作りで、戦術的にもメンタル的にもアプローチしても、「たぶんうまくいかないな」と。かと言って、「今年はポゼッションやろう」と、ちょっと聞こえの良い言葉で彼らを促しても「たぶん動かないな」と。そこは本当に難しかったです。今もそれは「難しいな」と思っています。だから、その『「難しいな」と思っていることが今年1年顕著に出たな』って素直に思ってて、ただ、昨日も話しましたけど、このクラブを何とかしたいという気持ちは、僕はおそらく人より強いとは思っていて、何とかするというのは目の前の結果もそうですけど、成長できそうな選手をどんどん世の中に送り込むというか、そういったサイクルを続けないと、こういうチームが1つの文化とか色を出して、Jリーグの中で異彩を放てないと。


それはずっと思っていたんですけど、ただ、今年J2に降格して、去年の試合内容とか、僕の言っている言葉が、自分で言っていて「何か嘘くさいな」と思うこともたくさんあって、その"嘘くさい"というのは、勝ち点3とか、当たり前だけどそれを目指すスポーツであるのに、何か勝ち点3以外の条件だったり、勝ち点3以外のモノを無理やり引き出しから引っ張り出して、「赤の服よりこの服の方がいいんじゃない?」「いやいや、もうそれは赤の方がいいってみんな言ってるから」みたいな、そんなふうな気分になることが凄くあって、だから、もう未来とか10年後とか5年後とか、もう俺にはできないと。もう俺がそれを考えてやろうとしても、結局は10年後に至らないまでに何かアクシデントで、昨日も話しましたけど、足と頭だけ残っているんだけど、お腹が切られて、足と頭が残されたらどうしよう、どうなるんだろうみたいな。だから、スペインのキャンプから、ここに帰ってきたトレーニングマッチから、前期のスタートから10試合ぐらいまでは本当に、うーん、舟を漕いでいても「どっちに行くんだろう?」と。「もうこのまま沈んでしまう可能性もあるけど、なんかまだ浮けるな」と。「じゃあどうやったら浮いていけるんだろう?」「浮いても光に顔を海の水面から出せないな」というか。でも、その中でも一歩じゃないですよね。一歩じゃない、本当に半歩とか1ミリみたいなものだけ、顔が上がって次に向かって行けるというか、「何となくあのへんに光があるな」と思って歩んでいけるというか、本当にそういう1年だったと思うし、今も顔が完全に水面から上がったとは個人的には全然思ってないです。


ただ、「自分が無力だな」とか「自分にはもうこんなことできないな」ってある意味開き直ることは、とっても力がいることだなって自分で気付きましたし、そういうふうにしないと人間の言葉っていうのは、本当に本物にはなっていかない、僕は話すのが好きなので、いろいろなことを出して皆さんに説得力を持って話そうとするタチなんですけど、でも、そのこと自体も綺麗事過ぎて、「なにもねえな」って自戒する部分も凄くあったので、今治のオーナーの岡田(武史)さんにもよく「オマエは本当に正直過ぎるからダメだ」って怒られるんですけど、「ホントその通りだな」って思ってるけど、でも俺は「正直は別に悪いことじゃねえな」って、こんな所で言ったら怒られちゃうけども、言わないでくださいね(笑) と思っている所もあって、でも、「"正直"に乗っかってもいけないな」と。「正直だから許される」「正直だからOKという世界ではないな」というふうに思いながら、今まで指揮を執ってきました。


だから、皆さんが「手応えはどうですか?」とか「今シーズンを振り返って」と言われたら、もう今の言葉が全部で、「凄く良いシーズンだな」とも思ってないし、「全然ダメだったな」とも思ってないし、「むしろその真ん中だった」とも思ってないです。言えるのは明日とか明後日とか、1週間後をどうするかということを積み上げていけば、取られたお腹も自然と足と頭がくっついているようなものになるというか、感覚的には過去5シーズン監督を務めていろいろなことがありましたけど、一番そういう感覚を持てた、なんか難しいシーズンだったけど、少しは自分も、うーん、選手と一緒に勝ちながら成長していくというスタンスの中に、少しだけども入れたかなというふうに思っています。


