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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年10月19日

高校選手権東京A1回戦 かえつ有明×都立東大和南@堀越総合G

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1015horikoshi3.JPG第3試合は虎視眈々と上位進出を狙う私立校と都立校の激突。かえつ有明と都立東大和南の一戦も、引き続き堀越総合グラウンドです。
インターハイでは全国出場経験も有するなど、私立校の中ではこの10年タームで考えても、コンスタントに結果を残してきているかえつ有明。昨年の秋に始動した新チームは、新人戦の準決勝で修徳に2-3で競り負け、関東大会予選出場をあと一歩で逃すと、インターハイ予選でも支部予選で文京に1-2で屈し、一次トーナメント進出はならず。それでも、今大会の1次予選は6-0、4-0、5-0と圧倒的な結果を残して都大会へ。昨年度は敗退を突き付けられた初戦をまずは突破して、その先へと弾みを付けたい80分間に臨みます。
昨年度の1年間は飛躍の年。支部予選から登場したインターハイ予選でベスト8まで躍進すると、選手権予選でも難敵を相次いで撃破し、西が丘の舞台も経験するなど、一気に注目される存在となった都立東大和南。ただ、迎えた今シーズンは「初期段階は負ける要素しかないみたいな感じでした」と昨年からレギュラーを任されてる池谷大地(3年・あきる野FC)も苦笑したように、関東大会予選では初戦で明大明治に1-4で敗れ、インターハイ予選も支部予選こそ勝ち上がったものの、結果的に一次トーナメント敗退。今大会は一次予選を2試合を9得点無失点で突破しており、「僕らも"一発屋"で終わりたくない」と世継昭斗(2年・東京武蔵野シティFC U-15)が口にした思いを共通認識に、まずは大事な初戦に向かいます。高尾の空から降り続く雨に止む気配はなし。楽しみなゲームは14時ジャストにキックオフされました。


