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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-2nd第17節
FC東京×サガン鳥栖@味の素スタジアム
解説:玉乃淳 実況:下田恒幸 インタビュアー:日々野真理
【FC東京 マッシモ フィッカデンティ監督インタビュー
(試合後・中継内)】
Q:今、ロッカールームからいらっしゃいました。
選手たちにはどのような言葉をお掛けになったでしょうか?
A:今は本当に悔しい想いでいっぱいですし
悲しい想いでいっぱいだという風に思います。
それだけのことをみんなやってきてくれたので。
本当に他のチームより私たちの方がふさわしかったと
いうことを言いたい訳ではないのですが
私たちはやはりチャンピオンシップにふさわしいチームだったとは思います。
本当にチャンピオンシップまで数ミリの所まで来たと思いますし
考え得るあらゆるレコードを今年は達成して
これだけ高い位置まで連れて来ることができたので。
それだけですね。
Q:今日の試合に限ってお話を伺うと
どのあたりが難しいポイントだったと思われますか?
A:今日は予想していた通り、相手が後ろでしっかりとブロックを作って
グラウンドの中では非常に球際で戦うシーンが多かったと思いますけど
そういう意味ではおそらくここ最近で一番厳しい試合だったかなと。
簡単にスペースを見つけることもできませんでしたし
あとはやはりグラウンドのコンディションがなかなか良くない部分があって
ボールが上手く回せなかったという部分もあったとは思いますが
最後は本当にあれだけ人数を前に送り込んで
カウンターを2回ほど食らう部分もありましたけど
あの時間帯でそういったリスクをわかった上で攻めるべきだったと思いますから
やるべきことはやったのではないかと思います。
Q:今日でリーグ戦は最後となりました。
今年1年を振り返って、積み上げられた部分というのは
どんな所だと手応えとして感じてらっしゃいますか?
A:数字を見れば本当に明らかだと思います。
チーム創設以来初めて優勝争いに絡めるような1年でしたし
やはり6月に一番良い選手を放出した後で
去年はJ2でプレーしていた選手がチームの主力になるようなことも
できたという風に思いますから
様々な観点から非常に良い仕事がなされたのではないかなと思います。
Q:今年はもう1つ天皇杯のタイトルがあります。
そちらに向けて最後に一言お願いします。
A:本当にこのチーム、このユニフォームを全員が誇りに思っていますし
だからこそ最後まで戦い抜ける状況がまだある訳ですから
それを諦めないでやりたいという風に思っていますし
今日選手たちも最後は顔を上げてグラウンドを出で行ったと思います。
もちろん失望はしていたと思いますけど
そういった強い気持ちを持って最後の最後まで戦い抜きたいと思います。
【サガン鳥栖 森下仁志監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日の0-0の引き分けという結果を受けて
どのような印象をお持ちでしょうか?
A:いや、勝ちたかったですね。
内容からしても選手の勇気からしても
本当にパーフェクトに近いゲームだったので
何とか勝ち切りたかったです。
Q:監督の指示の中にも「球際」という言葉や
「もっと勇気を持って」という声が飛んでいました。
今日の対戦相手であるFC東京の特別なシチュエーションという部分も
「そこで負けてはいけない」という部分があったでしょうか?
A:そうですね。もちろん自分たちが逆の立場になるためには
そういう試合というのはチャンスでもありますし
こういう場で自分たちがプレーできたというのも
チャンスでもありますし
FC東京は本当に能力の高い選手が
今年は球際だとかハードワークするチームだったので
そこで上回られると自分たちのプレーもできないですし
そもそも球際とかセカンドボールとか
ハードワークや走るというのは僕らの真骨頂なので
そこを上回ろうという話はしました。
Q:これがリーグ戦は最終戦となりましたが
リーグ終盤の好調ぶり、7戦負けなしというあたりの評価は
どのようにされますか?
A:色々なことが起きている中で
本当に選手は日頃から「うまくなりたい」と。
「もっとサッカーを上手くなりたい」という気持ちで
トレーニングに励んでくれていますし
その1年の積み重ねがここに来て
少しずつ芽が出てきているかなと嬉しく思います。
Q:その姿を見て、やはり監督として
「頼もしいな」という想いは強かったでしょうか?