コーチ時代も含めて本当に4回目の昇格ですけど、ホームで優勝を味わえたのは2017年の今年が初めてですし、湘南ベルマーレに所属するスタッフ・選手、それから会社の人、アカデミーの子たち、それからベルマーレを取り巻くすべての人たちに、この場をお借りして「本当におめでとうございます」と言いたいです。今日あの場にユースの選手がたくさんいて、我々の"ビールかけ"を覗いていると。「ああなりたいな」と思う気持ちを子供たちに、我々のチームに所属する子たちに体験してもらうことは、僕の中では凄い大事なことだと思っていますし、これから我々の選手以上に、たくさんのOBがいますけども、「もっともっとクラブとして、本当の意味で強くなっていかなきゃいけないんだろうな。でも、それに対してできることは所詮俺なんて非力だな」って思ってるんで、皆さんもこれから湘南を温かく見守っていくというよりは、強くなって欲しいということで記事を書いたり、強くなって欲しいということでいろいろな接し方をしてあげたり、ということが今後の湘南には必要なんじゃないかなというふうに、この場に来て思いました。以上です。


Q:今のお話の中で「選手たちが大人になった」「成長した」とおっしゃいましたが、それを一番促した、後押ししたものは何だったんでしょうか?


A:うーん... 選手って改めて思うと、じゃあ「今日の試合、凄い良かった」と思って、今日夜ゴハン食べて寝る、明日練習がある、良かったから気分良くいれる、で、オフを迎える、家族がいる、ハイ、次の火曜日、って入っていきますよね。じゃあ火曜日良くて、水曜日良くて、木曜日メチャ調子悪かった。「アレ、今日俺調子悪くなった。どうしよう?曺さんにも言われた」。金曜日、気にし過ぎた、土曜日、出た、ダメ。もうたった1週間だけども、1日、1分、1秒、ワンプレーが「ダメだった」と思ったら、その前の自信が大きく崩れてしまうと。むしろその逆もあります。だから、選手を大人にしようとすることは、子供を持つ親御さんだとたぶんみんなそうだと思うんですけど、月曜日、火曜日、水曜日良くて、木曜日ダメだったことを咎めない勇気、もしくは木曜日ダメなことを咎める勇気、そのどっちを方法論として使っていくのかってことを、監督として責任を持っていかないといけない、というふうに思っていて、それが間違いとか正解とかは、たぶんどっちでもいいんです。どっちでも良くて、でも、その一瞬、ワンプレーを見逃すと、本当に小さな穴が見る見るうちに、もう誰が見ても大きな穴が開いているというふうになるので、どっちかと言うと新しいことをしたというよりも、そういうことを見逃さないように、あえてしてきたつもりです。


それはでも、選手にとって言って良いことか悪いことかわからないです。でも、結果、去年や2014年とかに比べて、今たぶん4人か5人しかこのチームに残っていないと思うんですけど、その選手以外の人が見えない湘南の大切にしているものを感じて、「ワンプレーでも隙を見せちゃいけないんだ」と。それは良い意味で。逆に「そこで失敗したら次切り替えなきゃいけないよ」と。良い意味で。というのは僕じゃなくて、選手同士とか選手自身が気付いて変わっていったことなんじゃないかなと。ただ、指導者って同じことをやっていると、よく言われるんですけど「飽きたでしょ?」とか「もういいでしょ?」とか、いや、それはそうなんだけど、同じことを何回も続けていくってことは実は大変で、同じことを何回も言っていくというのは、お互いに気分が良いものじゃない。でも、本当は同じことを、手を変え品を変え、伝えてあげることが、「選手を伸ばすのには一番大事かな」というふうに今の所は感じています。でも、正解は別に本当にないです。


Q:昨年ああいう形で降格したことで、何かが足りないということで今シーズンをスタートさせたと思いますが、その足りないと思ったものは今年1年で掴めたとお思いでしょうか?


