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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年05月29日

インターハイ東京一次トーナメントGブロック決勝 駒澤大学高×修徳@駒沢第2

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0527komaho3.JPGブロック決勝の中でも指折りのビッグマッチが実現。共に選手権で全国ベスト8を経験している駒澤大学高と修徳の一戦は駒沢第2球技場です。
昨シーズンはインターハイ予選こそ代表権を逃したものの、選手権予選では難敵を次々と下して堂々連覇を達成。迎えた全国の舞台でも2年連続でベスト8まで勝ち上がり、その名を大きく知らしめることとなった駒澤大学高。ほとんどメンバーの入れ替わった今シーズンは、関東大会予選で國學院久我山とPK戦までもつれ込みながら惜敗する熱戦を演じましたが、「リーグ戦で2勝1分け5敗なので、もう私の中で切り替えた」と大野祥司監督も話したように、なかなか結果が継続して付いてこない中で、1,2年生を数多く起用しながら、今大会は初戦で都立日野台に1-0で競り勝ってブロック決勝へ。二次トーナメント進出を懸けて強豪との80分間に挑みます。
関東大会予選ではインターハイの全国出場校でもある東海大高輪台を3-0で下し、都立東久留米総合には延長で敗れたものの、悪くないシーズンの入り方をしましたが、インターハイ予選は初戦で東京実業に0-1で敗退。1次予選から登場した選手権予選もベスト16で帝京に1-4で敗れ、上位進出を果たすことは叶わなかった昨シーズンの修徳。今シーズンは新チームの立ち上げとなった新人戦で地区予選優勝を果たしながら、関東大会予選はリターンマッチとなった帝京戦に再び1-4でベスト16敗退を突き付けられたものの、今大会は初戦で東京を3-1で退けてブロック決勝へ。虎視眈々と全国切符の獲得を狙っています。駒沢第2のスタンドには少なくない数の観衆が詰め掛け、雰囲気も十分。激戦必至の好カードは駒澤のキックオフで幕が上がりました。