A:もう本当に幸せですね。もうその一言です。
Q:リーグ戦はこれで終了となりますが、天皇杯があります。
そちらに向けて最後に一言お願いします。
A:また1月1日にこの舞台に帰ってきます。
その気持ちでやりたいと思います。
【玉乃淳氏のレビュー】
(FC東京)
味の素スタジアムで最近行われた湘南戦を思い出してしまうんですよね。
まったく同じ展開から勝ち切れなかったと。
その修正というか改善策を監督がどう思い描いていたかというのは
上から見ていたらちょっとわからなかったので
聞いてみるしかないですけど複雑な気持ちです。
選手は存分に頑張っていましたし、勝つためにもちろんプレーしていましたけど
一番危険な匂いのした東が90分経つにつれてゴールから離れて行ったと。
それは何故なのかという所も振り返らないといけないでしょう。
もちろんサッカーは常に動いている生き物なので
明確な答えが出ないものではあるのですが。
このタレント軍団の選手のポテンシャル、将来性まで見てしまうと
少し物足りないというか、それが結果として出てしまったのかなと。
河野も中島翔哉もメンバー表を見ると今季の得点は1点なんですよね。
どうしてもストロングポイントの太田宏介のクロスに頼ってしまった結果が
この最終節に出てしまったのかもしれませんね。
当然太田宏介の左足に対してはどのチームも研究してきますから
湘南は2人置いて封じ、今回の吉田は縦を完全に切ったと。
この次のオプションですよね。それはやっぱりアイデアだったり勇気かなと。
高い技術を発揮する選手はたくさんいるので
そこを活かすことができなかったのが残念でならないですね。
おそらく仕掛けて取られたら「何だよ、太田に渡せよ」という
雰囲気が出てしまうモノなんですよ。ストロングポイントがあると。
「ここは俺のエリアだから仕掛けますよ」というふてぶてしく勝負するシーンを
東、河野、中島も含めた3人はもっと出しても良かったかなと思います。
自由を与える所も少しは必要だったのかなと。
トップ下に入る選手を攻撃力ではなく守備力で評価してしまったのかなと。
チャンピオンシップも導入された今のJリーグでは
勝たなくてはいけない試合というのが必ず出てくるので
そこでの準備や選手のマインドの持って行き方は
今日の試合に限って言えばうまく行っていなかったかなと思います。
点を取ってしまえば誰も文句は言わない訳ですから
選手の中でも一皮剥ける機会はあったのではないかと。
サッカーって難しいですね。
ずっとFC東京の試合を見続けてきたこのサポーターの皆さんは
「ああするべきだったんじゃないか」とか
「もっとこうした方が良かったんじゃないか」とか。
もしかしたらわかっているんじゃないかと思うので
もっともっとチームが強くなるためにも
そういった想いや声が届けばいいなと思います。
(鳥栖)
鳥栖は見事でしたね。
誰も引き分けでもいいと思わないメンタル、フィジカル、意識。
素晴らしいものがありましたね。
もちろん監督も含めたクラブの方針ですよね。
これで引き分けではなく、勝って天皇杯に臨むと
相手はガンバですけどまったく怯まずに今後も戦ってくると思います。
森下監督のインタビューは「幸せです」という言葉が凄く印象的で
サッカーに関わる勝負の世界にいて
選手たちが本気で頑張ってくれて
「良いな」というか「凄い世界があるんだな」と。
普通に生きていて「週末は何食べようかな」とか
思っている自分と比べてしまうと雲泥の差があるなと。
毎回試合を見ていると「自分も今度こそは変わろう」と
「明日からは変わろう」と思うんですけど
今変えようと思っていない時点で自分はダメですね。
【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第17節
FC東京 0-0 サガン鳥栖
入場者数:30,753人 天候:曇、無風
気温:14.5度 湿度:60%
主審:山本雄大
副審:名木利幸、平間亮
第4の審判員:岡宏道
《選手寸評》
(FC東京)
GKブラダ アブラモフ...枠内シュートもほとんどなかったがキャッチングにはやや危うさが
DF徳永悠平...1人でカウンターを防ぎ切ってなおかつ前へ運んだシーンに懸ける想いが見えた
DF森重真人...クリアミスと接触の連続に気負いも。86分のシュートはよく打ったが...
DF丸山祐市□...守備での破綻はなかったが62分のヘディングシュートは当て切れず
DF太田宏介...吉田の対応に苦しんだが2度の決定的なピンチに全力で戻ったのはこの男
MF高橋秀人...スマートさのかけらもなく最も闘ったが報われず。試合後の姿が印象的
MF橋本拳人...難しい展開で流れに埋没。若いパワーをチームにもたらせなかった
(→FW林容平...途中出場のストライカーであれば72分のシーンは何とかしなければ)
MF米本拓司...攻撃と守備のバランスにおける最適解は最後まで見つからなかった
MF河野広貴...ドリブルでゴールへ向かう本来の獰猛さを我々は見たいはず
(→FW中島翔哉...林の投入に伴ってサイドに移ってからは存在感も希薄。仕事は果たせず)
FW東慶悟...前半の切り返し2回は圧巻。後半は太田のお膳立てに終始する役回りに
FW前田遼一...ニアに入る意識は見せたもののゴールへの期待感は薄かった
(鳥栖)
GK林彰洋...彼がハイボールで全勝したことは勝ち点1獲得に大きな影響をもたらした
DF谷口博之...再三送り続けられた太田のクロスを最も跳ね返す。充実の今シーズンに
DF丹羽竜平...終盤の猛攻にも冷静にラインを統率。シーズン最終盤に存在感を発揮した
DFキム・ミンヒョク...この日は彼の強さや果敢さがプラスの方向に出た90分間だった
MF吉田豊□...太田を守備面で苦しめつつ自らも積極的に駆け上がるMOM級の躍動感
MF岡本知剛...サイドチェンジに冴え。こういうゲームなら持ち味の展開力が生きる
MF高橋義希...時折見せる攻め上がりはいちいち的確。チームを支えるプレーは円熟の域に
MFチェ・ソングン...とにかく上下動し続けたがやはり最後までは足が持たなかった
(→MF福田晃斗...3枚目のカードとしての投入に指揮官からの期待と信頼を見た)
FW早坂良太...シャドーで奮戦も自ら起点になった30分の決定機はせめて枠に飛ばしたい
(→MF鎌田大地...ポスト直撃のシュートに決定的なスルーパス。抜群の期待感を漂わせる)
FW池田圭...このシステムのCFでは持ち味が生きない。消化不良の64分間。
(→FW豊田陽平...高さを生かすシーンはむしろ守備で。決定機には絡めなかった)
FW水沼宏太...キャプテンマークを巻くにふさわしい奮迅ぶり。名実共にチームの中心に
再放送スケジュールは
11月27日(金)深夜1:00~午前4:00 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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