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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年06月25日

インターハイ東京準決勝 東海大菅生×実践学園@駒沢第2

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0624koma2-2.JPG14年ぶり4度目か。それとも5年ぶり3度目か。支部予選から6連勝で勝ち上がってきた東海大菅生が、関東大会予選準優勝の実践学園に挑む構図のセミファイナルは、引き続き駒沢第2球技場です。
なかなか都大会までは進出することができなかったものの、複数の下級生が実戦経験を積み重ねることで、着々とチームのベースは築かれていた昨シーズンの東海大菅生。迎えた今シーズンは、関東大会予選こそ初戦で帝京に1-4で敗れたものの、今大会は支部予選を連勝で勝ち抜けると、一次トーナメントは都立葛飾野にPK戦で、早大学院に1-0で競り勝って、二次トーナメントまで。先週のクォーターファイナルは手塚弘利監督も「プラン通り。全部ハマりました」と笑顔を見せる内容で、早稲田実業を4-1で下してこのステージまで。14年ぶりの全国はもうすぐそこまで迫っています。
ほとんどの選手にとって、トップチームでのプレーはこの新チームになってからにもかかわらず、2月に開幕したT1リーグではここまで無敗で首位をキープ。関東大会予選も成立学園や國學院久我山といった難敵を相次いで撃破して本大会出場を決めるなど、各方面からの評価も非常に高い実践学園。それでも「自分たちは凄いヤツがいるという意識ではやっていないので、全員が1つになれなかったら絶対に勝てない」と話すのはキャプテンの尾前祥奈(3年・江東深川第四中)。駒澤大学高と激突した先週のクォーターファイナルも2-0で制して、宮城へ王手の懸かるセミファイナルへ。5年ぶりの全国を確実にその視野へ捉えています。12時の駒沢はもはや真夏の陽射し。楽しみな80分間は実践のキックオフでスタートしました。


立ち上がりから攻勢に出たのは「自分たちがやってきたことを出し切ろうという話からゲームに入った」と浦寛人(3年・GA FC)も話した実践。2分に前原龍磨(3年・三菱養和調布JY)のパスから、武田義臣(3年・FC Branco八王子)が放ったシュートは枠の右へ外れましたが、6分の先制弾もやはりこの2人から。エリア内で前を向いた前原は、武田とのワンツーからそのままフィニッシュ。菅生のGK橋本颯(2年・FC東京U-15むさし)もファインセーブで掻き出したものの、運悪くDFに当たったボールはゴールネットへ飛び込みます。「シンプルなワンツーが良かったですね」とは深町公一監督。実践が早くも1点のリードを手にしました。
さて、「『慣れるまで最初の10分は我慢しろ』と言ってたんですけどね」と手塚監督も苦笑した菅生は7分にファーストシュート。右サイドに開いた青木紘貴(3年・国分寺第一中)のシュートはゴール左へ逸れましたが、以降はゲーム自体が膠着状態に陥る中で、「9番がスピードや運動量で厄介な部分があったので、その子を意識し過ぎてラインを下げ過ぎたという所はある」と尾前も振り返った通り、9番を背負った青木が前線で存在感を示したことで、実践はライン間がやや間延びした状態に。ボールを持つ時間は長い中で、菅生も湯江俊太(3年・FC GLORIA)と中内耀大(3年・FC GLORIA)で組んだセンターバックコンビを中心に守備陣の集中力が高く、アタックに連携がなかなか出てきません。
35分は菅生。キャプテンマークを託された杉浦夢翔(3年・東海大菅生中)がサイドをえぐって折り返すと、日置出帆(3年・AZ'86東京青梅)のシュートは枠に収まるも、実践のGK成田雄聖(3年・S.T.FC)が丁寧にキャッチ。37分も菅生。杉浦が蹴った左FKは飛び出した成田がキャッチ。39分も菅生。杉浦の縦パスを鈴木亮太郎(3年・あきる野秋多中)が落とし、3列目から飛び出した長坂南旺(3年・三菱養和調布JY)のミドルは枠を越えるも、積極的なチャレンジを。実践も40分には、高須史弥(3年・VERDY S.S.AJUNT)と石本耀介(3年・青山SC)の連携で奪った右CKを山内稔之(2年・AZ'86東京青梅)が蹴り込み、こぼれを山内がクロスに変えるも、浦のヘディングはヒットせず。「ああいう所をリーグ戦も含めて耐えて凌いできているので、前半はとにかくあのまま1-0で終わればいいかなという所でした」と深町監督。30分過ぎから菅生がペースを奪還した最初の40分間は、実践が1点のリードを保って終了しました。


