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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
連敗は回避したい街クラブの雄と、連勝で首位に立っているタイガー軍団の対峙。三菱養和SCユースと前橋育英の激突は三菱養和調布グラウンドです。
2勝2分け3敗と黒星先行ながら、ここまで7試合で7失点と「守備だけはバランスを崩さないようにしながら攻撃、みたいな所はやれていると思います」と増子亘彦監督も話した通り、確実にチームバランスの向上には手応えを掴みつつある三菱養和SCユース。関東予選で敗退したためにクラブユース選手権の出場は逃す格好となりましたが、再び中断に入る前に1つでも勝ち点を上積みしたいプリンス4連戦の3戦目は首位の前橋育英が相手。「試合前にも『このチームに勝って自信を付けようぜ』ということだった」と指揮官が言及した大事な90分間に挑みます。
ここ2年は全国出場を逃していたインターハイも、県予選を力強く勝ち上がって代表権を獲得。加えてプリンス関東でもここまでわずか1敗で首位に立つなど、上々のシーズンを送っている前橋育英。「17,8名は誰が出てもいい感じには持っていきたいんですけどね」とは山田耕介監督ですが、Bチームで臨んだ関東大会を通じて活躍した選手が、インターハイ予選以降はトップチームでも継続して出場機会を得る格好で、チーム全体の底上げにも確実に着手しており、キャプテンの田部井涼(3年・前橋FC)も「本当に競争が激しくて、全員誰が出られるかわからないので、そういう状況にあるのは練習をやっていて本当に刺激的ですし、良い環境だと思います」ときっぱり言い切る好循環の中で、首位キープの懸かるアウェイゲームへ向かいます。会場の調布は完全に真夏を思わせる空気感。楽しみな一戦は15時30分にキックオフを迎えました。
開始1分経たないファーストシュートは養和。ミドルレンジから松川隼也(2年・三菱養和巣鴨JY)が狙ったボレーは枠の上に外れたものの、まずはホームチームが積極的な姿勢をフィニッシュに滲ませると、9分にも養和にチャンス。センターバックの遠藤光(2年・三菱養和調布JY)が裏へ好フィードを届け、左のハイサイドへ走った松川は中へ。巧みなコントロールで収めた中村敬斗(2年・三菱養和巣鴨JY)のシュートは育英のGK湯沢拓也(3年・足利両毛ユナイテッドFC)がキャッチしたものの、立ち上がりは養和が2本のシュートチャンスを創り出します。
ただ、徐々に育英もコントロールタワーの田部井涼を中心に、ボールを動かしながらペースを奪還。12分に左サイドを運んだ飯島陸(3年・クマガヤSC)のシュートは、養和のキャプテンを託された佐々木陸生(3年・三菱養和調布JY)が体でブロックしましたが、直後の左CKを塩澤隼人(3年・FC東京U-15むさし)が蹴り込むと、上原希(3年・三菱養和巣鴨JY)のヘディングは養和のGK川島康暉(3年・三菱養和巣鴨JY)がファインセーブで掻き出したものの、「だいぶ優しくしてもらった先輩なので、僕も本当にマッチアップを楽しみにしていた」と中村も語った上原が、古巣対決に燃える際どい一撃を。
15分も育英。こちらも上原同様に古巣との対峙となった宮崎鴻(3年・三菱養和巣鴨JY)が右へ流し、高橋尚紀(2年・クマガヤSC)が右スミへ飛ばしたシュートは川島がセーブ。この右CKを田部井涼が蹴り込むも、ニアで加藤がきっちりクリア。18分も育英。右サイドバックの後藤田亘輝(3年・横浜F・マリノスJY追浜)が縦に付け、反転した田部井涼の枠内ミドルは、ここも川島がファインセーブで回避。その右CKを田部井涼が蹴り入れると、松田陸(3年・前橋FC)のヘディングはヒットしませんでしたが、ゲームリズムは育英サイドに。
それでも、20分には廣川虎太郎(2年・三菱養和巣鴨JY)の縦パス1本に林壮真(2年・三菱養和調布JY)が抜け出し、左からの折り返しこそ中と合わなかったものの、「あまり前に行き過ぎないように待ち構えるような時間帯を作って、そこでしっかりボールを拾って、ちょっと引き込んで足の速い20番の子で行っちゃおうというのが前半のプラン」と増子監督が明かしたように、ある程度重心を下げるのは想定内だった養和が、ワンチャンスで引き寄せた最初の歓喜は28分。右サイドで手にしたFK。中央をしっかり確認した中村が狙ったのは、ゴール前の密集ではなく壁を巻いたニアサイド。完全に虚を突かれたGKも懸命に飛び付きましたが、ワンバウンドしたボールはゴールネットへ飛び込みます。機転を利かせた中村の素晴らしい先制弾。養和がスコアを動かしました。
