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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2016年10月16日

高校選手権東京A準々決勝 堀越×学習院@清瀬内山

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1015kiyose2.JPG第2試合は2年連続のファイナリストと昨年度もベスト16に入った実力者の対峙。堀越と学習院のクォーターファイナルは引き続き清瀬内山グラウンドです。
22年ぶりの決勝進出となった一昨年は都立三鷹に、連続での進出となった昨年は駒澤大学高に敗れ、2年続けてあと一歩という所で全国への道を閉ざされてしまった堀越。今シーズンは関東大会予選こそきっちりベスト8まで勝ち上がったものの、1次予選で都立小松川と東京実業を撃破したインターハイ予選は、2次予選初戦で伏兵の都立東大和南にまさかの黒星。ただ、「あの試合がターニングポイントになった」と小磯雄大(3年・FCヴォセラーゴ津久井)も話したように、そこからチームは再び根幹を見直しつつ上昇気流に。迎えた今大会は初戦で都立調布南を6-1、都立野津田を1-0でそれぞれ下してこのステージまで。その先に待っている"聖地"も見据えつつ、まずは3年連続のベスト4を目指します。
2年ぶりに1次予選を勝ち抜き、都大会へと進出した昨年度の選手権予選は躍進の時。初戦で都立府中東に6-2と大勝を収め、最後は西が丘まで駆け上がった多摩大目黒に屈したものの、ベスト16という好結果を残した学習院。迎えた今シーズンは新人戦、インターハイ予選共に地区予選敗退を強いられたものの、今大会は帝京大学高戦、都立町田戦、開成戦と3連続完封勝利で1次予選を突破すると、都大会でも初戦で保善に2-1と競り勝ち、ベスト16では全国出場経験もある都立駒場も1-0で撃破。"台風の目"として勢力を拡大しつつ、真剣に西が丘を目指します。フレッシュな顔合わせに両チームの応援席もフルハウス。楽しみな80分間は12時30分にキックオフされました。


先にチャンスを創ったのは堀越。5分に左から齊藤一輝(3年・青梅新町中)が狙ったシュートは、DFが頭で懸命にクリアしましたが、まずはファーストシュートを記録すると、11分にも前線の照井基也(3年・足立第十四中)が残し、ボランチに入った加藤悠矢(3年・アローレはちきたFC)が枠の左へ外れるフィニッシュ。16分にも「『縦に仕掛けよう』『突破しよう』というのを一番思っています」という小磯が右サイドをえぐって折り返し、齊藤のシュートは枠の上に消えたものの、惜しいシーンを創出します。
一方の学習院は「リトリートしてくる相手に対してということで練習してきた」(佐藤実監督)という堀越の予想通り、右から田中勇士(3年・学習院中等科)、内田隆太郎(3年・学習院中等科)、林遼太朗(3年・学習院中等科)、内田槙一郎(2年・東京学芸大附属小金井中)で組んだ4バックの前に、賀来幹土(2年・インテリオールFC)がアンカー気味に入る4-1-4-1気味の布陣で引き込みつつ、窺うのはカウンターとセットプレーでのチャンス。18分に右サイドで獲得したFKを内田槙一郎が蹴り込み、ここは齊藤のクリアに遭いましたが、23分にも今度は左から和田卓真(2年・学習院中等科)がFKを蹴り入れると、今度は堀越のGK諏訪雅幸(3年・FC Branco八王子)が丁寧にキャッチ。26分に再び右から内田槙一郎が蹴ったFKもDFに跳ね返されるも、セットプレーで探る先制への足掛かり。
さて、攻撃の時間は長い堀越ですが、引き込む学習院に対して「我々も準備はしたんですけど、なかなか本番とトレーニングではかけ離れている部分があるので、そこの部分でちょっとギャップがあまりにも大きかった」(佐藤監督)「"学習院用"の練習も結構良い感じになったんですけど、本番となると雰囲気とか違ってうまくできなかった」(小磯)と2人が声を揃えたように、なかなか効果的な攻撃の形が出てきません。27分に左から齊藤が蹴ったCKは学習院の1年生GK人見祐作(1年・学習院中等科)がパンチングで弾き出し、最後は林が大きくクリア。39分に広瀬智也(3年・FC Consorte)が入れたFKは、中央と合わずにゴール右へ。40分にも齊藤の左ショートコーナーから、松尾叶音(3年・ARTE八王子FC)のクロスはここも林が掻き出し、拾った広瀬のミドルはクロスバーの上へ。「相手にも警戒されていて、本当は通せるのにという所も選手権だからというのもあって通らなかったですね」と小磯。堀越にも学習院にもゴールは生まれず、スコアレスで最初の40分間は終了しました。


