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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-2nd第13節
柏レイソル×ヴァンフォーレ甲府@日立柏サッカー場
解説:水沼貴史 実況:中田浩光 インタビュアー:桑原学
【柏レイソル 下平隆宏監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:ほぼ想定していたような展開になったと思いますが、やはり我慢比べの感じになりましたね。
A:そうですね。本当におっしゃる通りで、なかなか堅い守備ブロックを崩すのに苦労しました。
Q:甲府は5-4-1のような形でかなり深く守ってきましたが、そういう中で崩すポイントはどんな所に置いていましたか?
A:前半も少し流動的に、サイドのポイントの所は色々とずらしながらやろうと思ったんですけど、なかなか前半は効果的に崩せなくてシュートもなかなか打てなかったので、後半は攻撃のシステムをちょっと変えて入りました。
Q:特に中盤の選手の立ち位置も少し変えたように見えましたが、どんな修正をされたのでしょうか?
A:後ろのビルドアップを3枚でスタートして、茨田と中山雄太をどんどん1トップ脇に侵入させて行こうという意図で、山中を高い位置で、山中と伊東純也でサイドの幅を取って、というような狙いでやっていきました。
Q:明らかに後半の方がサイドの厚みは増したと思いますが、それはそのあたりが生きたという感じでしょうか?
A:そうですね。サイドにちょっと枚数が足りなかったので、そういう意図で意識しました。
Q:今日は結局セットプレーから点を取りましたが、以前はウィークでしたけど、最近はストロングになってきましたね。
A:そうですね。本当に守備の方は失点しませんし、攻撃の方で得点が取れているので、これで積極的にコーナーキックやフリーキックを取ったり、もちろんセカンドステージからクリス(クリスティアーノ)が加わったことで、キッカーの質が格段に上がったというのは当然あるんですけど、こういうゲームのような苦しいゲームでもセットプレーが大事になってきますので、そこは本当に今のウチのストロングになってきていると思います。
Q:今日は平均年齢が22歳というメンバーで、下平監督が良く見てきた若い選手が多かったと思うんですけど、こういう焦れてもおかしくないような展開を、その若いメンバーで乗り切ったというのは監督も成長を感じるのではないですか?
A:そうですね。本当になかなかジリジリするような展開が続く中で、焦って速い攻撃をしてカウンターを食らったりとか、そういうことも十分考えられるようなゲームだったと思うんですけど、本当に若いながらに彼らもきっちり考えてゲームをコントロールして、守備の所も安定してやれたと思います。
Q:これでまだタイトルが繋がったと思いますが、最後に今後に向けて一言いただけますか?
A:もう勝ち続けるしかないので、次節もそうですけど残り4試合、本当に必死で1試合1試合勝って、可能性のある限り頑張っていきたいと思います。
【ヴァンフォーレ甲府 佐久間悟監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:悔しい負け方だったと思いますが、まずは中身を振り返っていただけますか?
A:レイソルさんも天皇杯を120分戦われたということで、全体的に言うと今日は後半勝負なのかなということで予想はしていたんですけど、前半は相手の攻撃を少し耐えて、後半は我々もボールを動かしたり選手を替えたりということで、活路を見い出していきたいなと思っていたんですけども、残念ながらクリアミスを拾われて決められてしまったという所です。ただ、本当に選手が最後の最後まで諦めることなく頑張ってくれたんじゃないかなと思っていますし、今日はゴール裏でもパブリックビューイングでもたくさんの皆さんが応援をしていただいていると思いますので、また次の試合が来ますから、何が何でも残り4試合頑張って、J1残留を果たしたいなと考えています。
Q:スペースを与えないことや、バイタルで受けさせないことも大きなポイントだったと思いますが、前半は特にそのあたりが良くできていたのではないでしょうか?
A:ええ。ただ、若干奪った後のボールの所で言うと、やっぱり推進力がなかなか前になくて、攻撃する機会がちょっと少なかったですけど、そういう中でもカウンターのチャンスがあった中で、ちょっと後半は押し込まれる時間が長かったかなという印象を持っています。
Q:流れの中では良く抑えていただけに、セットプレーで点を失ったというのはちょっと痛かったでしょうか?
A:ええ。セットプレーも十分に注意していたつもりですけど、みんな一生懸命やったことなので、そこは責められないなと思います。とにかく我々は今いる選手、環境、条件の中で本当に精一杯頑張っていますが、それを何とかして結果に結び付けるしかないと思っていますし、それが私に課せられた使命というか役目だと思っていますので、それは何が何でも最後の結果という所にこだわりたいなと思っています。
Q:先制を許した後の攻撃面のポイントはどういう所にあったのでしょうか?