A:うーん... 去年とか落ちた時に、確かに力が足りなくて降格したんだと思います。たぶん。でも、逆に2014年とか2012年、力があって昇格したのか、それは例えば2014年の結果を見れば「力があったからでしょ」という人もいるかもしれないけど、一概にはたぶん言えないです。で、その力っていうのは今さっき話したように、誰が何点取ったとか、アシストしたとか、走行距離が何メーターだったということではなくて、このチームに自然に宿るものというか、チームの中で、今日も今みんなで喜びましたけど、ムルジャが言ってました。「こんな出ている人と出ていない人が同じ空気で練習するのは、プロ生活で所属してきた中で初めてだ」と。それこそが我々の力の源なんだけど、そんなことっていうのは降格したら誰も評価しないですよね。だけど、それは実は大事なんじゃないかなっていうことを、僕はずっと思っているし、降格したからといって、じゃあAチームとBチームをバッサリ分けて、「違う練習をしましょう」というチームもあるかもしれないけど、俺は違うと思ってやってきたし。でも、それは凄く選手もそうだろうし、僕も凄いニコニコ楽しくやってた訳じゃないです。苦しみとか迷いとか伴ってやってるし、やってたはずです。それをこの優勝という結果に残せたのは、本当にみんなが頑張ってくれたからだと思いますけど、自分としては何かそんな気持ちでいるというか、って感じですかね。


Q:来年はどうJ1に臨まれますか?


A:来年のことは全然考えてないです。本当に。まあJ1に上がるという所が決まって、自分も本当にフルパワーを使ってやってきたし、来年何月何日に始まって、キャンプどこに行って、どこと開幕戦当たることを、今考えることは正直ちょっとできないですね。うん。だけど、僕は僕でしかないから、どんな状況であっても前向きに生きて行こうと思っているし、前向きに生きたいと思ってるし、今年所属した選手が次のステージで活躍してもらいたいって本当に強く思っているし、それだけは変わらないということが、僕の中では真実の1つであり、すべてだなと思います。


(会見終了後の質疑応答)
Q:岡山の長澤監督が会見の中で「曺さんは去年の今頃は闇の中にいて、1年後ここでこういう結果を手にするのは、やっぱり天に選ばれている人だと思う」という趣旨のことをおっしゃっていましたが、こういうゲームで長澤監督と対戦できたことに関しては率直にいかがでしたか?


A:強かったですよ、岡山は。シンプルに。あの順位にいるチームではないし、ボタンが掛け違っているというよりは、もう本当にボタンは掛かっているんだけど、1つの繊維が取れて少し色褪せて見えるぐらいの話で、今日の後半なんか完全に彼らの球際にやられていたと思うし。だけど、1つあるとしたら、もう何回もこういう経験を今までしてきているので、ウチの選手たちの経験値みたいなもの、「J1に上がるんだ」「そのために何をしなくてはいけないんだ」と。J1でできなかったことは何で、それを今どうしなきゃいけないのかというのは、もしかしたら今の岡山の選手たちよりも、持っていたかもしれない。それがポイントの差に現れたかもしれないですけど、それは別に実力の差というよりは、徹がやっていたことを真摯に彼らが受け止めて、続けていくことがチームとしてもクラブとしても絶対に大事だと思いますし、何もウチが戦術的にもメンタル的にもフィジカル的にも、勝ったということは全然思ってないです。


Q:馬入のグラウンドにボランティアの皆さんが駆け付けたことにも長澤監督は触れてらっしゃいました。そのことに関してはいかがですか?


A:アイツはやっぱり人を育てるということを、小さい子から大人まで、しっかり自分の中に喜びとしてというか、自分のライフワークとしてやってきた男なので、彼が言うと説得力があるし、僕の方がどっちかと言ったらサポーターに本当に心底感謝できているんだろうかって自分で思うくらいで、彼のそういう所は本当に良いと思うし、今年とか来年とかじゃなくて、選手の一生に必ず残るような指導をしているんじゃないかって、容易に想像できます。


以上です。


土屋

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