5分のチャンスは修徳。右からサイドバックの大沼祐己(3年・SK ONZE FC)が上げたクロスに、ルーキーの柳原光希(1年・浦和レッズJY)が頭で合わせたシュートはオフェンスファウルになりましたが、1年生アタッカーが積極的なプレーを披露。15分は駒澤にファーストシュート。中央をドリブルで運んだ江藤惇裕(2年・坂戸ディプロマッツ)の枠内ミドルは、修徳のGK鈴木晟一(3年・FC ESFORCO)が丁寧にキャッチ。立ち上がりは修徳の勢いが上回った中で、比較的静かな展開を保ちながらゲームは進行していきます。
ただ、少しずつ押し込み始めたのは駒澤。23分に青山慎二(3年・三菱養和調布JY)を起点に、右へ開いたセンターバックの羽鳥陽祐(2年・フレンドリー)がクロスを蹴り込むと、キャプテンの米谷拓海(3年・FC東京U-15むさし)が残したボールから森田陸翔(1年)が打ち切ったシュートはDFが体でブロック。24分にも右からこちらもルーキーの小林蒼太(1年・Forza'02)がFKを蹴り込むも、修徳のボランチを務める横須賀郁哉(2年・バリエンテオンセFC)はきっちりクリア。深澤佑大(3年・クラブ・ドラゴンズ柏)と張ヶ谷茂樹(3年・柏レイソルA.A.TOR82)のセンターバックコンビが支える修徳の堅陣。変わらない点差。続くスコアレス。
31分は駒澤。左サイドバックの小林泰晟(1年)がロングスローを投げ込むも、入ってきた米谷はコントロールできずボールロスト。38分も駒澤。江藤が蹴り込んだ左FKはシュートまで至らず。40分も駒澤。青山が絶妙のパスを繰り出すも、走った森田より一瞬早く鈴木が飛び出して確実にクリア。「今日の修徳からは全国を経験しているチームとの対戦になるので、『絶対に簡単じゃない』という話はしてきた」と大野監督が話したように、均衡したゲームはお互いに決定機まで創り切れず。スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半は修徳が先にチャンスを創出。42分には横須賀が駒澤のGK鳥山力(2年・FC東京U-15深川)にキャッチを強いるミドルを放つと、46分には左サイドバックの千代田和樹(3年・ヴェルディS.S.レスチ)のパスを受けた刑部泰生(2年・アミーゴFC)が中央へ折り返し、柳原のシュートはDFに阻まれるも、クリアに飛び込んだ松林空(3年・船橋宮本中)へ当たったボールはわずかにクロスバーの上へ外れ、意外な流れのチャンスシーンにどよめくスタンド。
そんな中で先にスコアを動かしたのは駒澤。1人目の交替として小林と秋遼太郎(3年・Forza'02)をスイッチした直後の48分に、米谷が粘って獲得した右CK。小林が丁寧に蹴り込んだキックへ、前半の内にボランチからセンターバックへポジションを変えていた齋藤我空(2年・Forza'02)が飛び込むと、競り合ったマーカーに当たったボールはそのままゴールネットへ飛び込みます。「両足で蹴れるんですよね」と大野監督も言及した小林が、左足で繰り出す高精度キックが呼び込んだ先制点。駒澤が1点のリードを手にしました。
にわかに動き出す両ベンチ。49分は駒澤。2人目の交替は森田を下げて、保科一生(2年・東京久留米FC U-15)を米谷と最前線に並べ、秋は右サイドハーフ、青山はボランチ、石澤は左サイドバックへそれぞれ配置転換。51分は修徳にも1人目の交替。左サイドハーフの石崎皓大(2年・柏ラッセルFC)と伊東紀行(2年・アーセナル市川)を入れ替えて、全体のパワーアップに着手。52分は修徳にチャンス。松林とのワンツーから大沼が右アーリーを送り込むも、刑部のボレーはヒットせず鳥山がキャッチ。54分にも修徳は柳原と小曽川陸(3年・越谷千間台中)をスイッチして、まずは1点を返しに掛かります。
55分は修徳。右から伊東が投げ入れたロングスローはシュートまで至らず。56分も修徳。伊東が今度は右FKを放り込むと、飛び出した鳥山がパンチングで回避。直後の56分は駒澤。高い位置でボールを奪った江藤がミドルを打ち切るも、DFに当たって鈴木がキャッチ。59分は修徳。後方からのフィードに小曽川が競り勝ち、抜け出した刑部がシュートまで持ち込むも、懸命に戻った石澤が体でブロック。60分は駒澤。石澤が自ら入れたロングスローのこぼれを、ミドルレンジから叩いたシュートは枠の左へ。攻撃の時間と回数はやや修徳。点差は依然としてわずかに1点。
修徳3人目の交替は61分。大沼を下げて、稲澤翔太(3年・VERDY S.S.AJUNT)をピッチへ送り込み、向上させたいサイドの推進力。63分は修徳。伊東の左FKは齋藤が大きくクリア。66分も修徳。伊東の左ロングスローに、ニアで張ヶ谷が競り勝った流れもフィニッシュは取り切れませんでしたが、伊東が両手と右足で生み出すセットプレーは修徳に小さくない可能性を。67分は駒澤に決定機。石澤の左FKはファーまで届き、飛び込んだ保科のヘディングはわずかにゴール左へ外れ、本人もベンチも頭を抱えます。
それでも抜け目なく次の得点を記録したのも赤黒軍団。68分に右サイドをドリブルで運んだ江藤が、ゴールラインを割りそうで割らない突破からえぐって中へ。この対応にDFがややもたつくと、こぼれをかっさらった保科がそのままシュート。ボールはゴールネットを確実に揺らします。「先発で行こうかなと思っていたんですけどね」と指揮官も明かした2年生アタッカーが終盤に大仕事。両者の点差は2点に広がりました。
一気呵成の駒澤。71分に右からサイドバックの細川竜征(2年・Forza'02)が入れたクロスに、米谷が合わせたヘディングはわずかに枠の右へ。72分にも石澤の左クロスを米谷が丁寧に落とし、保科が放ったシュートは右のゴールポストを直撃。修徳も72分に松林と内藤紫音(2年・FC ESFORCO)を4枚目の交替として入れ替えると、その5分後の77分には稲澤のフィードに古場幹朗(3年・K.Zヴェルメリオ)が競り勝ち、内藤がダイレクトで狙ったシュートは枠を越えたものの、前線に人数を掛けて最後の勝負に。
79分は駒澤。石澤のフィードを粘って収めた米谷は、反転しながらシュートを打ち切りましたが、ボールは右のポストをかすめて枠外へ。80分も駒澤。米谷、保科とボールが繋がり、左サイドを駆け上がってきた小林のシュートは枠の左へ。80+2分も駒澤。青山が左へ流すと、ここも走った小林が思い切ってシュート。軌道はゴール左へ逸れたものの、「小林蒼太は後半になればなるほど出てきて、大したものだなと思いましたね」と大野監督も高評価を与えた1年生アタッカーが最終盤まで披露する脚力とゴールへの意欲。
意地の一撃は80+2分。修徳は長いボールで押し込んだ流れから、エリア内で粘って収めた小曽川がシュートをきっちり枠内へ。鳥山もファインセーブで応酬しましたが、こぼれにいち早く反応した内藤が蹴り込んだボールはゴールネットへ飛び込みます。反撃の1点に応援席も沸騰したものの、直後に主審が吹き鳴らしたのはタイムアップのホイッスル。「最後の失点は甘い所が出ましたね。勝てたことだけはよしとしたいと思います」と渋い顔は大野監督。それでも駒澤がしっかり勝ち切って、成立学園が待つ二次トーナメントへ駒を進める結果となりました。


前述したようにリーグ戦では思うような結果が付いてきていない中でも、トーナメントコンペティションでは勝負強さを発揮している駒澤。「これだけリーグで結果が出ない中で、僕は『インターハイ獲りに行くぞ』と言っちゃったんですよね。根拠はないんだけど、『俺がチャンピオンになる気にならなかったら、このチームは絶対に勝てない。その意味がわかるか?』と言って」と明かした大野監督は続けて、「まず『負けて悔しい』とか『絶対にチャンピオンになる』とか、そこを強く思わないと技術も何も出てこないし、伸びてこないと思うんですよね」とも。3月の時点で「監督から何も言われなくなったら終わりですし、そこで『なにくそ』と思うことでチームとしてしっかりやっていこうと思っています」と話していたのはキャプテンの米谷。指揮官のメッセージは果たしてどういう形で選手たちへ浸透していくのでしょうか。       土屋

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