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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
10回以上に及ぶ夏の全国出場経験を誇る名門と、昨年度のこの大会でブレイクした新鋭が対峙する一戦。暁星と都立東大和南のブロック2回戦は引き続き駒沢補助競技場です。
昨シーズンは関東大会予選への出場は叶わず、インターハイ予選は一次トーナメント初戦、選手権予選も二次予選初戦で敗退を突き付けられるなど、なかなか結果に恵まれなかった暁星。新人戦を粘り強く勝ち上がり、迎えた今シーズンの関東大会予選では初戦で難敵の都立東久留米総合をPK戦で撃破。林義規監督は「あんなのはたまたまだから」と話しましたが、一定の手応えを掴みつつある状況でこのブロック2回戦へ向かいます。
昨年の1年間は飛躍の時。インターハイ予選で堀越を撃破し、都大会ベスト8まで進出すると、選手権予選でもその勢いは止まらず、同校史上最高成績となるベスト4入りを果たし、西が丘のピッチに堂々と立った都立東大和南。今シーズンは関東大会予選こそ初戦敗退を喫し、T4リーグでも黒星が先行していますが、先週のゲームでは都立城東に終盤で劇的に追い付き、そのままPK戦を制してブロック2回戦まで。強豪相手の一戦にも確かな自信を携えて臨みます。午後の陽射しも強烈な駒沢には少なくない観衆の姿が。注目の好カードは東大和南のキックオフでスタートしました。
ファーストシュートは4分の東大和南。左から10番を背負った上野零史(3年・FC.GONA)がFKを蹴り込み、ファーに飛び込んだ関口樹人(3年・FC VIGORE)のヘディングはゴール右へ外れるも、あわやというシーンをいきなり。9分は暁星にもビッグチャンス。北本達拓(2年・暁星中)を起点に古谷祐人(2年・暁星中)が左へ流し、井出匠一郎(3年・暁星中)が枠へ収めたシュートは、東大和南のGK磐井雄真(2年・FC.GONA)がファインセーブで掻き出しましたが、お互いに好機を創り合ってゲームは立ち上がります。
すると、先にスコアを動かしたのは林軍団。10分にスムーズなパスワークから中塚剛佑(2年・暁星中)が左へ展開したボールを、利田健斗(3年・暁星中)は縦にドリブルで運びながらグラウンダーで絶妙のクロス。ここへ全力で走り込んできた窪田大輝(2年・暁星中)の豪快なダイレクトシュートがゴールネットへ突き刺さります。完璧なサイドアタックから右サイドハーフが一仕事。暁星が1点のリードを奪いました。
さて、追い掛ける展開を強いられた東大和南ですが、昨シーズンを席巻したパスワークはそのまま継続。及川尚登(3年・田無第四中)と関口の両センターバックに磐井を含めて、最後尾から丁寧に繋ぎながら縦へのスイッチを探すものの、暁星の出足鋭いパスカットに阻まれ、なかなか前でポイントができず。24分には中央、ゴールまで約30mの位置から小山海斗(3年・多摩落合中)が直接狙ったFKはクロスバーの上へ。チャンスを生み出し切れません。
29分は暁星。細かく繋いだ流れから北本が放ったミドルは磐井がキャッチ。30分も暁星。窪田が右へ振り分け、井出が上げ切ったクロスにファーで合わせた前田勇(3年・暁星中)のヘディングは枠の左へ外れるも、センターバックがチャンスに絡む好トライ。35分にもサイドバックの伊藤誠悟(2年・暁星中)が絡んで奪った右CKを北本が蹴り入れ、中塚がニアへ飛び込むもヒットせず。40+1分にもルーズボールを拾った利田のシュートは磐井が丁寧にキャッチ。「だいたい同じくらいの力かなと思ったけど、向こうの方がちょっと良かったかな」とは林監督ですが、前田と小林優介(2年・暁星中)のセンターバックを中心に、守備陣も安定感を発揮した暁星が1点をリードして、最初の40分間は終了しました。
後半はスタートから暁星に1人目の交替。ボランチの西澤秀都(3年・横浜FC鶴見JY)に替えて、青木啓悟(3年・暁星中)を送り込み、指揮官は「マークが気になっていた」中盤の守備にテコ入れを図ると、43分には左サイドを駆け上がった古谷のアーリークロスから、こぼれを中塚は枠超えミドル。大型ボランチの積極的なトライで後半が立ち上がります。
早く追い付きたい東大和南は45分にセットプレー。右から昨年の西が丘を経験している池谷大地(3年・あきる野FC)がFKを蹴り込むも、暁星のGK小熊崚介(2年・暁星中)がパンチングで回避。逆に48分は暁星。ここも古谷のクロスに利田が合わせたヘディングは磐井が何とか触って枠の左へ。49分も暁星。北本の左CKを前田が頭で残し、中塚のシュートは枠を越えましたが、チャンスの数が多いのは依然として暁星。
53分に東大和南ベンチは決断。1人目の交替として、小川愛斗(3年・東京八王子FC)と世継昭斗(2年)をスイッチして、向上させたい前への推進力。55分には磐井の好フィードにワントップの瀬沼拓斗(3年・トレドSCあきる野)が走ったシーンは、飛び出した小熊が確実にキャッチしましたが、磐井の左足から繰り出す正確なキックは、東大和南にチャンスの可能性を感じさせます。
それでも次に記録されたゴールは追加点。56分に前田のパスから完全に抜け出した北本は、GKとの1対1も冷静に制して、ゴールネットへボールを送り届けると、さらに青木がクロスバーにぶつけた60分のミドルを挟み、65分にも左サイドを利田とのワンツーで崩した北本は、再び迎えたGKとの1対1のシーンも右スミのゴールネットへ確実に流し込みます。「もうちょっとやってくれると思うけど。期待が大きいからね」と林監督も評価を口にした北本は、わずか10分間でドッピエッタ。スコアは3-0に変わりました。
何とか1点ずつ返していきたい東大和南の反撃は71分。右サイドバックの多田麟太郎(3年・八王子第七中)と小山のパス交換から、59分に投入されていた安達智哉(2年)がアーリークロスを放り込むと、世継がダイレクトで叩いたボレーは枠をしっかり捉え、激しくゴールネットを揺さぶります。サザンクロスが見せた意地の一発。東大和南がようやく暁星ゴールをこじ開けました。
71分には東大和南に2人目の交替。多田麟太郎と馬場涼輔(3年・羽村第三中)を入れ替え、馬場は左サイドバックに入り、池谷を右サイドバックへスライドさせ、さらに最前線へ植田晋伍(3年・府ロクJY)、その下にキャプテンの服部凌大(3年・小平花小金井南中)を配して最後の勝負へ。78分には左から上野がCKを蹴り込むも、関口のヘディングはヒットせず。暁星も石塚洸希(1年)に続いて廣田尚(2年)を投入し、ゲームクローズも意識しながら狙う4点目。80分に古谷、窪田と回ったボールから青木のミドルはクロスバーの上へ外れると、いよいよゲームはアディショナルタイムへ。
80+4分のラストチャンスは東大和南。右サイドで獲得したCKを上野が蹴り込むも、飛び出した小熊がしっかりキャッチすると、程なくして吹き鳴らされたファイナルホイッスル。「もうちょっと『止める、蹴る』ができれば安心してできると思うんだけどね。あんなもんじゃねえのかな、俺の所の実力は」と林監督は辛めの感想を口にしましたが、暁星が東大和南を3-1で撃破して、ブロック決勝へと駒を進める結果となりました。 土屋
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