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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-2nd第14節
名古屋グランパス×アビスパ福岡@パロマ瑞穂スタジアム
解説:玉乃淳 実況:野村明弘 インタビュアー:日々野真理
【名古屋グランパス ボスコ・ジュロヴスキー監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:グランパスのボスコ監督に来ていただきました。"ボスコ"と呼んでよろしいんですよね?
A:その方が簡単だと思います(笑)
Q:まずこの大事な一戦で5-0の勝利をどのように評価されますか?
A:本当にグランパスの選手は良くやってくれました。5-0の後で何も言うことはないのですが、本当に「おめでとう」を言いたいです。福岡側に関して、彼らもしっかりオープンに戦って来ましたよね。内容ではどちらに転んでもおかしくない試合でした。彼らにしてもJ1に残りたい気持ちがたくさんあると思いますし、こういう風な不幸な結果になりましたけど、来年頑張ってJ1に上がってきて、あるいは再来年にJ1に上がってきてくれればなと思います。
Q:今日の試合だけでなく、監督が就任されてから大きく色々変わったと思いますが、まずはメンタル面の部分で選手たちにどのようなアプローチをされたのでしょうか?
A:精神面もそうなんですけど、やはり闘莉王という人間が大きかったですよね。彼がしっかり後ろから支えてくれていると。チームにとって必要な選手ですから。それからサポーターの皆さんも後ろから支えてくれていると。本当に応援があって、今まで我々がやりたいサッカーというのはここまでできていると思います。
Q:明らかに選手たちが自分たちの良さというものを出していると思いますが、戦術面ではどのような所にテコ入れをされたのでしょうか?
A:今戦術を詳しく言ってしまうと、敵の方もテレビを見ているのでなかなか言えませんけど(笑)、ただ今週やってきたことに対して、しっかりとピッチの上で答えを出してくれました。そういう部分では戦術的な部分はしっかり理解して、みんな出してくれたと思いますよ。
Q:これでチームとしては連勝というのも大きいと思いますが、残り3試合、残留に向けて力強い一言をお願いします。
A:2連勝して、良い形で今は来ています。ですから、残りの試合もJ1にしっかり残りたい、残留したいという気持ちで戦いたいと思いますし、本当にこれからもこういうサッカーを続けていきたいと思います。まだ終わっていないです。選手が本当に理解しなくてはいけないのは、あと3試合必ず勝って残留するということ。勝たなきゃいけないということを理解しないといけないですよね。
【アビスパ福岡 井原正巳監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日の試合を振り返ってどのような印象でしょうか?
A:本当にプレッシャーの掛かる状況の中、今日名古屋さんに我々は勝たなければいけないという、そういう状況でゲームに入りました。選手もそのプレッシャーを感じながら、立ち上がりは非常に我々のペースでゲームを進められたとは思います。ただ、そういう中で一瞬のチャンスを突かれ、失点をしてしまったと。また、相手にそれほどチャンスを与えていなんですけど、追加点を奪われてしまったことで、そういうプレッシャーの強い中で、そのプレッシャーを跳ね返す、またその後で追い付くパワーというものを、今日は90分間出せずに終わってしまったかなと。それは本当に私の力不足と言いますか、僕の責任だと思いますし、選手のその重圧をいかにパワーに変えるかというマネジメントができず、後半も早々に、前節も同じような形で追加点を奪われてしまいましたし、そこは修正し切れなかった所に尽きるかなと思っています。ここまで点差が開くゲーム内容ではないと思いますし、相手のシュートがクリーンシュートで、素晴らしい決定力というのはあったと思うのですが、それを防ぐ力を我々が引き出すことができなかった、私がチームの力を引き出すことができなかったということが非常に悔しいですし、サポーターの皆さんも今日も我々を信じて、多くの方が応援しに来て下さったにもかかわらず、こういう不甲斐ない成績になってしまったので、本当に申し訳なく思います。
Q:ただ、この所はずっと難しい状況で戦わなければいけなかった中で、選手たちには特にこの試合に向けてどのようなアプローチをされて、どうチームを盛り立てていかれたのでしょうか?
A:本当に可能性がある限り、我々はプロとして、またサポーターのためにも残留を目指して戦わなければいけないと思いますし、数字的には苦しい状況の中でも1つ勝つ、または連勝することで十分状況は変わってきますし、今回の名古屋さんのように勢いが付くことも可能だと思っていたので、それを目指してやっていましたし、選手は本当に普段のトレーニングからそれを意識してハードワークをしてくれていました。それを結果に結び付けてあげることができなかったので、本当に申し訳ないですし、選手にもそういう気持ちは伝えました。
Q:少し間を空けて、次に残り3節あります。こちらに向けて最後に一言お願いします。
A:15位、14位のチームさんの結果次第ではあると思いますが、今節で降格が決まる可能性もありますし、もしわずかな残留の可能性が残っているのであれば、それに向かってもちろん精一杯残留に向けて頑張りますし、もし降格が決まったとしても、残りの3試合はもう全力を尽くして意地を見せるしかないと思っていますし、それが我々アビスパとして、またプロとしてしっかりやるべきことだと思いますし、サポーターのためにもそういう姿は最後まで見せたいと思います。
【名古屋グランパス 永井謙佑インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今この歓声を聞いてどんな心境でしょうか?
