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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2016年08月02日

クラ選準決勝 FC東京U-18×川崎U-18@西が丘

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0802nishigaoka.JPGユース版の『多摩川クラシコ』が全国の舞台で実現。8年ぶりの戴冠を狙うFC東京U-18と、初優勝を視界に捉え始めた川崎U-18の対峙は味の素フィールド西が丘です。
2001年と2008年は優勝で、2009年と2014年は準優勝。過去4度に渡って夏の全国のファイナリストになった経験を有するFC東京U-18。今シーズンはJ3に参入したU-23チームにも選手を送り出しており、岡崎慎(3年・FC東京U-15深川)や鈴木喜丈(3年・FC東京U-15深川)、生地慶充(3年・FC東京U-15むさし)、松岡瑠夢(3年・FC東京U-15むさし)は既にJ3で二桁を超える試合数に出場しており、「J3で戦うことで選手も凄く刺激をもらっていると思うので、そういう刺激をチームに還元できている」と話すのは自身もJ3で2試合プレーしているキャプテンの蓮川壮大(3年・FC東京U-15深川)。"何兎"でも手に入れられるものは手に入れに行くマインドで、日本一を見据えたセミファイナルに臨みます。
近年は各年代のカテゴリーも各種大会で結果を出し始めている中で、下部組織のトップカテゴリーとして夏も冬も全国大会の上位を窺いつつある川崎U-18。特に昨年度は夏に新潟U-18とG大阪ユースという強豪を相次いで撃破し、グループリーグ首位でベスト16進出を果たすと、冬はプレミア王者の鹿島ユースを2回戦で破る大金星を手にして、やはりベスト16まで勝ち上がるなど、確実にステップアップを。今大会は東京Vユース、仙台ユース、C大阪U-18と同居した"死のグループ"を1勝1分け1敗で切り抜け、2年連続でグループステージを突破すると、ベスト16では難敵の柏U-18相手に、1点ビハインドの後半アディショナルタイムで同点に追い付くと、宮代大聖(1年・川崎フロンターレU-15)の決勝ゴールで延長戦までもつれ込む激闘を制し、2日前の準々決勝では広島ユースを2-0で退け、クラブ史上初となるセミファイナルのステージへ。ここまで来たら言うまでもなく、狙うは一番高い所のみです。学生にとって夏休み中とはいえ、平日の16時キックオフにもかかわらず、スタンドには2000人を超える観衆が。注目の一戦は川崎のキックオフでその幕が上がりました。


スタートから目立ったのは川崎のきっちり繋ごうとする姿勢。ボランチの田中碧(3年・川崎フロンターレU-15)と桝谷岳良(2年・川崎フロンターレU-15)を中心に、ボールを捨てずにきっちり左右に動かしながら、縦へのスイッチを窺う流れを創出。「さすがにフロンターレさんも動かすのが上手ですからね」とFC東京の佐藤一樹監督も話したように、ボールは川崎が握る格好でゲームは立ち上がります。
ただ、8分のファーストチャンスはFC東京。伊藤純也(3年・FC東京U-15むさし)、平川怜(1年・FC東京U-15むさし)、内田宅哉(3年・FC東京U-15深川)とパスを繋ぎ、生地のポストから内田が狙ったシュートはDFのブロックに遭いましたが、スムーズなパスワークでチャンスを生み出すと、11分には川崎のCKから反転、「3年生が引っ張っていく中で色々とプレーで示せていると思う」と語る蓮川が一気に敵陣までボールを運び、シュートには至らなかったものの、強い先制への意欲を前面に。15分にもバイタルへ侵入した平川のシュートはDFのブロックに阻まれ、川崎のGK早坂勇希(2年・川崎フロンターレU-15)がキャッチしましたが、ゲームリズムは少しずつ青赤へ。