畳み掛けたホームチーム。34分には粘り強く守備に戻った流れから、自ら前を向いた中村が右に振り分け、サイドハーフの長谷川佳輝(3年・三菱養和調布JY)は少し運んでクロスを上げると、DFのクリアにいち早く反応した中村はハーフボレー気味に右足一閃。ボールはゴールネットを豪快に揺らします。シュートの華麗さもさることながら、「彼の良さでもあるけど、2点目は自分でプレスバックしてからですし、ああいうのがやれるようになってきて良くなってきているんじゃないかなと思いますよね」と増子監督も認めたように、自らの守備をゴールに直結させる所もさすがの一言。中村はこれでドッピエッタ。養和のリードは2点に広がります。
2点を追い掛ける展開となった育英。35分には「みんなに成長した姿を見せたかった」という宮崎が、DFを引きずりながら中央を運んでシュートまで持ち込むも、DFに当たったボールは川島がキャッチ。40分にも田部井涼の左FKから、上原のヘディングはゴール左へ。41分にも高橋がドリブルで持ち出し、こぼれを拾った塩澤のシュートは枠の左へ。45分は養和に決定機。冨久田和真(2年・三菱養和調布JY)のパスに抜け出した林が右クロスを蹴り込み、ファーに潜った中村のボレーは枠を捉えるも、湯沢がワンハンドでのビッグセーブで応酬し、松川の左CKから長谷川が狙ったミドルは枠の上へ。「鴻にも『アイツには絶対やらせねえ』みたいな感じでウチのディフェンス陣は競り合っていたし、そういった所で前半は特に上回ったかなと思いますね」と増子監督。養和が2点のアドバンテージを握って、最初の45分間は終了しました。
後半はスタートから育英に2枚替え。「何もやらせてもらえなかったです」と悔しさを口にした宮崎と高橋を下げて、田部井悠(3年・前橋FC)と榎本樹(2年・東松山ペレーニア)をピッチへ送り込むと、48分には後方からのフィードに榎本が競り勝ち、田部井悠のボレーはゴール左へ外れましたが、いきなり途中出場の2人でフィニッシュを。49分にも田部井涼が右へ展開したボールから後藤田がクロスを上げ切り、田部井悠のヘディングは枠の右へ逸れたものの、タイガー軍団が打ち出すゴールへの強い意欲。
52分は養和の反撃。中央でボールを持った中村は、左へ流れながらきっちり枠内へ。ここは湯沢のファインセーブに阻まれ、ハットトリックとは行きませんでしたが、あわやというシーンを創出。その左CKを松川が放り込み、右から加藤がクロス気味に狙ったシュートは湯沢がキャッチ。55分は育英。田部井涼の右FKを廣川が確実にクリアすると、田部井涼が叩いたミドルは枠の右へ。直後には育英に3人目の交替。左サイドバックの山﨑舜介(3年・浦和レッズJY)と渡邊泰基(3年・アルビレックス新潟JY)をスイッチして、サイドの推進力アップに着手します。
それでも、山田陸(3年・三菱養和巣鴨JY)と冨久田のドイスボランチを筆頭に、セカンドへの反応と運動量で上回った養和は大枠でゲームをコントロール下に。67分に渡邊が単騎でえぐって持ち込んだシュートも川島が確実にセーブすると、直後には増子監督も2枚替え。冨久田と林に替えて、渋谷黎聖(3年・三菱養和調布JY)と栗原イブラヒムジュニア(1年・三菱養和巣鴨JY)を投入し、前線での運動量も含めたエネルギーアップを。72分には加藤が鋭い縦パスを打ち込み、中村とのワンツーで抜け出した栗原のシュートはわずかに枠の右へ外れましたが、「使って、失敗させて、経験させて伸ばしていきたいと思っているので。まだまだ課題も多いですけど、可能性のある選手ですよね」と指揮官も言及する1年生の惜しいシュートにどよめく観衆。
負けたくない育英も終盤はセットプレーからラッシュ。75分に渡邊が投げ込んだ左ロングスローは川島にキャッチされましたが、76分に田部井悠の右CKを松田がファーで折り返し、川島のパンチングを五十嵐理人(3年・ともぞうSC)が残すも、松田のボレーはヒットせず。81分にも田部井涼が右FKを蹴り込むも、田部井悠のヘディングはクロスバーの上へ。「結構放り込んでくることが多かったので、慣れた部分もあったかもしれないですね」とは増子監督。続く養和守備陣の集中力。
84分は育英の決定機。中盤で相手ボールを奪い切った田部井涼が完璧なスルーパスを通し、抜け出した榎本がシュートを放つも、飛び出した川島は自らのビッグセーブに気合のガッツポーズ。その右CKを田部井悠が蹴り込むも、上原のヘディングは枠の右へ。90+2分も育英。ロングフィードに榎本が競り勝ち、ラインの裏へ抜け出した飯島のシュートはクロスバーにハードヒット。90+3分は養和が松川と鈴木旭飛(3年・三菱養和巣鴨JY)を入れ替える3人目の交替で、取り掛かるゲームクローズ。90+4分は育英のラストチャンス。塩澤が残したボールを榎本が打ち切ったシュートも川島はワンハンドで弾き出し、ホームチームの守護神は最後までゴールを許さず。「良いゲームができたかどうかはわからないですけど、面白い試合だったかなと思いますね」と指揮官も笑顔を見せた養和が首位撃破。勝ち点3をホームで積み上げる結果となりました。 土屋
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