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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年09月20日

T1リーグ2017第16節 國學院久我山×駒澤大学高@朝鮮大G

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0918chosen.JPG11勝1分け3敗の2位と優勝を視野に捉えている國學院久我山が、3勝3分け6敗の8位と消化試合の少なさはあるものの、残留争いに巻き込まれている駒澤大学高と対峙する一戦。楽しみな好カードは朝鮮大学校グラウンドです。
関東大会予選は準決勝で実践学園に屈し、インターハイ予選は再び準決勝で関東第一に敗れ、2大会続けてあと一歩の所で代表権を逃している國學院久我山。リーグ戦では前半戦で大きく白星を先行させてきましたが、後期は4勝2敗とややペースダウンしている中で、「ウチにとっては負けられないゲームを選手権前にずっとできているというのはいいことだと思っています」とは清水恭孝監督。5年ぶりのT1制覇に向けて、勝ち点を落としたくないホームゲームに挑みます。
リーグ戦では苦戦を強いられているものの、関東大会予選では準々決勝で國學院久我山と接戦を演じ、PK戦で敗れたとはいえ、好ゲームを披露。インターハイ予選でも二次トーナメントで成立学園を撃破し、やはり準々決勝で実践学園に惜敗しましたが、トーナメントコンペティションでの粘り強さは今年も健在の駒澤大学高。スタメンに3年生は1人のみというメンバー構成について、「前回のトリプレッタ戦は最後の15分くらいで1年生を3人出したら逆転されちゃったので、今日はちょっと逆バージョン」と大野祥司監督。下級生の奮起に期待したい90分間へ向かいます。会場の朝鮮大グラウンドは、バックスタンド側に人垣がグルリ。注目のゲームは駒澤のキックオフでスタートしました。


立ち上がりからパワーを持ってゲームに入ったのは駒澤。2分にエリア内へボールを押し込むと、スタメン唯一の最上級生となった青山慎二(3年・三菱養和調布JY)のシュートは枠の右へ外れましたが、いきなり惜しいシーンを。6分にも右から江藤惇裕(2年・坂戸ディプロマッツ)が右FKを蹴り込み、最後は久我山のキャプテンを務めるGK平田周(3年・FC東京U-15むさし)がこぼれをキャッチしたものの、まずは駒澤が2つのチャンスを創出します。
ボールは握りながら、縦へのテンポが出てこない久我山は13分にファーストシュート。右サイドバックの井上翔太(2年・ジェファFC)が短く付けたボールを、松本雄太(3年・成立ゼブラFC)は枠内ミドル。ここは駒澤のGK宮崎雅崇(2年・Wings U-15)にキャッチされましたが、1つフィニッシュを取り切るも、15分は再び駒澤。左サイドバックの鉄本雅樹(2年・FC府中)から青山、橋本雄也(1年・ルキナス印西)を経由し、保科一生(2年・東京久留米FC U-15)が狙ったシュートは味方に当たってゴール右へ外れるも、スムーズなパスワークからフィニッシュまで。17分には久我山も山本航生(1年・東急SレイエスFC)がドリブルから右へ流し、松本の折り返しを三富嵩大(3年・横河武蔵野FC JY)が枠内へ収めるも、宮崎が丁寧にキャッチ。お互いに出てきた崩しの形。
ただ、「1人1人に対してこれぐらいプレッシャーに来るのを久しぶりに受けた」と清水監督が話したように、駒澤は中盤の出足の速さと強さで久我山のアタックをうまく分断。19分には高い位置で保科がボールを奪い、そのまま放ったシュートの跳ね返りを、右サイドバックの山田英夫(2年・三菱養和調布JY)が持ち込んだシュートは久我山ディフェンスがブロック。その右CKを江藤が蹴ると、齋藤我空(2年・Forza'02)が高い打点で打ち下ろしたヘディングは、カバーに入ったDFが懸命にクリア。一方の久我山は24分にセンターバックの保野友裕(1年・東京武蔵野シティU-15)が負傷したことでプレー続行が難しくなり、澤田雄大(3年・FC多摩)との交替を余儀なくされるなど、なかなか流れを引き寄せ切れません。
とはいえ、20分以降は膠着した展開に。27分には久我山が右サイドで獲得したFKを三富が放り込むも、宮崎が鋭い出足からのパンチングで回避。34分は駒澤にセットプレーのチャンス。右サイドから江藤が蹴ったFKは、平田がさすがの安定感でかっちりキャッチ。40分は久我山。左サイドバックの竹浪良威(2年・FC東京U-15むさし)が中に付け、中盤アンカーの福井寿俊(1年・東急SレイエスFC)を経て、三富が裏へ落とすも、走った高橋黎(2年・ジェファFC)はわずかに及ばず宮崎がキャッチ。「前半は何もなかったですね」と厳しい口調は清水監督。駒澤ペースで推移した前半はスコアレスで45分間が終了しました。