開始20秒のファーストチャンスは東大和南。3列目から飛び出し、右サイドを抜け出した小山海斗(3年・多摩落合中)はいきなり1対1のシチュエーションに。ここはかえつのGK若山勇輝(3年・かえつ有明中)がファインセーブで凌いだものの、まずは東大和南が勝利への意欲を打ち出します。
ただ、「前半の立ち上がりもみんなボールロストが多いし、流れは良くなかった」と池谷が振り返った通り、徐々にペースを掴んだのはかえつ。7分には國枝広太郎(3年・かえつ有明中)が右サイドを突破し、そのまま放ったシュートは枠の左へ外れるも、悪くないトライを。8分にも後藤和斗(2年・かえつ有明中)、竹内悠祐(2年・かえつ有明中)と回ったボールから、梅原佑希(2年・かえつ有明中)が枠へ収めたシュートは、東大和南のGK磐井雄真(2年・FC.GONA)がファインセーブで回避。14分にも左サイドバックの中村風人(3年)を起点にしたアタックから、ルーズボールを拾ったセンターバックの桑田海蔵(3年・かえつ有明中)がゴール左へミドルを外すなど、漂わせる先制の香り。
一方の東大和南は攻撃のリズムが出てこない中、17分に世継が打ち切ったミドルも若山ががっちりキャッチ。20分にも世継が左へ振り分け、池谷のクロスがこぼれると、上野零史(3年・FC.GONA)が叩いたミドルはクロスバーの上へ。エリア付近まで得意のパスワークで運べない中で、ミドルゾーンからのチャレンジも得点には繋がりません。
30分はかえつ。後藤のパスから國枝が打ったシュートは、東大和南のセンターバックに入った小番大斗(3年・八王子石川中)が体でブロック。直後の左CKを竹内が蹴り込むと、フリーで放った市川純(3年・かえつ有明中)のシュートは枠の右へ。32分は東大和南。上野のパスを小山が右へ流し、安達智哉(2年・西東京田無第四中)が上げたクロスから、世継が狙ったシュートはかえつの右サイドバック吉田直人(2年・かえつ有明中)がきっちりブロック。34分は再びかえつ。竹内からパスを引き出した梅原のシュートは、DFをかすめてわずかにゴール左へ。「前半は全然動きが硬くて、自分たちのサッカーができていなかったですね」とは東大和南を率いる大原康裕監督。最初の40分間はかえつが押し気味に進める中、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半もスタートから攻勢に出たのはかえつ。44分に桑田のパスから、粘って放った國枝のシュートはDFの体に当たり、磐井にキャッチされましたが、勢いそのままに歓喜の瞬間を迎えたのはその2分後の46分。ピッチ右寄り、ゴールまで約25mの位置で竹内が獲得したFK。スポットに立った飯島友輝(2年・かえつ有明中)が右足を振り抜くと、左スミを襲ったボールはゴールネットへ吸い込まれます。チームのボランチを託された2年生が見事なゴラッソ。かえつが先にスコアを動かしました。
畳み掛けるかえつ。54分には相手のミスを突いた竹内が、そのまま持ち込み枠内シュート。磐井が何とかキャッチしたものの、あわや追加点というシーンに勢い付く応援席。55分にも國枝、竹内とパスを繋ぎ、梅原のシュートは枠の右へ外れましたが、「先行されて、ますます硬くなりましたね」と大原監督。かえつが狙うさらなるゴール。
ところが、突如として現れたのは「ミナミがやりたいこと」(世継)。55分に中盤での細かいパスワークから、キャプテンマークを巻いた植田晋伍(3年・府ロクJY)が左へ振り分けると、開いたワントップの瀬沼拓斗(3年・トレドSCあきる野)はすかさずグラウンダーで中へ。ここに突っ込んできた世継は「練習で低いクロスをやっていたのでイメージしていました」というボールを丁寧にゴールネットへ流し込みます。「今までやってきたのが本当に出たという感じ」と大原監督が話せば、「凄く良い形で、ずっと練習していたんですけど、シュートは凄く緊張しました」と世継も笑顔。なかなかチャンスを創れなかった東大和南が、ワンチャンスを生かして同点に追い付きました。
にわかに動き出したベンチ。58分は両チームに1人目の交替が。かえつが梅原を下げて、金野敏也(3年・かえつ有明中)をピッチへ送り出せば、東大和南は瀬沼と本来のキャプテン服部凌大(3年・小平花小金井南中)をスイッチ。さらにかえつは2分後にも、ボランチで奮闘した小田桜介(2年・かえつ有明中)に替えて、中田怜(2年・かえつ有明中)を投入し、中盤の強度向上に着手。残りは20分。ここからがまさに勝負の時間帯。
62分はかえつ。金野の鋭いミドルはクロスバーの上へ。66分もかえつ。吉田が右サイドをドリブルで切り裂き、國枝を経由して、後藤がダイレクトで叩いたシュートはわずかに枠の右へ。69分はかえつの決定機。右サイドから長いFKが入ると、飯島が残したボールを國枝が右スミへ打ち込むも、「『手を出すよりは、しっかり足で外に蹴り出す方が確実かな』と思って、そこは一瞬でしたけど、判断を変えて止められたのは良かったと思います」と振り返る磐井が残した足でビッグセーブ。押し込むかえつ。耐える東大和南。
71分は東大和南。小山が短く付け、馬場涼輔(3年・羽村第三中)の折り返しを安達がミドルに変えるも、ボールはわずかにクロスバーの上へ。72分も東大和南。右から安達がマイナスに流し、池谷のミドルは枠を越えるも、「練習試合とかも1点取ると大量得点もあるので、そうなると結構気分がアガっちゃう感じ」とはその池谷。74分は東大和南の決定的なシーン。左から池谷が蹴ったCKに、フリーで飛び込んだ関口樹人(3年・FC.VIGORE)のヘディングはわずかに枠の右へ。一転して押し込む東大和南。耐えるかえつ。
輝いたのは「『絶対決めてやろう』という気持ちでいました」という2年生レフティ。その時は78分。センターバックの関口がフィードを送り込むと、162センチの服部は懸命のヘディングで前方へ。「途中交替で出てきた服部君が身長的にも正直『ムリかな?』と思ったんですけど、目の前にちゃんと落としてくれて、『ああ、来たな』と思った」池谷は前へ運びながら、「練習もちゃんとやっていた斜めの動きという所で、左利きもイメージしながら速いパスを足元へ」グサリ。「大地君が中に切れ込んでいったので、そのタイミングで中を見て斜めに入って、タッチも自分が想像していた通りに行った」レフティの世継が得意の左足で蹴り込んだボールは、左スミのゴールネットへ鮮やかに突き刺さります。殊勲のスコアラーは「たまたまそっちを見たら『おおっ!』てなっていたので」、そのまま応援団へ一直線。「もう鳥肌が立ちました。『やってくれたな。2年生ありがとう!』みたいな感じですよね(笑)」と笑ったのはアシストの池谷。1-2。東大和南がスコアを引っ繰り返しました。
このまま引き下がれないかえつも猛攻。80分にはゴール前のFKをクイックで始めると、4分前に交替でピッチに入った松脇大晟(3年・かえつ有明中)が左サイドでフリーに。渾身のシュートは、しかし「パスが出た瞬間はちょっと焦ったんですけど、ちゃんと寄せられたので、あとは触るだけでした」という磐井がファインセーブで仁王立ち。80+1分に東大和南は小山と南知秀(3年・日野第二中)をスイッチして、懸命のゲームクローズを。そして80+5分のラストチャンスはかえつ。松脇が執念で残し、國枝が打ち切ったミドルは枠を捉えましたが、無情にもボールはクロスバーに当たって跳ね返ると、程なくして吹き鳴らされたファイナルホイッスル。「みんな頑張りましたね」と池谷が話した東大和南に凱歌。1週間後の2回戦へと駒を進める結果となりました。


「正直冬は練習試合も大差で負け続けて、『ホント大丈夫かな?』という感じだったんですけど、みんなで我慢我慢でやり続けてきて、ここに来て結果が出てきているかなと思います」と大原監督も話した東大和南。守護神の磐井も「例年に比べて代が入れ替わった時期も遅かったし、自分たちのやりたいスタイルというのは全然できていない状態から始まったので、最初は本当に結果も出なかったし、つらい時期が続いたんですけど、最近になって崩しからの得点とか取れるようになってきて、それは本当にここまでスタイルを変えずにやってこれたというのが結果に繋がっていると思います」と指揮官の言葉に同調しながら、「『去年の成績を越えよう』ってみんな言っていて、今年は去年よりも精度の高いパスサッカーで東京を驚かせたい気持ちは強いです」と強気な言葉を。そういう意味でも、この日の勝利は自分たちのスタイルを再確認する意味で、大きなモノになったのかなと。前述したように昨年からレギュラーを務めてきた池谷は、1年前の躍進に対して「『都立でも行ける』と思えたのは大きいですね。ただ、『今年も行かなきゃいけない』みたいな気持ちはちょっとあるんですよ。『続けなきゃな』というプレッシャーはみんなありますね」と正直な気持ちを明かしつつ、「本当に追求していることは他のチームと全然違うので、見ている人も『面白いな』と思ってくれたりすると思いますし、そうやって自分たちのやりたいことをちゃんとやっていきたいですね」と決意を新たに。"グリーンのサザンクロス"が放つ輝きは、今年の東京高校サッカーシーンも興味深く照らしてくれそうです。       土屋

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