以降も手数は「ボールを保持する所と耐える所はしっかり区別できていた」(平川)FC東京。18分には左サイドを内田がえぐり、折り返しに生地が合わせたシュートはクロスバーの上へ。19分にも伊藤のパスから平川が「自分でもあそこまで良い所に行くとは思っていなかった」と振り返る強烈なミドルをクロスバーに当て、突っ込んだ半谷陽介(3年・FC東京U-15深川)のヘディングは枠の上へ。22分にも半谷を起点に伊藤が左からピンポイントクロスを上げ切り、生地が抜け出し掛けるも川崎の左サイドバックに入った川崎晶弘(3年・川崎フロンターレU-15)が間一髪でクリア。漂い出す先制の香り。
22分もFC東京。左から伊藤が蹴ったCKは、川崎のセンターバックを務める高吉正真(1年・川崎フロンターレU-15)が何とかクリア。直後もFC東京。右サイドから生地が左足で上げたクロスに、内田が叩いたヘディングは早坂がファインセーブ。そのCKを右から伊藤が蹴り込むと、蓮川のボレーはクロスバーの上へ。24分には川崎も右サイドバックの小川真輝(2年・川崎フロンターレU-15)がルーズボールに反応し、ミドルを枠の左へ外しましたが、これがようやくチームのファーストシュート。26分は再びFC東京。岡庭愁人(2年・FC東京U-15深川)の右クロスから、こぼれを回収した坂口祥尉(2年・FC東京U-15むさし)のミドルはゴール右へ逸れるも、両サイドバックが絡んだフィニッシュワークも。変わらないゲームリズム。
しかし、ワンチャンスを生かしたのは劣勢の川崎。28分に中盤で相手ボールを奪うと、田中は素早く縦へ。受けた栗脇拓人(3年・川崎フロンターレU-15)が左から中へ切れ込み、ミドルレンジから右足を強振すると、ボールは一直線にゴール左スミへ突き刺さります。「緊張感の中にも楽しもうという部分がありましたし、自分たちのサッカーを発揮しようという表情に見えました」と今野監督も言及した中で、3年生アタッカーが繰り出したゴラッソ。川崎が1点のリードを手にしました。
「1本のチャンスで相手に決められてしまって」(平川)ビハインドを追い掛ける展開となったFC東京。32分には平川が自らボールを奪い切り、ルーレットから放ったミドルは枠の右へ。逆に34分は川崎。栗脇と川崎晶弘の連携で左CKを奪うと、小川のキックは波多野のキャッチに遭ったものの、サイドアタックからセットプレーの獲得まで。36分も川崎。桝谷と宮代との連続ワンツーを経て、小川が枠へ収めた左足シュートは波多野にキャッチされましたが、サイドバックのオーバーラップも増加し、再び川崎に甦った積極性。
37分は東京。内田の左カットインミドルはクロスバーの上へ。39分も東京。左から伊藤が入れたCKは早坂がキャッチ。41分は半谷の仕掛けで得たFK。中央右寄り、ゴールまで約25mの位置から伊藤が直接狙ったFKは枠の上へ。42分も東京。内田のパスを平川が右へ流し、生地が打ったシュートはDFがブロック。45分も東京。伊藤の左CKへ蓮川が飛び込むも、わずかに届かず。「少ないチャンスからですけど先制できて、しぶとく前半を終えることができたので、入りとしてはプラン以上のものがあったかなと思います」とは今野監督。押し込まれる時間の長かった川崎が、それでも1点のリードを抱えてハーフタイムへ入りました。


「最初はちょっと暗かったですね」とハーフタイムを振り返った佐藤監督は後半開始からの交替を決断。伊藤を下げて、今大会すべて途中出場からの4ゴールと、ジョーカー的な役割を担ってきた久保建英(中学3年・FC東京U-15むさし)を1.5列目に送り込み、内田は左サイドへスライド。「色々なことを言うよりも『良さや質を出せ』という話をしました」と15歳のレフティに残された45分間での反撃を託します。
「チームの士気が本当に高まった瞬間」(佐藤監督)は後半開始早々の48分。いきなり久保が鋭く仕掛けて獲得したFKは右寄り、ゴールまで約25mの位置。スポットに立った久保が短い助走から直接狙ったキックは、完璧な美しい軌道を描いてゴール右スミへ吸い込まれます。「一応あそこに入ったら良いなという感じで、決めるしかないと思っていたので、入って良かったです」というスーパーなゴラッソを決めた久保は、弾かれたかのように先輩たちが待つベンチへ一直線。広がった青赤の歓喜の輪。「質を出したと思います。自分で仕掛けてファウルをもらって、自分で点を取った訳ですからね」と指揮官も認めた久保の一撃で、東京がスコアを振り出しに引き戻しました。
