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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年05月27日

インターハイ東京一次トーナメントHブロック決勝 成立学園×都立駒場@駒沢補助

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0527komaho1.JPG共に夏の全国を知る強豪同士がブロック決勝で激突。成立学園と都立駒場が対峙する好カードは、今週も駒沢補助競技場です。
昨シーズンは各ポジションに好素材を擁し、関東大会予選こそ本大会出場を果たしたものの、インターハイ予選と選手権予選では揃って全国へあと1勝まで迫りながら、そのあと1勝に届かなかった成立学園。迎えた今シーズンは「スタメンの半分以上が昨年はセカンドチームでした」と菅原克海(3年・中野北中野中)が話したように、メンバーも大半が入れ替わった中、ベスト16で実践学園に1-2で惜敗した関東大会予選を経て、今大会の初戦は大成に2-1で逆転勝利を収めてブロック決勝へ。3年ぶりの全国へ向けて落とせない80分間を戦います。
関東大会予選は帝京をPK戦で退けて堂々とベスト8進出。さらにインターハイ予選では、半年前に全国準優勝を経験していた國學院久我山を倒して、やはりベスト8まで進出しながら、締め括りの選手権予選はまさかの初戦敗退を突き付けられてしまった昨シーズンの都立駒場。今シーズンも関東大会予選は優勝した関東第一に敗れたものの、1-2としっかり食い下がって地力を証明。今大会は都立府中東を3-0、本郷を4-1と相次いで撃破してこのステージまで。都内きっての智将・山下正人監督の下、真剣に全国を狙います。快晴の駒沢は先週より少し陽射しも柔らか。激戦必至のブロックファイナルは駒場のキックオフでスタートしました。


勢い良く立ち上がったのは駒場。2分にボランチの柴田遼空(3年・VIVAIO船橋)を起点に、右へ流れた小松優介(3年・江戸川西葛西中)がクロスを放り込み、中に潜った菊地陽(2年・ジェファFC)はシュートを打ち切れなかったものの、悪くないサイドアタックを。4分にも右サイドで奪ったFKをキャプテンマークを巻いた高木晴(3年・府中浅間中)が蹴り込み、ここは成立のGK横井健太(3年・FCトリプレッタJY)にキャッチされましたが、まずはサイドからの攻撃を中心に手数を繰り出します。
「入りは悪くなかった」(菅原)成立も8分にファーストシュート。ミドルレンジで前を向いた窪田稜(2年・S-P FUTE U-15)が狙ったシュートはゴール右へ。11分は駒場。奥谷友哉(3年・FC町田ゼルビアJY)がFKをショートで蹴り出し、菊地が繋いだボールを右サイドバックの土屋諒輔(3年・三鷹F.A.)は枠の右へ外れるミドルにトライ。13分は成立。窪田が左から上げたクロスはゴールに向かうも、ここは駒場のGK藤本和輝(3年・FC.PROUD)がファインセーブで何とか阻止。18分も成立。佐久間駿希(3年・田口FA)、米津天(3年・柏レイソルA.A.TOR'82)とボールを回し、キャプテンの鈴木皓(3年・柏レイソルU-15)が打ったシュートは土屋が体でブロック。少しずつ成立が攻勢を強めるも、高木と今川雄太(2年・鹿嶋鹿島中)の両センターバックを中心に、駒場ディフェンスが維持する高い集中力。
すると、先に応援団を沸騰させたのは駒場。30分に菊地と増田慶斗(3年・AZ'86東京青梅)の連携で左CKを獲得すると、キッカーの奥谷はファーサイドまで。岡村直樹(3年・FC駒沢U-15)が折り返したボールは横井が懸命に弾き出しましたが、ここに詰めていたのは高木。混戦から流し込んだボールはゴールネットへ吸い込まれます。1年時はアタッカーを務めていたセンターバックがさすがの嗅覚で先制弾。駒場がスコアを動かしました。
「セットプレーは対策したんですけど、ちょっと悪い形でやられてしまって」(菅原)ビハインドを負った成立。31分には右サイドバックの大木隼人(3年・成立ゼブラFC)がスローインを投げ込み、鈴木のパスから武井颯太(3年・成立ゼブラFC)が上げたクロスは中と合わず。34分は駒場。高木の右FKからこぼれを叩いた岡村のミドルは枠の右へ。40+2分は成立。武井が思い切って放ったミドルは枠の上へ。「前半はまんまとやられましたね」とは成立を率いる宮内聡監督。駒場が1点のアドバンテージを携えて、最初の40分間は終了しました。


