mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2015/12

S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2015年12月06日

J1昇格プレーオフ決勝 福岡×C大阪 試合後の福岡・井原正巳監督会見コメント

mas o menos
  • Line

ヤンマースタジアム長居で行われた
2015 J1昇格プレーオフ決勝の
アビスパ福岡×セレッソ大阪は1-1のドローとなり
福岡が優勝、J1昇格を決めました。
以下、試合後の記者会見における
福岡・井原正巳監督のコメントです。


(福岡・井原正巳監督)
まずは本当にプレーオフの決勝に
福岡から多くのサポーターが駆け付けてくれて
ヤンマースタジアムで本当にアビスパ福岡に対して
大きな声援を送ってくれたので感謝しております。
結果的に何とか引き分けで昇格を決められたというのは
本当にサポーターの皆さんのおかげだと思いますし
また福岡でも大勢の方がパブリックビューイングなどで
パワーを送ってくれていたと思うので
そういう人たちすべてに感謝したいと思います。
今シーズンの集大成というつもりで今日の試合は臨みました。
セレッソとはリーグ戦では2勝はしているんですけれども
その時ももちろん内容的には非常に苦しい展開でした。
2勝という中でも、内容は非常に厳しいものがあったので
今日の試合はセレッソさんも監督が替わって
「今までのセレッソとは違う」という想いで試合に臨みました。
一発勝負ですので、何が起こるかわからないという
サッカーの怖さももちろんあった中で
先に先制点を奪われて非常に苦しい展開にはなったんですけど
そういうこともミーティング等で
もちろんそういう展開になることもあるので
そこは慌てないでしっかり最後まで諦めずに戦おうという中で
後半ももちろん選手たちが90分間走り続けて
そして最後までゴールを奪いに行った結果
中村北斗の同点ゴールに繋がったのかなという風に思っています。
本当にチーム全員の一体感であったり、想いがあのゴールに繋がったと思いますし
スタッフ、またアビスパ福岡の会社のすべての方の想いや
スポンサーの方の想い、そしてサポーターの想いが
あのゴールに乗り移ってくれたのかなという風に思っています。
本当にサッカーは何が起こるかわからないという風に
追い掛けている時も思っていましたし
それがああいう形で最後に結果に繋がって本当に良かったなと思っています。


Q:今日の試合というよりは44試合積み重ねてきたことが
この結果に現れたと思いますが、この1年の中で一番彼らが成長した所は
どんな所だとお考えでしょうか?


A:本当に我慢しなくてはいけないゲーム展開であっても
それを自分たちでしっかり受け入れながら
我々の主導権を握っていない時間帯も
そこをしっかりと全員の力でゲームを上手くコントロールして
そして少ないチャンスでもゴールを挙げると。
選手たちにそういう逞しさであったり勝負強さというのは
この1年間でかなり付いたのではないかなという風に思います。
それと、本当にゲームがどういう状況になっても
慌てず自分たちのペースというものが90分間通して試合の中で
コントロールできるようになったというのも大きいのかなという風に思っています。
そこは今まで勝ってきた自信であったり
色々な苦しい流れでもそれをモノにしてきたというものが
選手の勝負強さに繋がっているのかなという風には思っています。


Q:1点リードされてから追い付くまでにしばらく時間がありましたが
あの間もベンチを見ていると非常に落ち着かれている風に見えましたが
あのあたりの心境と、選手にベンチからどんな言葉を掛けてらっしゃったのか
教えていただけますか?


A:1点やられてからまだ30分は時間がありましたし
そこで慌てないということは試合前のミーティングでも
こっちに来てからもそういう話はしていたので
そこで選手たちもゲームの中で自分たちのやり方というものは
「90分間で最後に追い付けば良い」または「ゴールを挙げれば良い」という
そういう想いはたぶんみんなが持ってくれていたと思います。
ですので、ピッチサイドでも「慌てなくていいから」という話は
選手たちには伝えていました。
それと今週の練習でビハインドになった場合の想定も一応して
トレーニングしていましたし、最後に中原を入れて2トップにしました。
その前に3バックの形を変えて、前を2トップにして
トップ下を置くような形で流れもある程度引き寄せて
少しずつ我々が前に圧力を掛けられるようになったというのもあって
最後の10分は2トップで行こうというような形で前もって話もしていたので
そのへんはスムーズに行ったのかなと。
最後はやはり運のような所もありましたし
あそこで中村(北斗)にこぼれたというのは本当に
みんなの気持ちがそういう風にさせたのかなという風に思っています。
やっぱり練習でそのへんもしっかり準備したことが
我々スタッフも最後まで慌てずに済みましたし
選手たちもそれを信じてやれた要因かなと思っています。
その時間帯をあと何分くらいでシステムを変えて行こうかという所だけ
スタッフ等で色々話しながら、最終的には決断を下しました。