続いたのは「得点力も身に付けられればもっと怖い選手になれると思う」と話す16歳。56分に内田のパスを受けた平川は、「中学時代や小学生の頃にずっと狭いスペースでもブレないテクニックをしっかり磨いてきた」というそのテクニックを生かして中央をスルスル持ち上がると、そのまま左足一閃。ボールは完璧なコースを選んで、右スミのゴールネットへ飛び込みます。「本当に大人なんじゃないかというくらい落ち着いたプレーをすることもありますし、良い形で進んでいるので大したものだなと思います」と佐藤監督も評価した平川は、自ら「決勝トーナメントあたりから自分の調子も結構上がってきて、シュートも良い感じに飛んで行った」と手応えを口に。あっという間に東京がスコアを引っ繰り返しました。
止まらない青赤。59分に左サイドで獲得したFK。この日初めてスポットに向かったレフティの生地が、左足で絶妙のコースへボールを送り込むと、中央で完全にフリーとなった内田が頭で合わせたボールは、豪快にゴールネットを揺らします。その突破力から再三チャンスは創りながらも、なかなかゴールに恵まれなかった14番にもとうとう大会初ゴールが。まさに「畳み掛けた」という表現が的確な怒涛の3連弾。点差は2点に広がりました。
まずは1点ずつ返したい川崎も、61分に1人目の交替を。再三チャンスに絡んでいた小川に替えて、小泉靖弥(3年・クマガヤSC)をそのまま右サイドバックへ送り込むと、62分にはその小泉が右サイドを単騎で運び、マイナスに折り返したボールを宮代が打ち切ったシュートはDFに当たって枠の左へ。その左CKを桝谷が蹴り入れ、突っ込んだ田中のシュートはDFがブロック。再度右から桝谷が蹴ったCKに新井秀明(2年・川崎フロンターレU-15)が競り勝ち、田中が放ったシュートは枠の左へ逸れましたが、波状攻撃で打ち出す追撃の意欲。65分には大曽根広汰(2年・川崎フロンターレU-15)と伊従啓太郎(2年・川崎フロンターレU-15)も入れ替え、まずは2点を取り返すための勝負に出ます。
川崎の希望を打ち砕く追加点は、2日前にも同じ西が丘のピッチに立った"J3組"から。66分に鈴木喜丈の短いパスを受けた岡崎は、前方を確認するとパーフェクトなフィードをラインの裏へ。並走するマーカーより一歩前に出た半谷は、飛び出したGKを冷静に見極めながらループを選択すると、緑の芝生に跳ねたボールは無人のゴールネットへ弾み込みます。最前線でプレスにフリーランにと奮闘してきたストライカーも、ここに来てようやく大会初ゴールを記録。大きな大きな4点目を東京が手にしました。
68分に半谷と松岡をスイッチした東京に、踏み込んだアクセルを緩める気配なし。70分には久保の強烈な枠内ミドルを早坂がファインセーブで弾き出し、こぼれを拾った内田の枠内シュートも早坂が続けてファインセーブ。72分に川崎は2枚替え。桝谷と栗脇に替えて、池谷祐輔(2年・川崎フロンターレU-15)と道本大飛(3年・横浜栄FC)をピッチヘ解き放ち、何とか変えたいゲームのペース。FC東京も74分に圧巻のハイパフォーマンスを見せ付けた平川と品田愛斗(2年・FC東京U-15深川)を、76分には内田と小林真鷹(2年・FC東京U-15むさし)を相次いで入れ替えると、直後の76分には品田が枠の左へ外れる直接FKを積極的に。78分には川崎も数度のパス交換から、田中が狙ったスルーパスは道本がわずかにオフサイド。残された時間は10分間とアディショナルタイムのみ。
80分のダメ押し弾も"J3組"で。東京の素早いカウンターは、チームのバランス維持を託されている鈴木喜丈から。その鈴木喜丈が横に付けたボールへ反応した松岡はマーカーと競り合い、体勢を崩しながらもシュートを打ち切ると、フワリと浮かんだボールがそのまま揺らしたゴールネット。今大会は出場時間も限られ、なかなか持ち味を発揮できなかった10番にも初ゴールが。これでこの日フォワード登録されていた4人が見事に揃い踏み。「『ラスト45分で思い切って、躍動感を持ってやれば良い』という話をして」(佐藤監督)送り出された青赤は後半だけで5ゴールを強奪。スコアは5-1に変わりました。