後半のファーストチャンスは「自分たちの前線とバックラインの距離が空いてきて、間延びしてセカンドを拾われ出した時に相手のペースになってきていたので、ハーフタイムにそこを修正した」(浦)という実践。42分に武田、前原と回したボールを高須は左へ振り分け、山内のグラウンダークロスは菅生のセンターバックに入った湯江俊太(3年・FC GLORIA)が懸命にクリアしたものの、サイドアタックからあわやというシーンを創出します。
ただ、そのCKは一転して菅生のカウンターに。杉浦が粘って運び、長坂を経由して吉田雄登(3年・石神井マメックスFC)が打ち切ったミドルは枠の左へ外れましたが、アタック自体の切れ味は十分。44分には手塚監督も1人目の交替として、長坂と本来の司令塔でもある近藤想平(3年・ヴェルディSS相模原)を入れ替え、中盤の展開力と攻撃力向上に着手。45分には右サイドを運んだ日置が、そのまま枠の右へ外れるミドルまで。実践が50分に右から山内、53分に左から杉浦と続けて蹴ったCKも、前者は舩木未来哉(3年・FC杉野)が、後者は吉田がきっちりクリア。深町監督も「5バック気味になって、セカンドも拾えないというような状況ができていましたよね」と振り返るなど、後半も菅生のアタックには同点の香りが。
そんな中で実践にとって絶好の追加点機が訪れたのは55分。右から前原が入れたアーリークロスに村上圭吾(3年・三菱養和調布JY)が走り込むと、エリア内でGKと接触して転倒。主審はペナルティスポットを指し示します。大事なPKのキッカーはキャプテンの尾前。「緊張はしたんですけど、とりあえず下でサイドを突けば大丈夫かなと思って」左スミを狙ったキックは、橋本も反応していたもののわずかに及ばず、ゴールネットへ吸い込まれます。「後半の最初の20分ちょっとは飲水タイムまで勝負を懸けようと話していた」と指揮官も言及した、"勝負の時間帯"できっちり結果を。実践のリードは2点に広がりました。
すかさず58分に実践ベンチは2枚替え。右ウイングバックの石本を大関友貴(3年・FC多摩)と、ボランチの高須を奥山勝(3年・府中浅間中)とそれぞれスイッチして、サイドと中盤のバランス改善を。60分には山内のクロスから左CKを手にすると、武田のキックに前原が食らい付くも吉田が何とかクリア。「後半も入り自体はそんなに良くなかったんですけど、そのあとだんだん修正できたと思う」と浦。斎藤彰人(3年・FC多摩)、尾前、三澤健太(3年・昭島瑞雲中)の3バックも含め、ようやく実践に戻ってきた本来の安定感。
一気に仕掛けた菅生ベンチ。61分に日置を替げて、影山颯太(2年・東海大菅生中)を右サイドハーフへ送り込むと、66分に奥山が右へ振り分け、大関のクロスにフリーで合わせた前原のヘディングが右へ逸れる実践の決定機を経て、直後の66分には吉田と横山正司(2年・東海大菅生中)を、68分には杉浦と鈴木大智(3年・FC町田ゼルビアJY)を相次いで入れ替え、青木と鈴木亮太郎の2トップに、サイドハーフは右が影山、左が鈴木大智、ドイスボランチには近藤と横山を並べて最後の勝負に。残り時間は10分間。全国を巡るセミファイナルもいよいよ最終盤へ。
72分は実践に3人目の交替。2ゴールに絡んだ前原に替えて、浅野遥輝(3年・FC多摩)がピッチへ。73分は菅生。ミドルレンジから青木が狙ったミドルはゴール右へ。直後の73分は実践に4人目の交替。武田と村木龍晟(2年・FC GONA)を入れ替えると、76分には「今までT2に出ていた子で初めて使ったんですけど、よくやったかなと思います」と深町監督も評価を口にした奥山が縦に付け、村木が打ち切ったシュートは湯江が執念のブロック。78分にも村木は右サイドからカットインしながら、わずかに枠の左へ外れるシュートを放つなど、追加点への意欲も十分。アディショナルタイムは3分の掲示。近づく歓喜の瞬間に落ち着かない実践応援団。
80+1分は菅生のラストチャンス。舩木が投げ入れた左ロングスローのこぼれを横山が拾って戻し、舩木の左クロスに飛びついた影山のヘディングが枠の右へ消えていくと、程なくして駒沢の空に吸い込まれたのは主審のファイナルホイッスル。「そんなスーパースターはいないですけど、コツコツとやる子たち」(深町監督)の実践が熱戦を制し、5年ぶりとなる全国切符をもぎ取る結果となりました。


前述したように今シーズンはT1リーグが開幕した2月から、ずっと高い評価を受け続けていた実践。ただ、「"雑草魂"じゃないですけど、そういう走る気持ちとか、そういう部分がないと勝てないというのはしっかり意識しているので、周りの声があっても『自分たちが上手いんだ』とか、そういう勘違いは起こさないようにはしていますね」と話すのは尾前。関東予選時には前原も「まだチームとしても個人としても物足りなさはありますし、ここで満足しないで僕らも成長しないと、すぐにどんどん追い抜かれていくんじゃないかなと思います」と危機感を口にするなど、慢心する気配はなかったものの、やはり評価通りの結果を出すことが難しいのは言うまでもなく、「『良い良いと言われていて、関東大会が終わってインハイを落とすチームは多い』と監督にも言われ続けていたので、このインハイを獲れたことは大きかったです」と浦が笑顔で話した言葉も、実際に彼らの本音であることは間違いないでしょう。「全国大会でまだウチはベスト16までしか行ったことがないので、リーグ戦も入れて四冠を獲るという目標と、全国でベスト8というのが彼らが決めた目標で、それは先輩を超えたいという気持ちでしょうね」と深町監督が言及したように、結果という意味ではベスト8を掲げつつ、「実践らしいサッカーで戦っていく」(尾前)という部分も全国の舞台を経験する上で大事な要素。5年ぶりに実践が乗り込む真夏の祭典での躍進が今から楽しみです。         土屋

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