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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年06月05日

関東大会Aグループ準決勝 さくら清修×昌平@埼スタ第2G

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0604saista.JPG関東各都県の王者が集うAグループも今日はセミファイナル。栃木王者のさくら清修と埼玉王者の昌平が対峙する一戦は埼玉スタジアム第2グラウンドです。
昨シーズンは新人戦でいきなり真岡を破ってベスト4進出。関東大会予選では真岡のリベンジに遭ったものの、再びセミファナルまで勝ち上がると、インターハイ予選はベスト8、選手権予選はベスト16と一定の結果を残したさくら清修。迎えた今シーズンは新人戦こそ矢板中央相手の大敗でベスト8敗退を突き付けられましたが、この関東大会予選は真岡や宇都宮短大附属を相次いで撃破し、とうとう栃木制覇を達成。今大会も前日の初戦で茨城王者の明秀日立を延長戦で下した勢いのまま、一気にファイナル進出を狙います。
埼玉を勝ち抜き、初めての全国舞台となったインターハイでは衝撃のベスト4進出。選手権予選では準決勝で正智深谷の前に沈みましたが、今や県内屈指の強豪として知られるようになった昌平。「去年の選手たちがあそこまで結果を出して、基準がそこになったので、僕たちはそこを超えなきゃいけないですし、目指す所が変わったなと自分たちも思っています」と話すGKの緑川光希(3年・FC古河)やキャプテンの石井優輝(3年・C.A.ALEGRE)、関根浩平(2年・栃木SC JY)など昨年からの主力を守備陣に擁する今シーズンのチームも、既に新人戦と関東大会予選の二冠を獲得。「相手も強くてキツかった」(緑川)前日の初戦は柏日体に2点を先行されながら、追い付いた末に延長戦を制してこの準決勝へ。関東のタイトルに王手を懸けるべく、この80分間へ向かいます。埼スタ第2の天然芝は最高クラスのコンディション。注目のセミファイナルは昌平のキックオフでスタートしました。


6分のファーストシュートは昌平。左からサイドバックの堀江貴大(2年・大宮アルディージャJY)がクロスを上げると、ルーズボールを拾った渋屋航平(2年・FC LAVIDA JY)の左足ミドルは枠の上へ外れるも、10番が積極的なチャレンジを。13分にはさくら清修も左から君島佑哉(3年・さくら氏家中)がFKを蹴り込みましたが、ここは昌平不動の守護神を任された緑川が飛び出してキャッチ。15分には再び昌平。ボランチの原田虹輝(2年・クラブ与野)を起点に堀江を経由し、古川勇輝(2年・大宮アルディージャJY)が入れたクロスに高見勇太(3年・成立ゼブラFC)が飛び込むと、頭に当てたボールはさくら清修のGK菅沼伯哉(3年・FCアネーロ)がキャッチしたものの、まずは昌平が攻勢に打って出ます。
以降のゲームリズムも昌平。「ずっと前半の最初は引かれていて、自分たちのペースだったんですけど、ほとんどハーフコートだったと思う」と緑川も振り返る状況の中で、16分には渋屋が右サイドを抜け出してシュートまで持ち込むも、軌道はゴールの右へ。23分にも原田のパスから渋屋が思い切ってミドルを狙うと、菅沼が片手で弾き出したボールはクロスバーを直撃。26分にも高見が右へ振り分け、サイドバックに入った吉田航(2年・C.A.ALEGRE)のクロスに森田翔(2年・栃木SC JY)が合わせたボレーはクロスバーの上へ。30分には堀江のドリブルで左CKを獲得すると、原田の蹴ったキックはさくら清修のキャプテンマークを託された山岸史明(3年・AS栃木)が大きくクリア。連戦ということもあって、「昨日の疲労の部分はあったと思うんですけど、攻めないし動かなかったですよね」とは藤島崇之監督。先制点を奪い取るまでには至りません。
逆に右から清水陸(3年・那覇西高)、阿部夏輝(3年・さくら氏家中)、君島、手塚裕太(1年・FCスポルト宇都宮)で組んだ4バックとGKの菅沼を中心に粘り強く凌いでいたさくら清修も、31分にビッグチャンス。中盤センターを務める高橋大喜(3年・那須塩原西那須野中)のパスから高橋優太(3年・さくら氏家中)が左へ付けると、ワントップの大森弘貴(3年・那須塩原西那須野中)が中に潜りながら枠へ収めたシュートは、緑川が何とかファインセーブで回避し、詰めた高橋優太はオフサイドを取られたものの、「攻めていただけに逆に『後ろの選手たちは1本気を付けないといけないな』というのがあったので、自分も声を出しながら『ピンチになったら自分がやる』という気持ちを持っていた」という緑川の好守に助けられた格好の昌平もヒヤリ。
32分は昌平。佐相壱明(3年・緑山SC)のスルーパスに抜け出した古川は、1人外してシュートを放つも菅沼がキャッチ。33分はさくら清修。右サイドで清水が外に付けると、富田雄大(3年・AS栃木)が中へ戻したボールを佐藤龍一(3年・芳賀郡茂木中)はスルー。受けた山岸のスルーパスは、関根が間一髪でカット。35分は昌平。原田の左CKに石井が飛び込むも、山岸がきっちりクリア。昌平が「ずっとどう崩すかを考えていた」(緑川)前半はスコアレスで40分間が終了しました。