後半はスタートから久我山に交替が。山本に替えて、やはりルーキーの戸坂隼人(1年・FC東京U-15むさし)をそのまま左ウイングに送り込み、サイドの推進力アップを狙うと、47分には左CKを、50分には右CKを獲得するなど、前半よりサイドアタックに鋭さが。「後半から相手はスイッチが入ってきて、完全にやられ出した」とは大野監督。福井、高橋、三富の中盤スリーセンターへ前向きにボールが集まり始め、一気にゲームリズムを手繰り寄せます。
ところが、不思議と手数は駒澤。58分に相手のバックパスが乱れた所を見逃さず、こぼれをかっさらった保科のミドルは枠の左へ。59分にも齋藤が右から巧みなフィードを送り、中村廉(2年・FCクラッキス松戸)が合わせたヘディングはゴール右へ。64分はカウンター炸裂。運んだ橋本が左へ通し、ドリブルから保科が放ったシュートは枠の左へ逸れましたが、流れに反して駒澤が続けて掴んだチャンス。
大野監督が64分に下した決断は一気に3枚替え。江藤、中村、橋本を下げて、秋遼太郎(3年・Forza'02)、椛澤陸(3年・Forza'02)、中村一貴(3年・FC東京U-15むさし)の3人を投入し、攻撃のギアを一段階高める采配を振るうと、69分には久我山も3人目の交替。松本と加納直樹(1年・ジェファFC)をスイッチして、加納がセンターフォワードに入り、その位置にいた宮本稜大(2年・東急SレイエスFC)を右ウイングにスライドさせて、こちらもさらなる攻撃のパワーアップを。
さらに大野監督は69分に保科と石澤浩太朗(3年・Forza'02)も入れ替え、76分に最後のカードとして米谷拓海(3年・FC東京U-15むさし)を涌井蓮(2年・TACサルバトーレ)との交替でピッチへ解き放つと、駒澤の中盤より前の6人は全員3年生に。「苦しいんですけど、最近は逆に吹っ切れてやっているかなという感じがあって、『最後だからもうやろうぜ』という感じで頑張っています」(米谷)という最上級生に託された勝ち点奪取。
最終盤に入り、ゲームはさらにヒートアップ。79分は久我山。加納が左へ送り、戸坂のシュートは宮崎がキャッチ。82分も久我山。澤田の左FKがこぼれ、拾った高橋のミドルはクロスバーの上へ。84分は久我山に4人目の交替が。宮本が下がり、こちらも最上級生の鵜生川治臣(3年・前橋FC)がピッチへ。直後の84分は駒澤。青山、石澤とパスが繋がり、椛澤が狙ったシュートは平田がキャッチ。一進一退。久我山の上加世田達也(3年・Forza'02)と澤田、駒澤の齋藤と羽鳥陽祐(2年・フレンドリー)、両チームのセンターバックコンビが築く堅陣は揺るがず。
86分は久我山にビッグチャンス。高橋の縦パスから綺麗にターンした三富の左足シュートは、DFに当たって宮崎がキャッチ。87分は駒澤。中村の右ロングスローはDFが何とかクリア。88分は久我山。鵜生川の左ロングスローは抜群の飛距離でゴール前を襲い、加納のヘディングはわずかに枠の左へ。89分も久我山。高い位置で粘ってボールを収めた三富は、ミドルレンジから左足を振り抜くと、軌道はクロスバーにハードヒット。譲らぬ両者。アディショナルタイムは4分。勝敗の行方は果たして。
熱戦の結末は突然に。90+1分。中村が蹴った駒澤の右CKをキャッチした平田が、すかさず蹴ったキックは何と味方に当たってルーズボールに。「よくわからなかったんですけど、たぶん相手のキーパーのキックが当たって、たまたま自分の所に転がってきた」という米谷は落ち着いて枠を見据えると、丁寧にボールをゴールネットへ送り届けます。「前線の選手が結構変わっていたので、『今日は出ないかな?』という気持ちはあったんですけど、まだ1枠残っていたので諦めずにしっかりアップして、良い状態で呼ばれた時に入れたと思います」という3年生の想いの強さが呼び込んだ劇的な決勝弾。「本当に泥臭い点ですけど、やっぱり彼の所にこぼれてきて、彼が決めたらみんなが喜ぶんじゃないかなというのはありますよね。それだけ苦労人というか、努力している子なので」と大野監督も評した米谷の"サヨナラゴール"で、駒澤が勝ち点3をもぎ取る結果となりました。       土屋

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