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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2016年07月24日

2016 プレナスチャレンジリーグWEST第15節 バニーズ京都SC×新潟医療福祉大学女子サッカー部 試合後のバニーズ京都SC・千本哲也監督コメント

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京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で行われた
2016 プレナスチャレンジリーグWEST第15節の
バニーズ京都SC×新潟医療福祉大学女子サッカー部は
1-0でバニーズ京都SCが勝ちました。
以下、試合後における
バニーズ京都SC・千本哲也監督のコメントです。


【バニーズ京都SC・千本哲也監督】
Q:今日のゲームの印象はいかがでしたか?


A:ゲームの構造はキックオフから終わるまで、相手の守備のブロックをウチがどう崩すかで、相手が我慢してボールを取ってカウンターという構造で、ウチが変な取られ方をしたら相手も「刺したんで」みたいな構造がずっと続いたので、こちらとしてもあまり試合中に大きく変えるようなことはなく、攻め手というか、人を変えたりして、チームの構造は変えずに選手の特徴を少し変えることで、チャンスを創って点を取ろうという感じでした。なので、ハーフタイムでパッと人を替えて、以降は変な表現ですけど殴り続ける状態で、「いつ相手のガードが下がるか」と。でも、「なかなか下がらへんなあ」となったら、ちょっと取られ方が悪くなったり、こっちが大振りになったりという感じやったんで、最後の最後はもうひと頑張りしてもらうかということで、人を変えて吉澤(亜依)を入れて、それが思いの外にチャンスを創ってくれて、松田(望)が角度のない所から決めてくれました。本人は「シュートや」って言っていますので、僕もそっとしておきます(笑) でも、変に柔らかいボールを入れるより、相手のミスで入っても良いですし、合わせてくれても良いみたいな感じのボールを入れたのは、やっぱり彼女も経験も技術もありますし、その瞬間の判断は正しかったと思います。頼りになるなと思いますね。


Q:後半の「殴り続けている」時に、松田選手もちょっと落ちてボールを触りに行くことも多くて、あそこでボールを収まる半面、そこで取られたらカウンターということも想定できたと思いますが、あのあたりはどういう風にご覧になっていましたか?


A:ウチは松田と澤田(由佳)がキーなので、攻撃のリズムとか丁寧にやるためにどちらかが降りるというのは問題ないんですけど、2人降りてしまうと、CBの清原(万里江)が左の一番前まで行ったり、それはそれで相手に捕まえられへんので良いんですけど、リスクが大きいという面もあるので、あまり積極的に「そういう風にやろうぜ」とはしていないです。ですけど、今日のゲームに限らずシーズンを通してやっていることは、彼女らが自主的に流れの中でもそうですし、そういう風にポジションを変わったり、役割を変えたりした方が今は良いんじゃないかと思ってやっている分には、ある程度の幅の中では、良い様に言うと認めていますし、悪い様に言うと「ほっとく」という風にしてきたんです。というのは、最後にギリギリでゴールが出たのは今日だけではなくて、2節ほど前のアウェイの名古屋でも最後の最後にアディショナルタイムに佐藤(莉奈)が入れて1-0というゲームがあって、そういう風に本当に選手が自主的に判断して、自立してやることを削がないようにしたいなと。あまり言い過ぎると型にハマってしまいますし、1つは勝つということが大事やし、セオリーとかリスクを背負わないとか、そういうことが勝ち点を取る上で大事だと思うんですけど、それだけやと面白くないし、何かのキッカケでもっと彼女たちが輝く可能性もあるやろうし、実際に事実として僕は彼女たちと関わって、1年目の選手も2年目の選手もいる中で、松田とか澤田とか元から上手かったですけど、最初に出会った時よりイキイキと、のびのびとやっていますし、それはそうやってある程度任せたことも影響していると思います。もちろん練習ではハメていますよ。ミーティングや練習で刷り込んでいることはいっぱいあるんですけど、そういう風に取り組んでいるつもりなので、「ヤベー、危ねえ危ねえ」と思うことはいっぱいある中でも、結果としてやらへんかったら、あとでちょっと言うぐらいです。1日空けてから気が付いたことをちょっと言うとか、ビデオミーティングする時に個別に「ちょっとこういう状況はリスクが高いと思うよ」だったり、「できるだけ控えた方が良いんじゃなかろうか」とか。それは「俺は見てるよ」というメッセージでもあるんですよね。「言わへんけど見てんで」と。「何でもアリちゃうからな」というぐらいのさじ加減です(笑) そうしたら彼女たちは経験もあって賢いので、「ああ、それはあかんねんな」みたいな感じになってくれれば良いなと。僕は彼女たちに意見を聞き入れてもらえれば方法は何でも良いので、彼女たちにどういう態度を取られようが、「バニーズはこういう風にして勝ちましょうね」が伝われば形は何でも良いんですよ。なので、色々な選手によって伝え方もタイミングも変えて、刷り込んで行っている所です。


Q:今日のゲームもリーグ戦の最終戦で、ホームゲームとはいえ、上とも下とも勝ち点が離れていて、モチベーションを選手に持たせるのも難しいゲームなのかなとも思いますが、そういうゲームで勝てたということに手応えは感じてらっしゃいますか?


