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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
今回で12回目を数える『COPA SEIRITZ』。高体連、Jクラブのユースチーム問わず、強豪が全国から馳せ参じるこの大会の最も大きな特徴は「トップチームをバックアップするセカンドチーム」が対象だということ。「「トップチームをバックアップする選手(Bチーム)の強化、育成を図る大会として発足し、トップチームの強化はさることながら、それをバックアップする選手にも、高い目標と、高いモチベーションを持って常日頃のトレーニングに取り組む事が、チーム全体のモチベーションにつながり、強化につながるのではないかと考え、COPA SEIRITZの開催を考えました」というのが、大会パンフレットに掲載されている成立学園の宮内聡総監督による"開催について"のメッセージであり、この理念に共感させていただき、今年も静岡へお邪魔してきました。ということで、今回は予選リーグのゲームをレポートとしたいと思います。
今回で3回連続での参加となるアルビレックス新潟U-18。今シーズンから高円宮杯プレミアリーグEASTに参入しているチームにおいて、松下健一コーチも「ここが底上げしていかないと、上の子たちもチームもレベルが上がって行かないと思うので、やっぱりこの子たちが大事だなと思う」と話した通り、当然セカンドチームの底上げは今月から再開するトップリーグを力強く戦っていくための重要な課題。真剣勝負の場でさらなる個の成長を狙います。
過去2度の優勝を果たすなど、この大会は常連となっている流通経済大柏。夏のインターハイでは市立船橋にファイナルで惜敗したものの、全国準優勝という素晴らしい成果を得ましたが、「ウチは全国で準優勝しただけに、『ここで諦めるんじゃなくて、このチームの成長のためには、もうひと踏ん張りという意味でオマエらの力が必要だよ』と上にも言われている」と話す川本峻輔コーチに率いられたチームはオール3年生。同級生の全国躍進を受け、冬に向けて彼らに肉薄していくためにも大事な時期を迎えています。
3分にいきなり安田進之介(3年・府ロクJY)がGKに激しくプレスを掛け、シュートには至らなかったもののボールカットを見せるなど、立ち上がりから気合いの入っていた流経柏は、4分にも中村翼(3年・FCラルクヴェール千葉)がミドルを放つと、その1分後に早くも先制。山本右尋(3年・FCコラソン)が右へラストパスを通し、安田が打ち切ったシュートは左のポストを叩いて、ゴールネットへ転がり込みます。「開始5分の入り方が物凄く良かった」と川本コーチ。流経柏がスコアを動かしました。
14分も流経柏。河崎壮大(3年・暁星国際中)とのワンツーから、2週間前の全国ファイナルにも出場していた中村がラストパスを送り、走った安田より一瞬早く新潟のGK藤田和輝(1年・アルビレックス新潟U-15)がキャッチしたものの好トライ。15分は新潟。広野直人(2年・アルビレックス新潟U-15)が右へ振り分け、川崎俊輔(1年・アルビレックス新潟U-15)のクロスを広野はスルーで流すも、柴崎太一(1年・東急SレイエスFC)の前で流経柏の右サイドバックを務める河野拓人(3年・BANFF横浜ベイ)がクリア。16分は流経柏。安田がフリーで抜け出しましたが、1対1はよく我慢した藤田がファインセーブで回避します。
次の得点を記録したのも流経柏。21分にセンターバックの菅裕太(3年・GRANDE FC)が右へ展開し、河崎が粘って残すと、「身体能力も高いですし、トップチームに関われるだけの力は持っている」と川本コーチも認める河野が中へ。安田がそのまま叩いたシュートは右スミのゴールネットへ吸い込まれます。「去年までは一番下のチームにいた子で、元々はセンターバックだった選手」(川本コーチ)という23番のストライカーはこれでドッピエッタ。点差が2点に広がりました。
止まらない全国ファイナリストの勢い。23分には河野が繋ぎ、右へ開いた澤畑竣介(3年・S.T.FC)の折り返しに安田が合わせるも、ボールは枠の右へ。24分にも左サイドバックの飯田響(3年・ジェファFC)のパスから、飛び出した中村はGKまでかわしたものの、シュートを左ポストにぶつけて抱えた頭。30+1分にも飯田のパスカットから、1人外して放った安田のシュートは藤田がキャッチ。「とにかくこっちは何も言わないから、自信を持って楽しくやってきなさいということだけで送り出した」と川本コーチも口にした流経柏が2点のリードを奪って、最初の30分間は終了しました。
後半もペースは変わらず流経柏。33分に畑亨治(3年・筑波大付属中)のパスを受け、池田拓海(3年・クラブドラゴンズ柏)が枠へ飛ばしたシュートは藤田にキャッチされましたが、直後にも再び畑、池田と繋ぎ、酒井芳葵(3年・クラブドラゴンズ柏)が狙ったループは、藤田が必死のファインセーブで阻止。34分にも飯田が右CKをショートで蹴り出し、横山優太郎(3年・大宮アルディージャJY)の上げたクロスは新潟のセンターバックに入った岡本將成(1年・アルビレックス新潟U-15)にクリアされたものの、「前半の途中からこれだけボールが回るんだったら、もっと優位性を創って3-6-1でやろうと思った」という川本コーチのシステムチェンジにも柔軟に対応した流経柏の続く攻勢。
一方、「自分たちのボールを保持する時間が短くて、ちょっと守備に追われてしまったのかなというのはあります」と松下コーチも認める新潟はなかなか攻撃の形を繰り出せず。43分に相手のCKを2本続けて五十嵐新(1年・アルビレックス新潟U-15)が弾き返すと、44分にはチャンス到来。センターバックの吉田光希(2年・アルビレックス新潟U-15)がDFラインの裏にフィードを落とし、走った柴崎はシュートまで持ち込むも、ここは流経柏のGK長井玄(3年・坂戸ディプロマッツ)が冷静にキャッチ。1点を返すまでには至りません。
45分は見応えのある攻防。流経柏は右のウイングバックにスライドした河野が鋭いシュートを放つと、藤田がファインセーブで応酬し、池田が押し込んだボールはカバーに入った吉田がライン上で決死のクリア。51分は新潟。広野のドリブルから獲得したCKを右から押久保汐音(1年・東急SレイエスFC)が蹴り入れ、木村瑞紀(1年・GRANDE FC)がヘディングで残すも、菅が大きくクリア。直後の51分は流経柏。赤池翔帆(3年・BANFF横浜ベイ)との連携から、富永翔太(3年・EAC FC)が枠へ収めたシュートは藤田がキャッチ。残された時間は10分あまり。
ラストシュートは流経柏。右サイドで奪ったFKはゴールまで約25m。 盧銀海(3年・Ole)が直接狙ったキックを、押久保が頭で果敢にブロックすると、しばらくして聞こえた試合終了のホイッスル。「選手たちの中では3年生だけで出られる最後の大会という感覚も強くて、そういうまとまりに関しては物凄く仲の良い学年なので、なおかつ今の2年生の代がかなり力のある代で、結構大会とかも優勝してきているので、その分アイツらに変なプレッシャーもあると思うんですけど、それを跳ね返せるだけのチームワークというのはあると思う」と川本コーチも言及したオール3年生の流経柏が、初戦をきっちり白星で飾る結果となりました。 土屋
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