A:茨田選手の所の背後に元々スペースがあるということはわかっていましたし、それからクリスティアーノ選手と伊東純也選手の背後というのも、スペースは有効に活用できるというのもわかっていましたので、そこにまずは森晃太選手を打ち込んで、そこでターンをしてボールを仕掛けるということと、少し保坂選手が疲労感もあったので、より攻撃的なビリー選手を前に入れて、ダヴィ選手の近くにいるというようなことを狙った交替でした。最後の石原克哉選手については、もう少し早く使えば良かったなと思って、今凄く悔やんでいますけど、サイドの攻防というか構成力というか、あそこはやっぱり石原選手が入ってからアイデアがあったので、交替するタイミングが僕の中でも遅れてしまったかなということで、悔やまれる所でもありますけど、交替で入った選手たちはおおむね役割を十分果たしてくれたんじゃないかなと思っています。
Q:ケガ人も非常に多くて厳しい状況が続きますが、最後に次節へ向けて抱負をいただけますか?
A:僕たちができることというのは限られていますから、それを本当に我慢強く自信を持って、しかも安定した精神力というか、どういう状況であっても1試合1試合安定して戦うという所はファイナル10、それから最後の5試合の所のテーマに掲げていますので、それは貫き抜いていきたいと思います。
【柏レイソル ディエゴ・オリヴェイラインタビュー(試合後・中継内)】
Q:自身のゴールで勝利を手にした今のお気持ちからお聞かせ下さい。
A:良い得点だったと思いますし、非常にチームにとって意味のある重要な得点だったと思います。ただ、自分1人で決めた訳ではないので、チームみんなで今日の勝利を喜び合いたいなと思います。
Q:ゴールが生まれるまでは非常に長い我慢の時間が続いたと思いますが、どんなことを考えてプレーされていましたか?
A:甲府さんは非常に守備的で、終始コンパクトを保ってくる、非常に難しくてやりにくい相手だったんですけど、その中で1-0になってからは、我々が非常に優位にゲーム展開が運べるようになったので、非常に厳しいゲームではありましたけど、我々がここで価値ある1勝を挙げることができて、また次に向けてしっかり休んで、次に備えたいなと思います。
Q:大きな価値のあった決勝ゴールのシーンを振り返っていただけますか?
A:あの時の状況というのは正直に言うとはっきり覚えていないんですけど、右サイドから良いボールが来て、相手のディフェンダーが競った所で、自分の前に良い形でボールがこぼれて、相手に触られる前に先に触ったボールが得点に繋がったと、そういう風なシーンだったと思います。
Q:これでまだ優勝の可能性を残したと思います。最後に今後に向けて一言いただけますか?
A:チャンスがある限り、我々は最後までしっかり戦い抜きたいと思いますし、今までと変わらず皆さんにはチームの後押しをしていただきたいなと思います。宜しくお願いします。
【水沼貴史氏のレビュー】
(柏)
最低限5連勝して相手の結果を待つという所はクリアしましたね。
苦しい試合だったとは思います。
言ってみれば相手のミスから得たチャンスを
しっかりモノにしたということですから
しっかり我慢をした戦いができたのかなという気がします。
ただ、1-0で満足するようなチームではないと思うので
追加点を取って楽な展開に持って行きたかったでしょうね。
後半になってちょっとシステムを変えて
中盤のトライアングルの形を変えましたけど
それによってサイドを積極的に生かせるようになりましたし
結果的にはそれがうまく行った形ですよね。
中村も良いセーブを連発していました。
「さすが中村航輔」というプレーは多かったですね。
なかなかボールが来ない時は集中するのも難しいと思うんですけど
そういう中でも結果をしっかり持ってくると。
本当に良いゴールキーパーですね。
若いチームですから勢いというのも必要だと思いますし
自分たちのスタイルがありますから
あと4試合もそれを貫いてやって欲しいですね。
プレッシャーもそこまではないと思いますよ。
実際上とは勝ち点が離れている訳なので
プレッシャーよりも「勝っていこう」という気持ちの方が強いと思いますね。
たぶんプランAがうまく行かない時にも
プランB、プランC、プランDを持っているチームだと思いますし
それをできる選手たちが揃っていると思います。
あとは個人戦術をしっかりと持っている選手が多くて
それは育成という舞台がしっかりあるということもあると思いますし
それがこのチームの特徴でもあると思います。
下平監督もビルドアップの修正の話をされていましたが
レイソルはそこが凄く興味深くて
4バックなんですけど左肩上がりになって、3枚で回したりするんですよね。
逆もやったりするんですけど、そういうことが自然とできるというか
それを本当に再三放送の中でも話はしましたけど
個々の選手たちの色々な理解力が高いという感じがしますね。
相手が5-4-1なら3バックは1トップの横にうまく出ていくと。
両サイドを攻略するということをやり出しましたが
それを普通にできますし、守備面ではダブルボランチ気味にもなりましたし
このチームは色々なことができますね。