後半も攻勢は昌平。41分に高見のパスから佐相が打ち切ったシュートは、阿部が果敢にカットしましたが、42分にも右から原田が蹴ったCKに関根が合わせたヘディングは菅沼がキャッチ。さらに45分にも森田とのワンツーで右サイドを抜け出した吉田がクロスを送り、古川のシュートは枠の右へ逸れたものの、「仕掛けの部分で人を増やすというか、アグレッシブに前に出ていく姿勢というのは増やしたいなと思っていた」藤島監督の考えを具現化しつつ、狙うさくら清修ゴール。
スコアが動いたのは47分。「原田くんから縦パスが入って、マーカーが自分に付いてきたので」古川は空いたスペースへラストパス。これを少し持ってから渋屋が思い切り叩いたシュートは、豪快にゴールネットへ突き刺さります。「0-0でもウチはいつもゆったりしながら、後半はパッと変わっていくという状況が多い」と藤島監督が語った通りのギアチェンジで先制点まで。昌平が1点のリードを手にしました。
一気呵成。50分も昌平。関根、佐相、吉田と細かくボールが回り、高見が枠へ収めたシュートは菅沼がファインセーブで応酬。52分も昌平。左サイドでしっかり形を創り、ここも高見が右スミを狙ったシュートは菅沼のワンハンドセーブに阻まれたものの、勢いそのままに追加点は54分。古川を起点に関根が右へ振り分け、吉田のクロスが中央にこぼれると、「あまりミドルシュートを打ったことがなかったんですけど、コースを狙うシュートのイメージは常に持っていた」という古川が得意の左足一閃。左スミギリギリを襲ったミドルは、ポストを叩きながらゴールネットへ飛び込みます。「前に出てゴールに関わるという状況に長けている部分はある」と指揮官も認める古川のゴラッソ。両者の点差は2点に開きました。
57分にも高見に、58分にも森田に際どいシュートを打たれたさくら清修は、63分に2枚替えを決断。手塚と高橋大喜に替えて、相田修杜(1年・さくら氏家中)と石下黎(3年・AS栃木)を送り込み、整える反撃態勢。昌平も64分に1人目の交替。吉田を下げて、「長いことやっていなかったので、今はプレーイングタイムを短くしていますけど、もうスタートから行けるかなという感じ」と藤島監督も言及した塩野碧斗(3年・1FC川越水上公園)をそのまま右サイドバックへ投入。サイドの安定感と推進力向上に着手します。
66分は昌平。渋屋のスルーパスに佐相がスライディングで打ち切ったシュートは、菅沼が丁寧にキャッチ。67分も昌平。高見からのリターンを渋屋が狙ったシュートはクロスバーの上へ。直後に佐相と高見を、伊藤雄教(2年・フレンドリー)と飯村真大(3年・武南JY)にスイッチする2枚替えを挟み、70分にも渋屋のパスから森田が放ったシュートは、菅沼がファインセーブで仁王立ち。73分にも原田、伊藤と回ったボールを飯村がシュートまで持ち込むも、菅沼がこの日6本目のファインセーブで凌ぐと、その右CKを森田が蹴り込み、石井が枠へ飛ばしたヘディングは高橋優太がライン上で決死のクリア。3失点目は許しません。
続く昌平のラッシュ。78分に原田と伊藤を経由した流れから、森田が打ったシュートはわずかにゴール左へ。先制弾の渋屋と河合友也(3年・FOURWINDS FC)をスイッチした4人目の交替を経て、直後の78分には伊藤のパスを受けた古川のシュートは菅沼がワンハンドでファインセーブ。4分のアディショナルタイムが掲示されると、さくら清修は3人目の交替として山岸と郡司空(3年・AS栃木)を入れ替え、いよいよゲームは最終盤へ。
ゲームを締め括ったのは「ゴールという結果でチームを助けていければなと意識しています」と語る2年生レフティ。80+3分に飯村が左へ流し、伊藤のクロスに合わせた森田のシュートはヒットしなかったものの、「あそこにこぼれるだろうというイメージでいたらこぼれてきた」という古川が左足で蹴り込んだシュートはゴールネットへ吸い込まれます。「最初は左足が攣って、次は右足が攣っちゃったので」と苦笑した古川が、ゴールと同時に倒れ込んだ姿を見て、ベンチのスタッフに笑顔がこぼれた中で、「僕も隠れて笑っていました」とは緑川。終わってみれば0-3。「タイトルという部分に関して言えば、選手も1つ1つの大会に対するモチベーションをしっかり作っていますし、結局はインターハイも選手権もトーナメントで戦う中で、ある意味チャレンジができる状況だと思うので、この機会を大切に勝負にこだわっていきたいと思います」と藤島監督も話した昌平が、関東制覇に王手を懸ける結果となりました。
      土屋

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