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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年04月01日

T2リーグ2017第4節 東海大高輪台×都立東久留米総合@東海大高輪台総合G

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0331takanawadai.JPGここまで開幕3連敗となかなか結果の付いてきていない"タイガー軍団"と、ここまで開幕3連勝と絶好のスタートダッシュを切った"都立の雄"の対峙。東海大高輪台と都立東久留米総合の一戦は、東海大高輪台高校総合グラウンドです。
昨シーズンはインターハイで堂々と全国出場権を獲得。いわゆる"らしい"スタイルを前面に押し出した好チームで、東京高校サッカー界を大いに盛り上げてくれた東海大高輪台。迎えた今シーズンはここまで大成、國學院久我山(B)、東京実業といずれも接戦ながら、悔しい3連敗スタートとなりましたが、「僕もこの子たちも今年はゼロからのスタートだから『時間は掛かるよ』って。『でも、みんな合わせていけば絶対去年より強いよ』っていうのをずっと話しながらやっている」とは川島純一監督。良い流れを作り出すきっかけにしたいホームゲームへ挑みます。
都内のトーナメントコンペティションで一定の結果を残した主力の大半は卒業し、新たなチームとして今シーズンの戦いに臨んでいる都立東久留米総合。「チームが新チームになったときは4-4-2でやっていたんですけど、齋藤先生が『3-4-3の方が自分たちの攻撃が生きる』ということで、練習から齋藤先生と話していくことによって、3-4-3に対する理解というのが深まってきています」と話すのはボランチを託された小菅友寛(2年・三菱養和調布JY)。その理解度の深化はそのままリーグ戦3連勝という確かな成果へ繋がっており、怒涛の開幕4連勝を狙う90分間へ向かいます。もう3月末にも関わらず、会場のさいたま新都心は曇天の寒空。楽しみな一戦は久留米のキックオフでスタートしました。


勢い良くゲームに入ったのは久留米。4分に齋藤巧(2年・FC.GIUSTI世田谷)とのワンツーから、右に持ち出した小菅のシュートはクロスバーを越えましたが、まずはファーストシュートを記録すると。9分にも左サイドで獲得したFKを小菅が蹴りこみ、ここは高輪台のGK横田萌樹(2年・横浜FC鶴見JY)にキャッチされたものの、積極的なチャレンジを。高輪台も10分には松永浩誉(2年・横浜FC鶴見JY)が入れた右CKへ、小林陸玖(2年・ヴェルディS.S.AJUNT)と今井創一朗(2年・C.A.ALEGRE)が突っ込み、大橋康暉(2年・FELICE FC浦安)のシュートはゴールネットを揺らすも、その前にオフェンスファウルの判定が。お互いにチャンスを創り合って90分間が立ち上がります。
13分は久留米。小菅が蹴った左FKは横田がパンチングで回避。14分も久留米。左から小菅が蹴り込んだCKへ、ファーに飛び込んだ島村優志(2年・FC.VIDA)のヘディングは枠の右へ。18分は高輪台。キャプテンマークを巻く本多翔太郎(2年・GRANDE FC)の仕掛けで右CKを獲得するも、松永がニアへ合わせたキックはシュートに至らず。セットプレーで探り合う先制への手掛かり。
すると先に歓喜を迎えたのはアウェイチーム。24分にボランチの矢野良輔(2年・府ロクJY)が右サイドへ展開すると、「展開した時に相手が全然来なかったので」3バックの右に入った小川大河(2年・東京久留米FC U-15)はドリブルで持ち上がりながら右足一閃。左スミを捉えたミドルは横田もファインセーブで凌ぎましたが、ここに駆け上がってきていたのは3バックの左を務める齋藤。すかさず押し込んだボールはゴールネットを揺らします。「3バックなので流動的にできたらいいと思っています」と小川が話した通り、流れの中から3バックの2人が絡んで見事なゴールを。久留米が1点のリードを手にしました。
畳み掛けた久留米。26分のチャンスはセットプレー。中央右寄り、ゴールまで約25mの位置で獲得したFK。スポットに立った小菅は「場所的に上げた方が蹴りやすかったので、直前まで中を見せて、助走も中に上げるような助走を取った」ものの、「本当に直前にゴールを見ないで感覚で」シュートにトライ。右スミを捉えたボールは、鮮やかにゴールネットへ吸い込まれます。「打った瞬間に『キタ!』と思いました」という小菅の直接FKはまさにゴラッソ。あっという間にリードが広がりました。
「1点目が入るまでは悪くないなと思っていた」と川島監督も振り返った高輪台は、2点のビハインドを追い掛ける展開に。ドイスボランチの志村貢令(1年・ジェファFC)と松永を中心にボールを動かしながら、箱田詩音(2年・FC渋谷)や本多のドリブルをアクセントに、良い形の一歩手前までは持ち込むものの、それが手数にまでは結び付きません。すると、次の得点を記録したのも久留米。40分に小菅が「ああいう位置になったらニアに速いボールというのはずっと心掛けていた」というFKをニアへ蹴り込むと、島村が合わせたヘディングは中央にこぼれ、古川正悟(2年・Forza'02)がきっちりとゴールネットへ蹴り込みます。最初の45分間はセットプレーも含めた決定力の際立った久留米が、3点のアドバンテージを持ってハーフタイムに入りました。