「『クロスを上げても点を取る気があるヤツが一人もいない』と。『クロスボールに泥臭く突っ込んでいくみたいなことは誰もやらないじゃないか』とハーフタイムに言いました」という宮内監督の檄を受け、43分に輝いたのは「前半も自分で『中に入れていないな』と思っていたので、後半は絶対しっかり自分が中に入って枚数を増やそうと思っていた」6番のボランチ。右サイドに出た鈴木がクロスを上げると、ニアで窪田が潰れ、ファーには全力で菅原がダッシュ。「トラップがちょっとおぼつかなくて、自分のスネあたりに当たって、相手に当たって自分に当たってみたいな」ボールは、菅原の執念を内包しながらゴールネットへグサリ。「絶対点を決めてやろう」という菅原が抱いた意識の結実。スコアは振り出しに引き戻されます。
追い付かれた駒場が相次いで切った交替カード。45分には奥谷に替えて村田明飛(3年・東京ベイFC U-15)を、47分には増田に替えて石川一希(2年・三田中)をそのまま前線と右サイドハーフへ投入しましたが、次の得点もゼブラ軍団。48分に右から武井が入れたCKにセンターバックの照山颯人(2年・柏レイソルU-15)が競り勝つと、中村海斗(3年・東松山ペレーニア)が押し込んだボールはきっちり反応していた藤本もわずかに及ばず、ゴールネットへ到達します。5分間の逆転劇。成立がスコアを引っ繰り返しました。
52分にも中村の左クロスから、鈴木がわずかに枠の右へ逸れるシュートを放った成立は、リードと共に一気にゲームリズムを奪取。駒場は55分に岡村と島田恵吾(3年・クリアージュFC)をスイッチしましたが、62分も大木と武井のコンビネーションで成立は右CKを確保し、鈴木のキックは中央でのオフェンスファウルでシュートには結び付かなかったものの、「ビビらずにボールを動かす、マイボールにしてサッカーする、ということ」(宮内監督)を実践するピッチの選手たち。
66分は駒場に4人目の交替。ボランチで奮闘した西川速人(3年・FC.GONA)を下げて、蓮池陸(3年・府ロクJY)の投入でもう一度取り戻したい中盤の運動量。67分は成立も2枚替え。武井と米津の両サイドハーフを大塚蓮太(3年・1FC川越水上公園)と田村裕(3年・成立ゼブラFC)に入れ替え、こちらも攻守のさらなるバランス向上に着手すると、68分には大木のクサビを大塚はヒールで残し、佐久間のシュートは左ポストを直撃。「ウチが動かしていく"ブロー"が後半になって効いてくると思います」と宮内監督。照山と村上渉(3年・クリアージュFC)のセンターバックコンビを軸にしたディフェンス陣も安定感を保つ成立が、1点のリードを維持したままでゲームは残り10分間とアディショナルタイムへ。
そんな中で終盤の苦しい時間帯に次の得点を記録したのも成立。74分にGKの横井が大きくフィードを前方へ蹴り込むと、やや駒場ディフェンス陣の連携が乱れ、ボールは全力で走っていた窪田の足元へ。11番を背負った俊足ストライカーは冷静にGKをかわしながら、ゆっくりとゴールネットへボールを送り届けます。「勝負を決めるのはやっぱりゴール前」(宮内監督)。大きな大きな3点目が成立に入りました。
少なくとも2点が必要となった駒場は、75分に大木と山崎蓮(3年・成立ゼブラFC)を入れ替えた成立3人目の交替を挟み、76分にセットプレーのチャンス。左から土屋が蹴ったCKは、しかし照山が大きくクリア。78分にも菊地の右FKを横井がパンチングで凌ぎ、島田が打ち切ったミドルはゴール右へ。80分には成立も大塚のパスから窪田がカットインシュートを枠に収めるも、藤本がファインセーブで必死に回避。2点差のままで、アディショナルタイムは3分間の掲示。
80+2分は駒場のラストチャンス。島田が左CKをショートで始め、小松のクロスに高木が合わせたヘディングも枠の右へ外れてしまい、万事休す。80+3分にはカウンターから窪田が打ったシュートに、藤本もファインセーブで応酬して意地を見せましたが、ファイナルスコアは3-1。「この前の試合もあって絶対逆転できるという気持ちはみんな持っていたと思う」と菅原も口にした成立が難敵を下し、6月の二次トーナメントへと駒を進める結果となりました。


「目的がボールを動かすみたいにちょっとなっている時期ではあるんです」と前置きしながら、「自分たちのプレーにこだわっている中で、どうしても裏に行くことを忘れちゃったり、嫌な所に走るのを忘れちゃったり、それがうまくいかないとピッチの中でリズムが悪くなって、セットプレーで失点するのは前の試合と一緒」と話した宮内監督。ただ、「今日も大きな荷物をしょってスタートしちゃった」(宮内監督)状況から、やはり前の試合同様に逆転まで持っていったチームの地力は確か。今シーズンから公式戦の経験を積んでいる選手たちも含めて、グループとしての総合力は間違いなく上がっている印象です。「まずはインターハイで絶対に全国に出て、成立学園をみんなに知ってもらって、全国で行ける所まで行きたいです」と語ったのは同点ゴールをねじ込んだ菅原。その目標へ辿り着くために必要な勝利はあと3つです。        土屋

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