A:嬉しいですね。ありがとうございます。
Q:この大事な一戦、どんな想いを持ってチームとして臨んだのでしょうか?
A:本当に生きるか死ぬかの展開なので、「絶対に点を取ってやろう」と思ってピッチに立っていました。
Q:その大事な一戦で何とハットトリック。ご自身にとってはリーグ戦初だと思いますが、どんな思いを込めてこの3点を決めましたか?
A:今シーズンは全然得点を取れていなかったので、こういう大事な時にしっかり点が取れて良かったです。
Q:その3点の中でも、ご自身の2点目のミドルはかなり見事でしたが、あのあたりの狙いを教えて下さい。
A:(田口)泰士が後ろから「打て!」って大きな声で言ったので、それで振り抜いたんですけど、うまく足に当たってゴールすることができたので良かったです。
Q:チームとしては5月以来のホームでの勝利となりました。この感触というのはいかがでしょうか?
A:サポーターが凄く良い雰囲気を創ってくれているので、あと2試合ホームでできるので、しっかり勝てるようにしたいと思います。
Q:残り3試合、残留に向けて一言力強くお願いします。
A:全部勝てるように、サポーターと選手一体となって頑張っていきましょう。
【名古屋グランパス 田口泰士インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今の率直な気持ちから聞かせて下さい。
A:やっとホームで勝てたので、ホッとしています。
Q:チームとしては非常にしびれる状況でのこの試合でした。どういう風にチームをまとめて、この試合に入ったのでしょうか?
A:もうどの試合も凄く重要なんですけど、特別今日は大事だったので、こういう結果になって凄く嬉しいです。
Q:今日サポーターの皆さんも『想いが力になる』というスローガンを掲げて下さっています。どういう風に伝わってきましたか?
A:本当にどんな時でもたくさんの熱い、赤い応援が僕たちを後押ししてくれているので、その期待に応えたかったですし、今日こうやってホームでたくさんの方の前で、勝ち点3をプレゼントすることができて、とても嬉しく思っています。
Q:残りリーグ戦は3試合で、次もまたホームでの戦いで磐田戦となります。こちらに向けて最後に一言お願いします。
A:本当に残り全部1つも落とせないので、全部勝って最後にみんなで笑って終われるように頑張っていきたいと思います。
【玉乃淳氏のレビュー】
(名古屋)
もう『DEAD or ALIVE』の横断幕も
『ALIVE or ALIVE』に変えた方が良いんじゃないですかね。
もう「残るでしょう」「行くでしょう」「信じるでしょう」という所ですよね。
今のチームには団結感がありますよね。
前々節に負けた所からしっかり立て直して連勝ですから。
全てが今はうまく行っていると思いますし
誰も気が抜けるような表情もしていないですし
特にジュロヴスキー監督が最後までどうするかという所で
選手に指示を与えていましたからね。
闘莉王が上がるのか上がらないのかに関しても
選手の自主性に任せるのではなくて
監督自ら指揮をしているという様子も
1試合通して見て取れたので、期待できるなと思っています。
先制点のシーンを見てもハ・デソンには色々な選択肢があったので
「サポートの仕方が整理されているな」というのが
このシーンからもわかりましたね。
永井の1点目も「絶対に決めるんだ」という
ちょっとくらい引っ張られても前進する姿勢というのが
見ていて気持ち良かったですし
そういう姿勢がハットトリックを呼んだんだと思います。
永井の2点目のゴールを「最終形じゃない」と言ったのは誰ですか?(笑)
問題発言ですよ。スーパーゴールでした。
こういうノッている選手のボールというのは蹴る前に少し浮くんですよ。
ちょっと浮いた所でパンチの利いたシュートが打てるので
ボールってやっぱり魂が籠もっているんだなと。
忘れてはならないのが磯村。キレキレでしたよ。
5点取って個人の輝きも目立ったんですけど
「チーム全体で点を取っているな」という風に感じました。
5点目は田口も明らかに酒井に合わせるようなボールで
途中から入った選手を盛り上げる、
チーム全体を盛り上げるという所まで考えた
気持ちだけではなく頭と監督の戦術が融合した試合になりましたよね。
凄く難しい状況だと全てを"気持ち"で
終わらせてしまいがちになるのですが
今の名古屋はそうではなかったなと思いました。
本当に役割がしっかりしてきましたよね。
自分の守備の範囲、攻撃の範囲はどこまでなんだと。
シモビッチに入った時はどこまでサポートして
どこまで追い越すべきなんだというのが明確に示されていたんでしょうね。
そうすると90分間通じて体力が落ちることもないですし
凄く効率的に無駄がない試合ができているので
これはどことやっても対等以上に戦えるという雰囲気が
スタジアム中から伝わってきましたし
「ソワソワする」とか「怖い」とかではなくて
この3試合を思い切り楽しんで、気持ち良く笑って残留を決めたいですね。
(福岡)
J2からJ1に上がった時にどういう変化を加えるのかというのは
過去の歴史を研究して辿ることで