後半はスタートから、3点のリードにもかかわらず「攻撃においての個人戦術的な部分は相手の方が上回っていたんじゃないかな」と厳しい評価を口にした齋藤登監督が2枚替え。左ウイングバックの山中龍斗(1年・JACPA東京FC)と2シャドーの一角に入った武田洸(1年・AZ'86東京青梅)に替えて、小野寺竜也(2年・FC府中)と五十嵐健伸(2年・東京久留米FC U-15)を同時投入して、さらに狙う追加点。48分には右サイドを上山泰生(2年・三菱養和調布JY)がドリブルで運び、ルーズボールを拾った矢野のミドルは枠を越えたものの、残された45分間も手綱を緩める気持ちはまったくありません。
1点ずつ返していきたい高輪台。54分には松永のパスから、本多が30m近い距離をドリブルで運び、右へ流れながら放ったシュートは久留米のGK澤田亜藍(2年・AMBICIONE松本)がキャッチしましたが、キャプテンが滲ませるゴールへの意欲。56分は久留米。小川のクサビを島村が落とし、下川を経由したボールを小菅は左へ展開。小野寺のカットインシュートはDFのブロックに遭ったものの、スムーズなアタックを披露。57分は高輪台に決定機。1本のフィードで抜け出した中込は、ドリブルで縦に運びながらシュートまで持ち込むも、懸命に戻ったマーカーが何とかブロック。直後に松永が蹴った右CKから、最後は本多がミドルを放つもボールは枠の左へ。少しずつ回り始めた高輪台のギア。
59分には久留米に3人目の交替が。矢野を下げて、須崎光将(2年・トレドSC)を3トップの中央へ投入すると、60分には小川、小菅、下川と小気味よくパスを繋ぎ、左から中に潜った五十嵐のシュートは横田がキャッチ。62分は高輪台。松永が蹴り入れた左CKを、ファーで叩いた小林のヘディングはわずかに枠の上へ外れるも、あわやというシーンに意気上がるタイガー軍団。
ところが63分に生まれたゴールもホームチーム。相手の最終ラインにプレッシャーを掛けた小菅が高い位置でボールを奪い、そのまま絶妙のスルーパス。走った須崎は冷静にGKとの1対1を見極め、逆を取りながら右スミのゴールネットへボールを送り届けます。「プレーでみんなを引っ張っていきたいと思っています」という10番のアシストで、途中出場のストライカーがきっちり結果を。スコアは0-4に変わりました。
「感触的には悪くなかったと思うんですけど、ああいう所で失点しちゃうとか、ミスで失点が続いちゃうとか、それが今の差でしょうね」と話した川島監督は69分に1人目の交替。大橋に替えて、小松崎大樹(1年・クリアージュFC)をそのまま左サイドバックへ送り込みましたが、70分の決定的なチャンスも久留米。ここも小菅が左へラストパスを通し、下川のシュートは高輪台の右サイドバックを任された影山尋哉(2年・FCトリプレッタJY)が必死にブロック。76分は高輪台。本職はボランチながら「ヘディングとかもうまくやれているし、センスはある」と指揮官も評したセンターバックの鈴木を起点に、箱田が狙ったシュートはDFに当たって澤田がキャッチ。いよいよゲームは残り15分とアディショナルタイムのみ。
77分は久留米に4人目の交替。本多と日下部京吾(2年・FC Consorte)をスイッチすると、79分には相手ボールをかっさらった須崎が左へ流し、日下部のシュートは枠を越えてしまいますが、交替直後に惜しいシーンを。79分は高輪台に2人目の交替。箱田と田中航陽(2年・ジェファFC)を入れ替えると、80分には松永が縦パスを打ち込み、反転した田中のミドルは澤田がファインセーブで回避したものの、双方の交替カードが早々に取り合ったフィニッシュ。
高輪台が見せた意地の一発は81分。小松崎のドリブルで獲得した左CK。ここも松永が精度の高いキックを蹴り込むと、小林が高い打点からヘディングで叩いたボールは、クロスバーに当たりながらもゴールネットへ到達します。昨年度の全国を経験したセンターバックが何とか1点を返しましたが、タイガー軍団の反撃もここまで。「当然欠点はあるので、今年は僕がこういう風に文句を言いながらも、1日1日が積み上がっているかなという感覚はありますよね」と齋藤監督も語った久留米が開幕4連勝を勝ち獲る結果となりました。

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