A:僕は男性の大人のチームを指導したことがないので、そこはわからないですけど、彼女たちは目の前に試合があれば一生懸命やりますし、目の前に敵がいれば勝ちたいと思いますし、あまり勝ち点や順位は関係ないと思います。逆に「これで勝ったら優勝」とかの方がプレッシャーになって、「勝たなアカン」とかということの方が「なんかおかしいな」となる要素の方が強いと思います。なので、ゲームに対してのモチベーションが低いという状況に出会ったことがないです。逆に勝ちたいから、うまく行かなかった時にイライラしたり、コントロールできなくなったり、内側で戦っちゃったり、僕と戦ったりということは何度もありましたけど、ゲームに対して「どっちでもいいや」みたいな、意欲のない姿は見たことがないです。それは女性特有なんですかね。


Q:もちろん千本監督は男性ですから、女性特有の部分は完全に理解し切れない所もあると思いますが、そういう中でかなり繊細にチームビルディングをされている感じでしょうか?


A:「繊細に」という部分はそうです。色々な表現ができると思うんですけど、「探りながら」とか「確認しながら」とか「丁寧に」とか、たぶんそういう表現が合うんじゃないかなと思います。いつも伝わらへんかった時に反省するのは、「丁寧さに欠けるのかなあ」とか「タイミングはどうやったかなあ」とか、「今じゃなかったかな」とか、「言葉は足りていたか」とか、そういうことを凄く気にしますし、その中で「絶対忘れんとこう」と思っているのは、サッカーのことについては踏み込むこともありますけど、人間性とか人格の部分には絶対的なリスペクトを置いて、姿勢としてはチームがより良いチームになるために、試合に勝つために、「俺はこう思うけど、あなたはどうですか?」という姿勢は絶対に失わないようにしようと思っています。そこで論理的に整合性が取れていると、どんな性格の子でも納得してくれますし、その姿勢を失わなければ、少なからず"聞く耳"は持ってもらえるので、聞いた上で自分の中に取り入れるか、「いやいや、何言ってんの?」となるかは彼女たち次第で、その選択権も彼女たちに預けると。じゃあ、僕は何しなアカンかと言ったら、どんな子に対しても「そやね」と思ってもらえるようなタイミングと、丁寧さで伝えると。伝わらへんかったら僕が悪いだけなので、そういう風に考えるようにしています。正直イライラする時もありますけどね(笑) 色々想う所もありますけど、今シーズンはちょっとうまく行き出してからは、「俺は納得してません」という姿も出すようにはしています。今までは「丁寧に」だけでやってきましたけど、現状で「プレーオフ、ホンマに勝てるのか?」と言われたら、もうちょい頑張らさんといけないですよね。たぶん今日よりももうちょっと論理的に崩さなアカンですし、決定機の回数や精度を上げないといけないので、じゃあ「今の姿勢で大丈夫ですか?」ということや、「今のトレーニングにおけるクオリティで、その仕掛けで、そのパスで点取れますか?」という部分は少し出さないと。「ちょっと引っ張ってあげな」という想いもあるので、それは今日勝ったからですけどね。


Q:例えば男子のカテゴリーで言うとなでしこチャレンジはJ3と一緒だと思うんですけど、J3のクラブでもここまでサポーターがいるクラブの方が少ないんじゃないかと思いましたし、あれだけ応援してくれる人がいるというのは素晴らしいことだと感じましたが、そういう部分を実感されることは多いですか?


A:ありがたいです。もちろんチームが勝つこと、カテゴリーをチャレンジリーグからなでしこリーグに上げることというのは、クラブとして絶対に必要なことやし、大切なことだと思うんですけど、他方でやっぱりこういう京都という街には色々なものがあると。別にサッカー以外にも楽しいことは他にいっぱいあって、行政もサッカーで街を盛り上げる前に、放っておいても日本全国から、あるいは世界中から人が来てくれるので、そういう街で応援して頂けるようなチームであったり、選手にならないといけないので、そういう所をもっともっと頑張らないといけないんです。今日もああやって試合終わりの選手も、子供と一緒にピッチでボールを蹴ることの大事さは理解してくれているので(※試合に出ていた選手も、試合後にピッチで子供たちと一緒にボールを蹴っていた)、そういう意味でも積極的に色々なことをやっていって、もっともっとお客さんを増やしたいですし、ピッチの上でもクオリティを高めて、「見ていて面白かったから、また見に行きたいな」と思ってもらえるようなゲーム内容であることも大前提として大事だと思うので、そういうサッカーのスタイルを確立することや、そういうゲームを毎試合やることも大事ですし、地域に発信していくことも大事ですし、色々なことをやって、もっともっとお客さんに「バニーズ楽しいで」「バニーズ面白いで」ということがもっともっと広がるようにしていきたいと思いますし、現状でも本当にありがたいですけど、そこに満足することなくやっていきたいと思います。


以上です。


土屋

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