(甲府)
決定機も多かったですし
失点シーンまではしっかりと守れていましたから
非常に悔しいと思いますね。
ジリジリと名古屋にも追い上げられていますけど
試合数が少なくなってくると最大勝ち点も減ってくる訳ですから
そういう計算をしつつの戦いが続きますね。
年齢のことを言ってはなんですが
ベテラン選手が凄く多いチームの中で
今日は森が途中から出てきて良いプレーも見せてくれましたけど
あそこで結果が出てくると彼自身もどんどん自信が深まって
チームのためにという強い想いもまた膨らんでくると思いますけどね。
でも、このチームは本当に凄いですよ。
毎年選手が抜かれたりする中で
残ったベテランの選手は歳を重ねていく訳で
もちろんケガはありますが、その中でも節制して
ピッチに立ち続けるのは凄いことだと思います。
だいたいやり方的にも本当にプラン通りに
行っていた部分は多々あったのかなと思いますね。
石原の交替のタイミングは本当に時間がない所でしたから。
彼はトリッキーなこともやったりしますし
違う変化が生まれたのかなという所ですよね。
でも、本当に佐久間監督がおっしゃっていたように
良くやれているとは思いますね。
正直な所は毎年こういう戦いをしていって
安定したメンタルで戦うというのは結構難しいと思うんですけど
ベテランの選手たちはそういうことができますからね。
【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第13節@日立柏サッカー場
柏レイソル 1-0 ヴァンフォーレ甲府
入場者数:9,043人 天候:曇、弱風
気温:26.1度 湿度:79%
主審:榎本一慶
副審:山際将史、小椋剛
第4の審判員:柿沼亨
《得点者》
<柏>
64'ディエゴ・オリヴェイラ⑫
《選手寸評》
(柏)
GK中村航輔
事もなげに繰り出すファインセーブを柏だけで披露するのはあまりにもったいない
DF茨田陽生
前後半で変わったビルドアップとオーガナイズのキーマン。新境地も板に付いてきた
DF中谷進之介
際どいシーンでの体の張り方はリーグ屈指。チームを牽引する覚悟が窺える
DF中山雄太
引いた相手にサイドチェンジを何度も試みる。攻撃の起点への意欲が高かった
DF山中亮輔
後半は時折持ち味を発揮も、もっと縦へと仕掛ける姿勢が欲しかったか
MF秋野央樹
キャプテンとしての風格も出てきたが、引いた相手にミドルの姿勢もチラつかせたい
MF小林祐介□
攻撃でシビアなゾーンへ顔を出したいが、勝手知ったるトライアングルで存在感
MF中川寛斗
守備の貢献度は圧巻ながらもはやデフォルト。オフサイドになった飛び出しに進化の跡
(→89' FW田中順也)
厳しい状況が続くが短い時間で何とか結果を出すしかない
FW伊東純也
前半は引かれた古巣に苦労するも、後半は自慢のスピードで推進力を押し出した
(→81' MFドゥドゥ)
一度訪れた決定機はまったくのフリーだっただけに沈めたかった所
FWディエゴ・オリヴェイラ
唐突な決定機をきっちり沈めるあたりにストライカーとしての充実度が垣間見える
(→90+3' DF鎌田次郎)
難しいセットプレー時での交替もきっちり1分間を締め括る
MFクリスティアーノ
なかなかチャンスを創り切れない中でも焦れずに90分間やり切ったのは成長の証
《選手寸評》
(甲府)
GK河田晃兵
失点シーンはノーチャンス。やれることは間違いなくやり切ったが...
DF土屋征夫
守備面では体を張りつつ前線まで駆け上がるシーンも。勝利への執着を最も放った
DF山本英臣
危機察知能力と危機回避能力が高次元でリンク。必要不可欠な残留への超キーマン
DF新里亮
基本線はセーフティ。スペースが埋まっていたことで伊東の脅威にもさらされず
MF稲垣祥
すさまじい上下動でクリスと山中を監視。引き分け以上ならMOM級のパフォーマンス
(→87' MF石原克哉)
指揮官も評価したように短い時間で攻撃を活性化。もう少し時間があれば...
MF保坂一成
当然守備に軸足も、このメンバー構成ならもうわずかでも攻撃の関与を求めたい
(→81' MFビリー・セレスキー)
期待された攻撃面でパワーを出せず。大事な交替カードとしてはやや消化不良に
MFマルキーニョス・パラナ
中央に鎮座してピンチの芽を摘みつつバランス維持。勘所の押さえ方には目を見張る
MF橋爪勇樹
ほぼ5バック気味の布陣で伊東に蓋もセットプレーの精度は向上が必要
MF田中佑昌
縦に出て行きたい意識の中で周囲のフォローに恵まれず。クロス精度は高かった
MF盛田剛平
サイドで懸命に守備へ奔走する姿を見せられては失点時のミスも責めたくはない
(→67' FW森晃太□)
途中出場でシュート3本の積極性は見事もそろそろ目に見える結果が欲しい
FWダヴィ
周囲との負担差を考えれば前半の決定機は絶対に決めなくてはいけなかった
再放送スケジュールは
9月30日(金)深夜1:00~深夜3:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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