82分にFC東京は5人目の交替。鈴木喜丈と吹野竜司(2年・FC東京U-15深川)をスイッチして、着手するゲームクローズ。84分は川崎。道本からのリターンを受けた宮代のシュートは、DFに当たってゴール右へ。その右CKを池谷が蹴り込むも、シュートには至らず。85分は東京。小林のパスを引き出した松岡のシュートは、早坂が意地のファインセーブで応酬。86分も東京。岡庭が右クロスを上げ切ると、ニアに飛び込んだ小林のシュートは枠の右へ。刻々と消えていく時間。近付く決着の時。
川崎のラストアタック。87分には伊従が右のハイサイドへ落とし、小泉はトラップで収めたもののシュートは打てず。89分にも道本が粘って繋ぎ、村田聖樹(2年・川崎フロンターレU-15)が打ったシュートは枠の右へ。90+2分にも左から池谷がCKを蹴り入れるも、フィニッシュへと持ち込むことはできず、程なくして西が丘の曇天に吸い込まれたファイナルホイッスル。「もちろん繋ぎ通すというのも目標にあるんですけど、『球際の所で負けない』というのはカズキ監督がずっと掲げてきた目標でもあるので、球際や戦う気持ちのメンタリティの部分はみんな意識してやってくれていると思います」と胸を張ったのは蓮川。後半で一気に勝負を決めたFC東京が、2年ぶりのファイナルへと勝ち進む結果となりました。


「大敗で終わってしまったという部分もありましたし、『先制できたのに』という部分もあって、本当に泣いている選手もいて、悔しがっている表情が多かったですけど、ここまで来れてそういう悔しい想いができたというのは、選手にとって良い経験になったと思います」と今野監督が話したように、試合終了直後は多くの選手がなかなかピッチから立ち上がれなかった川崎。それでも、とりわけ前半はチームの志向しているスタイルを西が丘の舞台で十分に示すことに成功しており、「先制点のあたりをきっちり決める所は、さすがにこのトーナメントで強豪を破って上がってきているチームだなという風に思いました」という佐藤監督の言葉にも頷ける、大いに誇って欲しい90分間を我々に見せてくれました。「どの試合も苦しかったですし、格上のチームばかりでしたけど、本当にしぶとさというか、耐えながら自分たちの良さを持ってという部分で本当に良い経験ができましたし、今年の残りと1,2年生は来年にこの悔しさを発揮できるように、今後に繋げたいなと思います」と今野監督。新たな歴史を切り拓いた川崎の挑戦に大きな拍手を送りたいと思います。
傍から見ればメンバーの入れ替わりが激しく、なかなかチームとしての成熟度を高めるのは難しく見える中で、「ウチはやりたいサッカーというのがハッキリしていて、そういうことを1人1人が試合前に確認して入っているので、やることは一緒ですし、ベンチにいる選手も出た時にどういうプレーをするのかというのをイメージして入れていると思う」と話した蓮川は続けて、「年の初めのプレミアリーグの開幕の時に、『今年はメンバーを固定できない』というのをみんなが知らされていたので、その時から誰が出ても良い準備ができるように、1人1人準備をしてシーズンの開幕を迎えられましたし、今はこういう結果が出て、1人1人が高い意識を持ってやれているので、そういう面ではプラスだと思います」ときっぱり。佐藤監督も「ウチはT1リーグにも参戦していて、そこでもしっかり戦ってくれている選手もいますし、『T1だから』『プレミアだから』『J3だから』ということではなくて、どこの立ち位置でも選手が前向きに取り組んでくれるような雰囲気になっていると思うので、これがシームレスに勢いになってきている」と明言しており、クラブの新たなチャレンジをポジティブな方向に持って行けるだけの力が、このチームには備わっているようです。「この大会も一昨年は準優勝だったり、Jユースカップは2年連続で3位になったり、なかなかカップを獲れていないので、優勝というものに対してチームとして飢えている部分はあると思う」と指揮官が言及したように、近年は良い所まで行くものの、日本一にはなかなか届いていないのが現状。カズ・トーキョーの悲願とも言うべき日本一までは、あとわずかに1つの勝利です。      土屋

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