ハーフタイムを挟んでも大枠の流れは変わらず。44分は堀越。センターバックに入った大村栄大(3年・FC Consorte)のビルドアップを起点に、右サイドバックの荒井友星(3年・SCUDETTO)が右へ流し、小磯が上げ切ったクロスは中央に合わず。48分は学習院。司令塔のレフティ宮崎諒(3年・学習院中等科)が左サイドを単騎で運び、相手ともつれたルーズボールを和田はかっさらってエリア内へ潜るも、最後はゴールキックへ。52分は堀越に決定機。右サイドで粘った小磯のクロスはファーまで届き、待っていた齊藤のシュートは素晴らしいタイミングで飛び出した人見のファインセーブ。前半よりは双方に動きのある展開で後半は立ち上がります。
53分は堀越。左から加藤がFKを蹴り込むも、石垣祐介(2年・学習院中等科)がきっちりクリア。54分には堀越に1人目の交替。少し足を痛めたセンターバックの市村知大(3年・所沢JY)に替えて、水流大輔(2年・FC.GONA)をそのままの位置へ。56分は学習院にチャンス到来。1トップの細谷志温(2年・学習院中等科)が右へ振り分け、石垣が左足で放り込んだクロスはファーへ流れてしまいますが、あわやというシーンに意気上がる学習院応援席。
57分に堀越は2人目の交替。前線の中込侑(3年・VERDY SS AJUNT)を下げて、田中柊(3年・TACサルヴァトーレ)を左サイドへ投入し、齊藤を中央へスライドさせる「少し流れを変えようかという形で、2回戦もそんな感じだった」(佐藤監督)交替策と配置転換で勝負に。61分には水流が35m近いFKをクロスバーの上に外すと、63分には宮崎もGKの位置を確認しながら40m近いクイックでの直接FKを枠の上へ。お互いに出てきたリズム。両者が打ち出す先制への意欲。
64分は堀越のコンビネーション。田中、加藤、照井とスムーズにパスが繋がり、齊藤のシュートはヒットせずに人見がキャッチしましたが、見事な連携から手にしたフィニッシュの形。65分は学習院。ミドルレンジで前を向いた宮崎が、躊躇なく放った35mシュートは枠の上へ。67分も学習院。和田が左から中央へ潜りつつ残すと、宮崎のミドルはわずかにゴール右へ。「後半はカウンターでやられちゃう部分もあった」と小磯。宮崎のアグレッシブさを推進力に学習院にも少しずつ漂うゴールの香り。
68分は堀越。広瀬のフィードからルーズボールを拾った齊藤がシュートまで持ち込むも、内田隆太郎が体を投げ出して弾き、人見が慎重にキャッチ。69分は学習院。内田槙一郎が好フィードを送り、和田がドリブルでエリア内へ侵入するもシュートには至らず。73分は堀越に決定的なチャンス。広瀬が縦に入れたクサビを照井は絶妙のタイミングでフリック。抜け出した齊藤はGKと1対1になりましたが、シュートはわずかにゴール左へ。「全体的に最後のフィニッシュがうまくいかなかった」と小磯。スコアボードの数字に変化はなく、いよいよゲームは残り5分間とアディショナルタイムへ。
75分も堀越。田中のパスにエリア内で照井が粘り、加藤がボレーで叩いたシュートは枠の左へ。76分も堀越。小磯の仕掛けで獲得した右FKを広瀬が蹴り込むも、学習院の中盤で走り回った青柳陽(3年・学習院中等科)が懸命にクリア。77分も堀越。新井の縦パスを照井がうまく流し、齊藤が打ち切ったシュートは林が体で決死のブロック。「学習院さんは本当にきちっと守られていた」と佐藤監督も認めた通り、学習院の高い集中力の前に延長も視野に入りつつあった最終盤に生まれた歓喜。
その時は78分。広瀬が右へ展開したボールを、サイドに開いていた照井は丁寧に中へ。ここに走り込んでいたのはまたも齊藤。チェックに行った学習院の選手が主審と激突して転倒する幸運もあり、フリーで放ったシュートは右スミのゴールネットへ確実に吸い込まれます。「ボールが収まることと決定的な仕事ができるということ」(佐藤監督)で中央へとスライドした齊藤が、期待に応える貴重な貴重な先制弾。堀越が土壇場で1点のリードをもぎ取りました。
サッカーという競技の中ではやむを得ないシーンとは言え、非常にアンラッキーな形で失点を許した学習院。アディショナルタイムも1分とかなり短い中、80分にセットプレーの同点機。右から内田槙一郎がFKを蹴り入れ、必死に食らい付いた賀来のヘディングがゴール左へ流れると、しかしこれがこのゲームのラストチャンス。学習院の奮闘実らず。「展開自体はそんなに悪い展開ではないんですけど、自分たちが持っているのに攻められないという、変にどぎまぎした感じが非常にありました」と佐藤監督も話した堀越が粘り強く勝利を引き寄せ、3年連続となる準決勝への進出権を手にする結果となりました。


「学習院さんはもう狙い通りの展開だったと思います」と佐藤監督も真っ先に口にした通り、きっちりブロックを築いた相手に苦しめられながら、何とか終盤の決勝点でセミファイナルへと進むことになった堀越。ある意味で"大物"を食った昨年度と同じステージで、今度は逆の立場を経験しつつ、しっかり勝ち切ったあたりには夏以降の成長が窺えるように感じました。次の相手は昨年度のリターンマッチとなる関東第一。「ウチは本当に決勝とかに行くようなポテンシャルのチームではないですし、1試合1試合相手に学ばせてもらって、こういう苦しいことも経験していきながら積み上がっていくものだと思っているので、本当に目の前の試合にしっかり準備して、力を出そうということでやっていきたいなと思っています」と佐藤監督が話せば、「先輩たちが今まで創り上げてきたものや経験させてもらったものを感じて、先輩たちに恩返ししないといけないなと思うので、まずは関東一高のゲームに集中していきたいですね。自分たちの目標のためと先輩たちへの恩返しという意味で勝ちに行きたいです」と小磯も確かな意欲を。セミファイナルは11月5日。舞台はもちろん味の素フィールド西が丘です。     土屋

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