エッセンスを強化の所が付け加えていかないと厳しいんでしょうね。
セカンドディビジョンで圧倒的な力を見せて優勝したのに
ファーストディビジョンに上がったら監督が変わるとか
結構あるじゃないですか。
それぐらい違うものだと思うので
別に今日の試合でこうなったとか
ああなったとかそういう訳ではないので
積み重ねとか選手たちだけではない長期的なビジョンを
見直す必要が当然あるでしょうし
それをまた改善していけばいい訳ですから
こういう状況になったことは非常に残念ですけど
過去には戻れないですから、選手ではなくて
強化や長期的ビジョンとしっかり向き合うことが必要なんでしょうね。
前半は福岡の方もウェリントンを中心に
結構チャンスは創っていたんですよね。
ただ、ウェリントンも強いことは間違いないんですが
点に繋がらなかった理由は少しストレスが掛かったかなと。
ボールの出所がウェリントンにとってはわからないと。
井原さんは物凄いキャリアの方ですからね。
選手の時もそうですし、ネルシーニョさんの元でも長い間勉強されて
チームをJ1に上げてというとんでもなく凄いキャリアなので
残りの試合もそうですし、来シーズン以降も
「どんなサッカーを見せてくれるんだろう」という期待しかないですよね。
結果だけで評価することではないと思います。
【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第14節@パロマ瑞穂スタジアム
名古屋グランパス 5-0 アビスパ福岡
入場者数:14,088人 天候:曇、弱風
気温:28.2度 湿度:58%
主審:岡部拓人
副審:名木利幸、小椋剛
第4の審判員:池内明彦
《得点者》
<名古屋>
18'ハ・デソン①(アシスト:小川佳純)
36'永井謙佑⑤
47'永井謙佑⑥(アシスト:田口泰士)
55'永井謙佑⑦(アシスト:磯村亮太)
86'酒井隆介②(アシスト:田口泰士)
《選手寸評》
(名古屋)
GK楢崎正剛
終盤にあった2つのピンチもファインセーブで回避。堂々たる完封勝利を演出
DF磯村亮太
4点目に繋がったドリブル突破も含めて攻守に躍動し続けた90分間
DF竹内彬
時折クリアに危うさを感じさせるも、守備面ではおおむね安定感を保つ
DF田中マルクス闘莉王
ウェリントンとの空中戦は7割近い勝率。ボスコと共にチームを完全に蘇らせた
DF古林将太
難しい左サイドバック起用にも守備面のタスクはきっちりやり切った
(→85' DF高橋諒)
セカンドステージ初登場。このピッチに立ったのは大きな経験になる
MFイ・スンヒ
同胞のハ・デソンを得て、中盤トライアングルの要も的確にこなし切った
MFハ・デソン①
移籍後初ゴールは難しいニアサイドを破って。インテリオールはハマリ役
MF田口泰士
チームの3点目は"声"でのアシストも。キャプテンの重責を明確な結果で果たす
FW小川佳純
細かいポジショニングの微調整が攻守にチームのバランスを向上させる
(→83' DF酒井隆介)②
短い出場時間で望外のゴールまで。100点満点の交替出場
FWシモビッチ
高さや体の強さをファウルで片付けられるのはやや酷。基点としてはほぼ無双
FW永井謙佑□⑤⑥⑦
この大事な一戦でリーグ初のハットトリック。自身2点目はとにかくスーパー
(→79' FW川又堅碁)
チームの良い流れに結果を出して乗って行きたい所
《選手寸評》
(福岡)
GKキム・ボムヨン
確かにほとんどノーチャンスだったが、もう1失点は減らせたかもしれない
DF駒野友一
後半の積極的なオーバーラップが前半から見られていれば...
DFキム・ヒョヌン
2失点目は足に当てながら入れ替わられる。高さにもスピードにも対抗できなかった
DF實藤友紀
1失点目の寄せの甘さは痛恨。大量失点のストッパーにはなり得なかった
DF亀川諒史
最後のクロスやシュートなど、ゴールに直結する部分での精度をもっと高めなくては
MF冨安健洋
決してパフォーマンスは悪くなかったが、攻撃にシフトする中で45分間での交替に
(→46' MF為田大貴)
縦への推進力を打ち出したかったが、磯村と小川に押し込まれてしまった
MFダニルソン
チーム最多タイとなる3本のシュートを放つも、局面でのプレーの粗さは見逃せない
MF城後寿
際どいアタックの局面へなかなか関われず、ロングスローも湿りがちだった
(→75' FW邦本宜裕)
ゴールへの積極性はこの日のチームで一番も、5失点目はあっさり前に入られた
MF三門雄大
アグレッシブに走り続け、チームを鼓舞し続ける姿には頭が下がる想い
MF金森健志
開始早々の突破以外にそれらしい見せ場は創れず、交替もやむなし
(→57' FW平井将生)
今のチームの中ではトップクラスにゴールのにおいを漂わせている
FWウェリントン
空中戦でもやや闘莉王に分が悪く、決定機も楢崎に阻まれてしまった
再放送スケジュールは
10月7日(金)深夜0:30~深夜2:45 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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