Q:監督就任1年目で正直上がれると思ったのかということと
来年J1の舞台で戦うという野心をお聞かせください。


A:昨年16位のチームがスタート時に昇格を掲げた所で
やはり「何言ってんだ」と思われている方もたぶんいらっしゃったと思いますし
ただ我々は高い目標を持ってチームというのは
進んで行かなくてはいけないという強い想いもありましたし
アビスパの選手たちの質を考えても十分にJ1に昇格できる、
そういうポテンシャルはあるなという風に思っていたので
そこは本当に目標を高くしながら、日々努力をしていけば必ず到達できると。
それと我々には本当に力強いサポーターが
福岡には大勢付いてくれていますので
そういうサポーター、またスポンサーの方々もうまく巻き込み
そしてパワーにさせて頂き、パワーを戴き、そういう所で
必ずそれが追い風になって行くという予想もありましたし
そういう部分が本当に助けられた所でもありますが
リーグ戦を戦っていく上で、よりその目標というのが
明確になってきたという所ですね。
来年に向けてはこれからじっくり考えたいですけど
本当にJ1は甘くはないですし、いざ上がったのは非常に嬉しいですし
福岡にとっても素晴らしいことだと思いますが
来年いかにJ1で戦って行くかというのは冷静に考えても
やはり3位のチームがここ数年また1年でJ2に降格しているというのも踏まえ
我々はそういうことがないようにしっかりとまた来年準備をして
良い形でリーグ戦に入って行けるように
また今のチームでどこまで戦えるかというのも非常に期待感というか
そういうものも持っていますし、福岡旋風というものを起こせるように
しっかりとまた準備していければと思います。


Q:リーグ戦を含めて44試合戦って
今シーズンのターニングポイントになったと思う試合と
その理由を教えて下さい。


A:8月15日のジュビロ戦が自分たちのホームゲームで
レベスタでやったんですけど
その2-0で勝ったゲームというのはシステムを初めて4バックにして、
4バックでもちろんピンチもあったんですけど
2-0でジュビロを相手に勝てたあのゲームが
自分の中では非常にターニングポイントになっています。
システムを4バックも初めて試して
そこでしっかりとゲームを勝ち切ることができたことは
チームにとっては非常に大きな自信になりましたし
対ジュビロということもあり、より両方のシステムを
やって行ける自信にも繋がったので
実際の所、その時に「コレは昇格できるかな」と思いました。
もちろん誰に対しても口には出せませんが(笑)
「行けるんじゃないかな」というのはひそかに頭の中に描くぐらいの手応えを掴んで
そこから両方のシステムをうまく使い分けられるようになったので
そこが1つのターニングポイントかなと。
他にも色々あるんですけどそれが1つ大きかったかなと思います。


Q:開幕3連敗からのスタートでしたが、その時の率直な感想と
そこで何かを変えたのか、それとも変えなかったのかを教えて下さい。


A:開幕3連敗をして最下位になったということが
我々のもう1つのターニングポイントにはなっていると思います。
もう3戦目の時にはシステムを4バックから3バックに変えていたので
そこで札幌とのアウェイゲームである程度守備の手応えというものを
それからシステムの変更の手応えというのを掴んだことも大きかったと思います。
そこからゲームは敗戦で終わってしまったんですが
チームはある程度の手応えを掴んで
次の試合から負けなしが11試合続いたということで
そのへんはうまく立て直せたのと
3連敗したけれどもそのゲームもまったく悲観することなく
我々はやっていることを続けて行こうという姿勢をブレずに続けられたことと
スタッフももちろんそれを信じてやりましたし
選手がそういう部分でスタッフを疑うことなくやり続けてくれたことで
結果がまた違う方向に変わっていったのかなという風には思っています。


Q:井原さんは現役の時に凄く実績のある方でしたが
今度は監督となって選手を動かす立場の難しさや
どういう所に監督として一番の醍醐味を感じてらっしゃいますか?


A:本当に毎日のトレーニングから日々勉強することばかりだと思いますし
頭ではわかっていても選手をチームとしてどういう風に機能させるかというのは
本当に難しいなと常に思っています。
長いシーズンの中でチームは本当に生き物のように変わっていく所で
チームの雰囲気であったり、戦う姿勢であったり、日頃のモチベーション
そういうものがすべて試合に関わってくると思っているので
そういう所を自分は常に注意しながら見ていましたし
選手としての実績というのは全く指導者としては関係ないと思って
指導者をしていますし、逆にそういう実績があるから
「井原はしっかりと監督としても成績を残せるんだろう」と
いうような見方をされていると思いますし
そのプレッシャーがより強くなっているのかなとは感じました。
なので、そのプレッシャーを自分は逆にパワーに変えてやろうと。
そのへんが選手の時と監督という立場というのは
まったくプレッシャーが掛かる度合いが違うなとは思ってやっていました。
ただ、そうやってやることが自分にとっても指導者としても
力を付けるためには凄く大事なことだと思っていましたし
プレッシャーがあるから良い仕事ができると思ってやっていました。
そのへんの難しさというのは
また本当にやりがいというものを感じてやれていることは
選手の時とはまったく違うなという風に思ってやっています。


Q:今までジョホールバルのような色々な崖っぷちの試合を
モノにしたこともあったと思いますが
今日勝った瞬間というのはまったく違う感動や
今まで味わったことがないような充実感がありましたか?


A:そうですね。やっぱり選手の時とはまったく感覚が違いましたし
選手の時に色々とプレッシャーの掛かるゲームを
代表の時もまたJリーグのチームの時もそういうゲームを経験してきましたけど
それとはまったく別物のプレッシャーというのが実際の所はありました。
ただ、これが監督としてのやりがいだったり
プレッシャーなのかなという風に思ってやっていました。
プレッシャーの度合いは違いますが
ワールドカップ出場とかそういうものに比べれば
まだまだだなと思って自分はやっているので
昨日のチャンピオンシップの森保監督や長谷川監督の方が
より強いプレッシャーを感じてやられているんだろうなという風に思います。
早くそういう監督にまた追い付けるように、今日は何とか結果を出せて
プレーオフの決勝という中でもこれだけのプレッシャーが掛かるというのを
初めて経験できたのは自分の指導者キャリアにとっても
非常に大きいことだと思いますし
よりもっと上を目指して、これからやっていきたいと思います。


以上になります。


土屋

  • Line